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第一話 ストロベリーショートケーキ

アリス「ただいまー」


私は玄関でいつものように帰宅の声をあげた。


アリス「……」


玄関からリビングに入る為にドアノブを握る。



ガチャ…



ドアを開けるとそこには─



横たわる人影─




そう私の恋人─



左手に本─



口の周りには赤い液状のものが─



近くのテーブルにはストロベリーショートケーキ─




◇◇◇



アリス「お前さんよー口の周り赤くする為にイチゴ使うのやめてくれ」



恋人「えへへ!今回のどうだった?ビックリした?」



アリス「何回もそんな事やってるとなんかあった時、またか…ってなるぞ。悪戯もほどほどにな」



恋人「ああー!目つぶっていたからアリスの顔見れなかったのがいつも悔やまれるー!」



アリス「…おバカちゃんめ…」



恋人「バッカでーす♪そんなおバカが作った今日のストロベリーショートケーキいかがでしたでしょうか?!」



アリス「……世界で一番美味しかったわよ……」



恋人「えへへーデレいただきましたー♡」




◇◇◇



薄暗い室内


?「頑張らないと、もっと頑張らないと、もっともっと…」



薄暗い室内を歩きながらブツブツ独り言



?「才能ないのだから人一倍努力しないと…でも、でも、でも…」



左手の親指の爪をかじる



?「もう、どうしたらいいのか分からない…やっぱり合ってないのかな…」



◇◇◇



恋人「失踪事件を追うなんて僕たちとうとう…」



アリス「人手が足らなすぎて優先度低い案件を振られただけよ」



恋人「もー!現実的ー!でも、デスクワークばかりじゃなくなったからいいじゃん!」



アリス「……私、現場よりデスクワークの方がいいわよ」



恋人「なんでー?きっと、ここから僕たち最強のバディが成り上がるサクセスストーリーが始まるんだよ?きっと!だって僕には最強の相棒のアリスがいるんだから」



アリス「…デスクワークなら命の危険ないでしょ…」



大地五郎「ケッ!命かけらんねぇんなら捜査官なんかになるんじゃねぇ!この半端もんが!お前らみたいな奴らが足引っ張るんだよ!さっさと辞めちまえ!」



アリス「ゲッ…!大地…」



恋人「お疲れ様です!捜査一課の方がなぜこの現場に?」



大地五郎「お前ら、さ、い、きょ、う、バディ様がいる特命別室のやつらに言う必要ねぇよ。いいから早く捜査資料出せ!こちとらお前らと違って忙しいんだ!早くしろ!」



◇◇◇



アリス「ちっ!なんでアイツがいんのよ!時代遅れのおっさんが!捜査一課の管轄外でしょ!」



恋人「まーまー落ち着いて…ん?いや、待て、君はそのままで良い。キレてる君も…イイ♡流石我が特命別室のマドンナ!小さき体だが誰よりも大きく輝いている!」



アリス「……」



恋人「ん?どしたん?」



アリス「ありがと。おバカさんのお陰で落ちついたわ」



恋人「お役に立てたようで何よりです♪僕の大切な宝物さん。君だけは絶対に失いたくないから全力でどんなことからも守るからね」



アリス「ありがとう。二人で一緒に生きていこう」



◇◇◇



蝋燭の灯が揺ら揺ら、薄暗い室内を照らしている



?「お天道様お天道様。どうかお守りください」



一定の音階が一定のリズムを刻んでいる



本を捲るリズムも一定



蝋燭の灯で照らされた影は一定の動きを刻んでいる




◇◇◇



黄色のテープで規制線が貼られている。



大地五郎「また白紙の本を持たされていやがる…」



◇◇◇



恋人「よし!よしよし!この事件なんだか早く解決しそうな気がするー!」



恋人はいつも手に持っている本に書き殴っている



◇◇◇



アリス「偉い偉い。自分の記憶を過信せずちゃんと記録してて君は偉い。記憶なんて信頼できないものよ」



恋人「えへへーまーねー自分自身すら信じられないからねー!アリス、君しか信じてないんよー♪」



アリス「君は他責もしない良いやつだよ本当に。今まで会ってきた人間の中で一番だ」



恋人「僕もアリスがどんなものよりも一番だよ。この事件終わったら─」




◇◇◇



大地五郎「まっちゃん…またか…」



鑑識の松本「ああ、また同じように本を持たされている」




◇◇◇



アリス「ただいまー」


私は玄関でいつものように帰宅の声をあげた。


アリス「……」


玄関からリビングに入る為にドアノブを握る。



ガチャ…



ドアを開けるとそこには─



横たわる人影─




そう私の恋人─



左手に本─



口の周りには赤い液状のものが─



近くのテーブルにはストロベリーショートケーキ─




◇◇◇



大地五郎「おい!ボケっとしてんじゃねぇ!目の下のクマひでぇぞ!無理なら休め!休まねぇんなら行くぞ!これで9件目だ!」



アリス「うっさい!でかい声出さなくても聞こえてるわよ!休めるわけないだろ!どうやったら休めるのよ…」



大地五郎「…ほらよ。苺の飴だ。少しは血糖値上げろ」



大地五郎から渡された赤い赤い飴は真夏の炎天下で溶けかけていた。



口に入れると更に融けどこか懐かしい甘酸っぱい味と香りがいつまでも続いた。



———


続く


———

読んでいただきありがとうございます!

もしも少しでも面白いと思っていただけましたら評価やブックマークや感想などいただけると嬉しすぎますので是非お願いします!

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