第二問 Yang–Mills and Mass Gap
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小学生と大人で共通していることがある。人間であること、だ。
ドイツの数学者の話に戻るが、他の若い数学者を認めないガウスが珍しく手放しに褒めたのが、ベルンハルト・リーマンだった。では彼は当時天才だともてはやされたかというと、虚数を扱う彼の分野はリアルタイムで理解されることはなく、評価されたのはずっと後、カール・ジーゲルの時代まで待たなければならない。
それでも学問が活発になれば、火花が散る。カール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビと、ノルウェーのニールス・アーベルとの、これまた虚数のからむ楕円関数の激闘は、二人の天才が同時期に生き、学び、数学に飢えたことを意味する。
西欧の話ばかりしていても面白くない。ポーランドから迫害を免れたスタニスワフ・ウラムはアメリカに流れ着いた。アメリカはゲーム理論で躍起になっていた。社会で起きうる事象はすべて数学に起因するのだ、と。ジョン・ナッシュはそんな自身の功績は取るに足らないものだと自嘲したが、どこの国に行っても、数学は神の存在を否定すべく活躍、ときに暗躍する。
数学、いや自然科学全般で後れを取る日本でも、ドイツのヒルベルトの残した二十三の数式のうち二つも解決に導いた高木貞治がいる。結局のところ、この地球という星の上では、誰もが神を否定したがっていたのかもしれない。
だいぶ話がそれてしまったね。そう、小学生も大人も結局は人間だ。そこは一緒だ。
さぁ、第二問だ。じゃあ、人間であることが共通している、っていうことは、つまり何が同じなんだ? 遺伝子が同じだって?
遺伝子が同じってことは、どれほど、現実に正確に現れるんだい?




