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生活魔法が強すぎるんだが?  作者: 晨具
魔法武術学校
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フロイトと小型電解装置

 「へぇ。取っ手が取れる鍋とかあるのか。」


 「フロイトくんは料理はしないの?」


 「ああ、いつも闘技場の食堂で食べてたからね。」


 そんな会話をしながら、俺はフライパンとウォックパン・鍋を大中小3つと取り外しの取っ手を2つ買った。

 ついでに皿を数枚と金属製のハシとコップを買う。


 「フロイトくんって韓国出身?」


 「いや、日本だよ。タットはどこ出身?」


 「ボクはインド。ほら、」


 そう言いながら、大量のスパイスを見せてくる。


 「さすがスパイス大国だね。」


 「そういうフロイトくんだって大量に塩を買ってたじゃん。日本は塩大国なの?」


 「いや、汗かくからこれくらい必要かなって。」


 そうして旅の準備を整え、俺たちはサルエルの町を去った。



 「シュナちゃんの職業ってなに?」


 「シュナは魔法使いだよ。ボクが教えてるからスキルレベルも高いんだ。」


 「えっへん!」


 シュナちゃんが褒められて可愛い反応をする。

 うん、女の子って癒されるね。


 「それじゃあ、タットたちは収納魔法使えないわけか。やっぱり転職しないとだな。」


 そうしてタットに4億Gを渡す。


 「本当にいいのかい?フロイトくん。こんな大金貰っちゃって....。」


 「うん。1日持ってないとタットに所有権が渡らないからね。収納魔法がないと俺が不便だし。」


 「それじゃあ有り難く受け取るよ、」


 そうして明日転職をする約束をした。



 夜も深くなってきた頃、スライムに出会った。

 プレーンのザコスライムだ。


 「今日の夕飯はスライムだな。」


 俺はそういって、スライムを掴む。


 ナイフで内臓と核を取り出し、水の生活魔法で洗ってから、砂糖を振りかけて鍋の中に入れる。

 そして並木から木の実をいくつかもぎ取って、スライムと混ぜ合わせる。

 これで完成だ。


 「フロイトくんそれだけで充分なの?ボクらの少し分けようか?」


 タットたちは黒パンに干し肉を挟んで、火の生活魔法で焼き目をつけていた。


 「ありがとう。だけど大丈夫。やっぱり旅の醍醐味はサバイバルだから!」


 そんなことを言いながら、俺はタットたちとは違う食事をとる。

 肉は大好きだが、保存食に頼ってはいけない。

 これが俺の冒険の流儀だ。



 「フロイトくんのそれってどんな味がするの?」


 フルーツスライムを食べる俺にタットは興味津々だった。シュナちゃんは引いてたけど。


 「一口食べる?」


 「いいの?ありがとう!」


 タットはスプーンでフルーツスライムをすくい、一口パクリ。


 「うん!結構おいしいね。これって何っていう果物?」


 「これはララセリーの実で、魔力を養分に育つ植物なんだ。」


 「へぇ。おいしいね。」


 「ちなみに、このララセリーが魔物の魔力を吸いとって、スライムが魔力を失った死骸を分解するから、森のお掃除屋って呼ばれてるんだよ。」


 まあそのせいで、ララセリーもスライムも食べる人は少ない。

 スライムに関しては、うんこ掃除の印象が強いし。

 ララセリーも見た目のせいで人食い植物って呼ばれている。

 好んで食べる人なんて滅多に居ないのだ。


 「へぇ。そうなんだ。」


 そういうとタットはララセリーの実をもぎ取って種を取り除く。


 「シュナも食べる?美味しいよ。」


 「いやあああ!食べない!!!」


 シュナちゃんは全力で拒否した。

 うん。これが普通の反応。





 その日の夜。

 俺は テントの中でとある装置を作っていた。


 「こんな感じかな?」


 作っているのは小型電解装置。

 食塩水を電気分解して酸素を取り出す装置だ。


 「よし。さっそく試してみるか。」


 俺は生活魔法で水を入れ、買ってきた塩を混ぜる。

 そして小型電解装置を口にくわえ、雷の生活魔法で電気分解を試みた。


 「ほお!ふえう、ふえう!」


 おし!ちゃんと酸素が吸える!

 成功だ!


 「やっぱり俺って天才だな。一発で成功じゃん。こんなに塩いらなかったわ。」


 俺は大量に買った塩に少し後悔しながらも、自分の才能を褒める。

 これでどこへいっても呼吸が出来るし、高濃度酸素を吸うことで集中力や回復力が高まる。

 まあ、高濃度酸素の吸い過ぎは毒だけど。



 そんな新たな発見をしながらも、隣のテントでイチャイチャしてるタットとシュナの声を聞きき、虚しさを覚えるのであった。

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