32.女神
愛車ズーマーを法定速度でぶっ飛ばし
帰宅した。アパートの駐輪場に原付を置き
自分の部屋まで歩く・・・
(出てこい!)
ガチャッ
望んだ通り、隣の部屋の夏美さんが出てきた。
夜9時だというのに、金髪のせいか明るさを放っている。
アパートの蛍光灯が反射し、女神のようだ。
「よっ、1年」
「こんばんわ」
「バイト帰り?」
「はい」
「おつかれ〜」
そこで会話が途切れてしまったので
俺はそのまま自室に戻ろうと進むけど
聞いてみたいことがあった。
「車の免許取るのって、いくらぐらいかかるんですか?」
「1年、免許を取る気になったか」
「ま、まぁ」
「15万くらいかなぁ〜」
「え!?そんなにかかるんですか!?」
「そうだよ〜だから私も車を使うバイトしてんのよ」
「全然足りない・・・」
今のコンビニバイトでは、やっていけない!
「ま、頑張りなよ」
そういって夏美さんはバイビーのポーズをして
去っていった。
くそう。会話がもうちょっとで
続きそうな雰囲気があったのに!
・・・それにしても、15万か。
いけない額じゃないけど・・・
頑張るしかない。
大学生活が一人暮らしと決まった時、
俺は母親に頼らない事を決意したのだ。
そうこうして、自室に着く。
慌てていたのか知らないが
カギを閉め忘れていた。
意外とドロボーがいるらしい。
用心しなければ。
部屋に入る。
こうして、ゆっくりと
里山さんのオカルトブログを読み始めた。
魔女の手がかりがあるかもしれない。




