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鳥の鳴き声で沈んでいた意識が浮上する。

アタシの1日の始まり。

変わらない朝がやって来た。

ベッドから降り腕を挙げて伸びをする。

「スノー!起きなさい!朝よ〜」

ドアの外から声がする。あくびをしながら部屋を出るとガチャガチャと音がしいい匂いが漂っていた。

「おはよ〜お母さん」

「やっと起きたのね、もう何回も声をかけたのよ?」

「そうなの?全然分からなかった、ビルの鳴き声で起

 きたのに」

「もう〜!明日からビルが目覚まし係ね」

少し呆れながらテーブルに朝御飯を準備し席に着くのはアタシのお母さんだ。

「今日は森の方に行くのよね?」

「うん、これ食べたら準備して行ってくる」

「暗くなる前には帰るのよ?森に入る前には…」

『女神様に祈りを捧げる事』でしょ?分かってるっ

 て」

「ならいいけど、ビルも連れて行きなさい」

「はーい」

パンをスープに浸しながら返事をする。

森に行くのは初めてではないけどお母さんは心配する。残りのサラダを口に入れ飲み込んで水をコップに注ぐと「ピーィ」と鳴き声が聞こえてきた。

「ビルがお待ちかねみたいよ」

「そうみたい」

フフっとお母さんが笑って言った。


部屋に戻り少し急ぎながら服を着替える。

森に入るならスカートよりもズボンだ。

動きやすさ重視の格好をし、髪を結んで鏡を見る。

鏡に映る「琥珀色の目」「黒い髪」

いつも通りのお母さんとは違う2つの色…

「青い目」「茶色い髪」のお母さんとの違いに疑問を持ったのはもう前の事だ。聞いたらお母さんは困るだろうと思い聞けなかった。

「ビィー、ビィー」

「あ…ビルが待ってる。ちょっと怒ってるな〜」

慌てて部屋を出て片付けを終えたお母さんに

「行ってきます!」

と声をかけてドアを開けた。

「慌ただしいわね〜気を付けるのよ〜!」

お母さんは閉まるドアを見ながら溜め息をついたようだった。


「ビィー!」

「ごめんごめん、怒らないで…ね?」

家から少し離れた木の枝に黒い羽根をしたビルがいた。アタシを見るなり抗議の声をあげる。

「ほら、ビルの好きな赤い実あげるから…これで許し

 て?」

家にあった小指の先程の赤い木の実。これはビルの好物なのだ。木の枝からアタシの肩にとまる。

「ピーィ」一鳴きして木の実が乗ったアタシの手を見て嬉しそうに食べている、良かったもう怒ってないようだ。

ビルの他にも鳥はいるがここまで人に懐いているのはビルだけだ。黒い羽根の琥珀色の目…

アタシと一緒。

「あ、スノー!おはよう、森に行くのかい?」

呼ばれて振り返ると派手な格好をしたミルダさんがいた。

「おはよう、ミルダさん。そうよ、ミルダさんは散  

 歩?」

「ちょっとそこまでね、お母さんは家かい?」

「うん、繕い物があるって言ってたから今日はずっと

 家に居ると思う」

「そうかい、後でお邪魔しようかね」

「お母さん喜ぶと思う。じゃあアタシ行くね」

「あぁ、気を付けて行くんだよ」

「はーい」

ミルダさんと別れて森への道を進む。

途中他の村の人ともすれ違い挨拶をして歩きを進めた。


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