■
いつからだろう女神様の笑った顔見なくなったのは…
なんだか疲れた顔してるように見える。
幼い私はただ「何でだろう?」と疑問に思うだけだった。優しい女神様、美しい女神様。
そんな上辺だけしか見えてなかったからだろう。
気づいた時には手遅れだった。
「急げ!ここはもう駄目だ!!」
「動ける者は神殿へ急げ!」
「っああ!!」「キャー!!」
悲鳴やら怒号が聞こえる。意識を失っていただろう私は辺りをゆっくり見渡した。
「ぇ、も、燃えてる!森が燃えてる!」
「!気がついたか?……ここはもう駄目だ…」
「!!…め、女神様が助けてくれるわ!」
「……」
「い、今までだって助けてくれたじゃない!だから今
回も…」
「…女神様は、もういない…」
「ぇ?」
「女神様はもういないんだ」
「何で」
「女神様は消えてしまわれた」
そんな訳ないと言おうと口を開けたが煙を吸い込んだせいで言えなかった。
「とにかく、神殿に行くぞ」
「……ぅん」
家の周りは火が迫っていて酷い有様だった。
倒れている人達は斬られたようで既に息が無かった。
「まさか帝国が攻めてくるなんて」
「女神様の力が弱まっているのを知られたんだろ
う…」
「ゲボゲボ、誰か助けて!」
燃える家の中から声が聞こえた。
急いで近づくと男の子を抱えたお母さんがいた。
男の子は意識がなくぐったりしている。
「子どもだけでも助けて!」
お母さんは足に怪我を負ったようで歩けない様子だった。
「でも!」
私達が判断しかねている間に火の勢いが増す。
「!お願い!このモリスだけでも、助けて!」
「!!分かった!この子は必ず助ける!!」
しっかり抱きしめると急いで家を出た。
「ありがとう」
後ろから安心したような声が聞こえたような気がした。私達が出た瞬間家は炎に焼かれ崩れ落ちた。
「…は、はぁ、はぁ」
「大丈夫か?」
「うん!」
この子にお母さんは亡くなったと伝えないといけないが男の子はまだ意識が戻らない。
私達は無言で神殿を目指した。




