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群雄割拠のアレとコレ  作者: 坂本杏也
戦闘狂いと合戦場
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【四】

 要の戦闘を後ろで見ていた綱親は、

「最初の内は覚えられる技能の数も限られるし、どれを取れば良いかも色々迷ってしまうと思うけど、要君は通常の戦闘が上手だから全然問題無いね?」

 戦闘の終わった彼を迎えながらそう言った。

「そうですかね?」

 彼もまた照れたように言うと、

「これから色々技能も覚えると思うけど、何か試したい時は今回みたいに一回潜った迷宮で使ってみると良いよ。技能の感覚も実戦の方が掴み易いし、技能同士の繋がりとかも分かるからね」

 これぞまさに戦闘のアドバイスというものを貰った要はしっかりとその言葉を頭へと叩き込み、その先にあるボスのいるフィールドへと向かった。


「今日はここを三人でクリアしてるんだよね?」

「そうですね。初挑戦だったので結構バタバタしてましたけど、何とか倒せましたね?」

「その時はどんな感じで?」

「振り下ろす攻撃の後は隙が出来るって光が見付けたんで、それを誘う為に俺が縮地で躱して、その後に全員で総攻撃しました」

 彼女はその話を聞いて頷くと、

「なるほど。光君は清綱と同じタイプかもね」

「そうなんですか?」

「実際見てないから何とも言えないけど、そんな気がするって話だよ」

 彼女は笑顔を要に向けると、

「ササッとボスを倒して金山に向かおうか、あっちはイベントも控えているし」

 金欠に悩んでいる彼女にとっては、確かにこちらの迷宮よりも向こうの迷宮の方が大事なのかもしれないが、まだイベントは始まっていない。だから、

「どういうイベントになるかってのは予想してるんですか?」

 いつの間にか敬語で話すのが定着してしまっている要の質問に、彼女は考えるような仕草をした後で、

「結構、このゲームのイベントってのは毎回趣向が全然違うからね?」

 右手の指を一本ずつ畳みながら、

「敵の討伐数をカウントするものがあったんだけど、それは個人個人で競争するタイプのやつと全員参加で合計数をどんどん増やしてくっていうのがあったり、製作系のイベントも色々あったりしたから、必ずしも戦闘ありきって事でも無いんだけどね?」

 ボスを前にしてダラダラと話してしまったが、

「じゃあ、そろそろ行こうか!」

 綱親の言葉で敷かれた白線を跨ぎ、森林の迷宮のボス戦へと突入した。


『30秒後に空間を閉鎖します』

 眼前に現れたその文字に軽く触れて消した綱親は、縮地でボスへと近付くと振り下ろす攻撃をヒラリと躱しながら滝のぼりの技能で斬り上げる。流石に慣れている動きに圧倒されてしまうが、要も邪魔をしないように協力しようと大剣を地面に打ち付けた隙を狙って複数回斬り付ける。

 目の前にやって来た要にボスのターゲットが移り、大きな大剣を再び持ち上げて振り払う。それを避ける為に要は縮地を使ってボスの背後へと回ると、

「技能:一輪刺いちりんざし」

 そんな綱親の声を背後、高い位置から聞いた。

 要が振り返ると、ボスは体力を全て削られ倒れており、彼女は自分自身を落ち着かせるように深い溜め息を一つ吐きながら鞘に刀を収めていた。

「えっと、今のは?」

 ボスを間に挟むようにして尋ねると、

「一輪刺しって言って、上に飛んだ高さが高い程威力が上がる技能なんだ。目標が要君に移ってたからサクッと倒しちゃおうと思ってね?」

 それにしても一撃が強すぎると、要は天井を見上げる。どれだけ高くジャンプをすればそんな威力が出るのだろうと。しかし、その答えは別の角度から返って来る事になった。


 報酬の箱を掴んで開ける彼女は、

「強すぎじゃない?って思った?」

 からかうような口振りで言うが、正直に言葉を返し、

「思いました」

「ボスには弱点とか急所って呼ばれてる部位があるんだよ」

 またしても戦闘に関わる大事な言葉が一つ彼女の口から飛び出した。

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