悪人達。
カツンカツンと階段を上がる。
ふむふむむ。
人の気配がわかるのはまあ弱くても魔力のゲートが開いてればそこから漏れてくる魔力の波動、魔力紋を感じる事ができるから。
まあ一般人は特性値も低いし漏れ出る魔力も少ないので、耳を澄ますように心を澄ませないとなかなか感じるのも難しいんだけど。
上の階には二人? ううん、三人かな。
もう感じる魔力も小さいから全然怖くは無いよ? うん。
でも一応、なるべく慎重に階段を登っていったあたしはどうやらその三人がたむろっている部屋のドアまでたどりつき、中の様子を探ってみる。
「だいぶ街の連中も騒ぎ始めているみたいだな」
「ああ。先日さらった小娘が大店の子供だったせいか、自警団が出張ってきてやがる」
「警護署の木端にははなぐすりを嗅がせてあるから心配は要らないがな。そろそろ潮時か?」
「ああ。街の外の森にはもう奴らが到着している頃だ。明日の晩には街を出て合流しよう」
はうう。
ってことは何?
犯人は警護署じゃなくて自警団に引き渡した方がいいってことかな。
それに。
森にいるこいつらの仲間もなんとかしなきゃ、だよ。
ドン!
あたしは扉を蹴破って部屋の中に入る。
「誰だ!」
一斉にこちらを見る悪人達。
銃? マギガンかな? をこちらに向けてきた男をまず左手から放ったソニックブームで弾き飛ばす。
正面の男が投げてきたナイフはバリアフィールドを張って防ぎつつ物質創造によって右手に顕現させたドラゴンスレイヤーの腹で端の男の剣を叩き落とし。
そのまま横凪にドラゴンスレイヤーを薙ぐ。
その剣圧だけで残りの二人を薙ぎ倒したあたし。
あう。
死んで無いよね?
大丈夫かな。
息があるのだけは確認して三人とも後ろ手にしてその辺にあったロープで縛り、そのまま転がして、と。
下のフロアに飛び降り気絶したままの最初のおじさんを叩き起こす。
「ねえ。あたしは今機嫌が悪いんだ。知ってること全部話さないとあんたの首をぽきんとしちゃうよ?」
そう脅してみた。
「ちくしょう、なんだってんだこの小娘が!」
ガツン!
問答無用でそいつの頬を殴る。
目を開けるなりこの小娘がって言うようなやつ、これくらいしてもバチは当たらないよね。
っていうかこういうのは最初が肝心。
やっぱりさ。
「はうう……」
うん。
表情にちょっとだけ恐怖が浮いてきたかな?
あたしは胸ぐらを掴んで無理やり立たせたそのおじさんの顔を睨みつけて。
「だから。いい加減自分の現状を把握してね。このまま死ぬのがいいのか、それとも話して楽になるのか、さ」




