黒騎士団の襲撃を躱す
さて、川岸で自分の部下があっけなく川に飲まれていく光景をアルベルトは歯ぎしりしながら見つめていた。
「何と不甲斐ない奴らだ!」
だが、このままでは埒が明かない。そう思ったアルフレッドは次の命令を出した。
「遠距離魔法が使える団員で奴らを攻撃しろ!」
「はっ!」
魔法が使える団員から一斉に魔法が放たれる。炎の矢に風の刃、それに石礫など様々だ。
だが、それも洋平は想定済みだった。
"スラ吉、潜水モードだ!あ、ノベルの方もよろしくな!"
((((あいあいさー))))
すると、スライムたちは一斉に空気を抜き、さらに洋平とノベルの顔をわずかな空気をのこして覆い、水中に潜水した。それと並行して洋平とノベルの口元の体を触手状にして器用に水面に伸ばし、シュノーケルのように真ん中を空洞にした。
さらに、このままだといずれ浮いてきてしまうため、水底の石を体内に取り込み、重みをつける。
"お前たち・・・完璧だな!"
船にも潜水艦にもなれるなんて、スライム万能すぎるでしょ。
と、洋平達が潜った水面では黒騎士団たちが放った魔法が一斉かつ盛大に炸裂するのだが・・・
「やったか?」
アルベルト達は魔法効果が収まった水面を凝視するが、そこには何もなかった。しばらくしても何も浮かんでこない。
だが、よーく見てみれば、水面から顔を出す棒状のものがあるではないか。
ああ、あれで水中からでも息ができるんだなと、とっさに理解したアルベルトは魔法の攻撃が無駄に終わったことを理解し悔しがった。
「ええい、あの棒めがけて魔法を打ち続けろ!」
という新たな命令を出し、黒騎士団は魔法を発動し続けるが、考えても見てほしい。水面に顔を出しているのは鉛筆程度の大きさのもの。川幅の狭いエリアは既に通過し、彼我の間には20メートルほどの距離がある。20メートル先から鉛筆程度の大きさの的にそう簡単にあたるか?と。
仮に当たったとしてもスライムの本体は水底だ。大したダメージにはならない。
こうして、洋平達は悠々とアルベルト達の魔法攻撃を躱して川を下っていくのであった。




