88.整理が追いつかない
「ユキちゃん、聞きたい事がある」
「えー?なんですか?」
「単刀直入に聞きたい」
「えー?なになに?なんか今日怖いですよ!?」
「ユキちゃんの本当のお父さんは、別の人だよね?」
「えっ?今なんて?」
「ユキちゃんの本当のお父さんは、別の人だよね?」
「それ〝昨日〟も言いましたよね」
「えっ!?」
「やっぱり、なんかおかしいですよ。昨日、その話になって、私が魔女の一族だとか、キスすれば世界を終わらせるとか」
「ユキちゃん?」
「でも、ヘンなんです。昨日が無かった事になってるって言うか・・・」
俺とユキちゃんの時間だけが、
巻き戻った?
「ど、どういう事なんだ・・・」
「私もわからないですよぉ!」
「ユキちゃん、これなんだ。地面が盛り上がったり、雪が降ったり、これが、破滅の魔女の力なんだ」
「は、破滅の魔女!?な何を言ってるんですか!?」
「ユキちゃん、昨日会話した通りだよ!」
「私たちが、半分血が繋がっているって話ですか?」
さすがのユキちゃんも、この異常なシチュエーションについて、深く考え始めている。
彼女にも、その現実味が増してきているようだ。
しかし・・・
なんだろう、この、何も知らないような態度は。
あまりにも徹底している。
破滅の魔女、じゃないのか?ユキちゃん?
「ユキちゃん!しらばっくれるのは、やめてくれ!」
俺が無理やり、ユキちゃんの手を掴み
キスをしようとする。
顔が近づいた時、ユキちゃんの黒目が
灰色になる。
《私は救済の魔女》
頭の中が真っ白になった。
整理が追いつかない。
「私は、救済の魔女。貴方は真実を間違えているわ」
「ユキちゃん・・・?」




