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しんぶんしぶ  作者: 氷星凪
間章
27/33

間章:知る者Ⅲ

 彼との出会いは、小学三年生の五月ごろだったと思う。ここまで鮮明に覚えているのは、出会いが劇的だったからというより、その前後の出来事に連鎖するだけの単なる付随的なものだけど。

 新しいクラスになってまだ一ヶ月も経たぬうちのとある昼休み。由依はいつものグループ、と表すには入れ替わりの激しい五、六人の男女で輪になって話していた。照れ笑いを顔に浮かべつつ、彼女は話の着地を行う。

「でさ〜、結局自販機の下に落ちた小銭を必死に取ってたらもう日が暮れててさ〜。それでせっかくの日曜日がパーってわけ」

 一同から笑いが起こる。

「あははは! それほんと!?」

「ほんとだよー! しかもやっと拾えたと思ったら、そもそもそれ小銭じゃなくて先週学校で貰った記念コインだったし……」

「えー? めっちゃバカじゃん」

「由依ってほんと面白いよね、あーお腹痛い」

 ひひ、と自身もつられて笑顔を溢す。周囲の人の口角が上がる光景。由依はそれが嬉しかった。

 小学校に入り、母と父の関係は以前より悪化した。元々そこまで仲が良いとは言えなかったけど、最近では一緒に過ごす姿はほとんど見られなくなり、たまに会っても一触即発の雰囲気がすぐに醸し出される。大好きだった父は、前のように笑顔を見せなくなった。でも、あの頃の父に言われた言葉が由依は忘れられなかった。


「これから先、由依の人生で辛いこと、苦しいこと、もしかしたらあるかもしれない。そんな時は、いっぱい笑うんだ。ずっと笑顔でいること。そうしたら自然と周りに笑顔が集まってくるんだ」


 せめて学校では、笑顔で。小学校に入ってから由依はそんな目標を立てた。それに重なるように、密かにクラスメイトの全員と友達になるという目標もまた一つ。一、二年の頃はほとんどそれが達成され、三年が始まったばかりの今でも、到達までもうすぐの所に来ていた。やはり父の言ったことは間違ってないなかった。自分が笑えば、周囲に笑顔は広がっていく。幸せの、連鎖。この幸せの連鎖が、いつか言葉を放った父自身に帰ってくることを由依は祈り続けた。そしてそんな自分を肯定するかの如く、学校での彼女は笑顔を絶やさなかった。

「あ、もうすぐで次の授業始まる。ってか、移動教室か! もう教室ウチらしかいないじゃん!」

 一人が言うと、皆が口々に焦燥を短い言葉で表しつつ、ロッカーや引き出しから教科書と筆記用具を引っ張り出し始めた。由依も例外なく動き出し、自分の机の中を両手で漁る。すぐに落書き帳と化したノート。いつの間にか皺だらけの、プリントだった球体。雑多で必要なものの方が少ない混沌とした引き出しの中身。目的の教科書は見つからない。それはもちろん引き出し内が乱雑なのもそうだが、もう一つの理由として彼女の目線が完全に机の中を向いていないからでもあった。視線の左奥に座り、未だ本を読み続けるクラスメイトの男子。教室ウチらしかいないじゃん、という友人の声が、彼に聞こえていたらと少し気の毒になった。儘波、想汰、だっけ。特徴的な苗字だから案外苦労せずとも思い出せた。一番前で一番角の席を陣地に持つ彼は、休み時間になれば誰とも喋らず本を読み始め、そのまま授業が始まれば授業に集中し、休み時間になればまた本を……といった決まりきったルーティーンをこなすためだけの存在だった。ゆえに、教室では完全に空気と化し、たまに顔を後ろに振り向かせたと思えばその鋭い眼光が他のクラスメイトを威圧するため、自然と彼に話しかける人はいなくなった。思えば、由依もまだ話したことがなかった。時計は動いている。あと少しで次の授業が始まる。なのに彼は一切立ち上がる素振りを見せず、文字を追い続けている。その姿が妙に目についた。

「由依ー! 早くー!」

 既に持ち物を抱えた友達が、廊下に半分体をはみ出した状態で声をかける。教科書は、既に見つかっていた。今行く、と立ち上がれば簡単。しかし、本来返すべき言葉を内なる好奇心が押し出した。

「ごめーん! なんか全然見つからなくてさー、ちょっと先行っててー!」

「……分かったー!」

「由依ってさ、本物の天然だよね」

「うんうん。真似しようとしても出来ないっていうか……」

 進んだクラスメイト達の話し声が廊下に反響して聞こえてきた。それを背に、由依は持ち物を揃えて手に抱えると、そっと想汰の元へと近寄る。第一印象、第一印象……。指で口角を上げる。よし。彼の机をコンコンと叩く。

「おーい」

 反応がない。前側に回って話しかけてみる。

「おーい。次、移動教室だよ。今行かないともう始まっちゃうよ」

 眼鏡越しの視線は少しの揺れも見せない。目の前で手を振ってみる。おーい、と何度も呼びかけ、その度に使うジェスチャーを大きく、更に大きくした。

「おーい! 授業に遅れちゃうよ!」

 だが、彼は一切反応を見せなかった。指すら動かない。まるで油粘土で作られた人型のモニュメントのよう。由依はもはや息切れし始めて思わず隣に座り込む。ぜえぜえと喉を鳴らしながら、彼がそこまで集中する理由を知りたくて本を覗く。若干呆れ気味の言葉を漏らしつつ。

「はぁ……はぁ……そんなに……面白いの……? この……本……?」

「あぁ」

 突然、振る舞いに似合わぬ年相応の男子の声が返ってきて、驚く。彼は徐に本にしおりを挟むとそれを閉じ、首の角度だけを彼女の方向にずらした。

「読むのに集中していた。君、もしかして僕のことを呼んでいたか?」

 一瞬の間。由依は勢いよく立ち上がる。

「め、め〜っちゃ呼んだよ! 何度も何度も、これくらいの声で!」

「そうか、申し訳なかったな。いつもこうなんだ」

 落ち着き払って少し乾いた口調に、なんだか先生と話している時の感覚を彷彿とさせられる。思考が落ち着き、元の目的を思い出して彼女は口走る。

「そうだ! 次、移動教室だから早く準備を、」

「この本がそんなに面白いかと聞いたな。ああ、面白いさ。どこが面白いかと言えば、まず重厚なストーリーだ。異世界を支配する魔王を倒しに行く勇者、と設定はステレオタイプだが、その道中で紡がれる主人公一行の絆がそれはそれは見事。特に、第三章のメタルドラゴン戦では、魔法使いのアルナが自分の命を引き換えに仲間を蘇らせ、その仲間達に未来を託すシーンが非常に感動的なんだ」

「あ、えっ、あーいや、えっと……」

「それにその部分の描写もまた文章で描ける範疇(はんちゅう)を超えた、素晴らしい仕上がりになっている。情景描写と感情表現のバランスも丁度良い具合に釣り合っていて、ページ越しにも登場人物達の心象がありありと伝わってくるんだ。更にこの本の最大の見どころなんだが──」

 キーンコーンカーンコーン。

 二人だけの教室ゆえか、やけに大きく鳴り響くチャイムの音。その音が聞こえた時、由依は今初めて出会った彼と自分が同じ経験を共有していることに気づき、なんだか不思議な気持ちになった。


 意外にも由依はそれから想汰と話すことが多くなった。と言っても、彼から話しかけられることは覚えている限りで一度もなかった。邂逅(かいこう)した日、もう遅刻だと諦めて二人でゆっくりと廊下を歩いて教室に向かう途中、彼はずっと自分が好きな本について熱弁していた。それを聞いていくうちに、彼女は段々と彼の話に引き込まれていった。今まで本などまともに読んだことはなかったし、唯一の愛読書である教科書もそこに載っている物語も、授業の一環として、娯楽と無意識に切り離して考えていたのだ。だが彼が話す物語は違かった。ここにはない異世界、新しい世界に引き込まれるような感覚。聞いただけで、面白い、という感情が体の中から湧き上がってくる。廊下の窓に反射する自分の顔が思わず視界に入った。それは気づかぬうちに笑顔を表していた。

 授業の間の休み時間になると、想汰の座る席に行き、話しかけに行く。最初のうちは読むのに集中して休み時間の間返事を返してくれないこともあったが、何日か通い詰めると自然と彼は彼女の存在を認識するようになった。彼は読んでいる本の内容を雄弁に話してくれる。話を聞く度に、由依の頭の中で世界が広がっていく気がして、それがとにかく面白かった。最初の頃は他の人と同じように意識した笑顔で接していた自分が、彼の話を聞いている時はその自分がしばし遠出をしている。自然と笑顔が溢れてくるのだ。ページをペラペラと(めく)る音。抑揚は無いに等しいものの、心地よく耳に入ってくる彼の声。周囲からはあの儘波と関わっていると疎まれたが、それも数日経てば気にしなくなった。

 何度か通い詰めた頃、自分で読んでみるといい、と彼が本を貸してくれることがあったが、実際読んでみると文字の羅列はあまり性に合わなかった。だからこそ、語り部としての彼に内心感謝しつつ、由依はそんな不思議な二人の関係を楽しんでいた。


 彼と出会ってから約二ヶ月が過ぎた頃。別に毎日熱心に彼の元に通い詰めていたわけではない。でも、学校生活に新たな楽しみが生まれたことは確かだった。由依は自分の人生に色が付き始めたのを少しずつ実感していた。その矢先だった。

 父が、死んだ。

 学校が夏休みに入る、ほんの一週間前のことだった。絶望、でしかなかった。無力感が体を襲い、泣くことしか出来ない。そんな状態にも関わらず、由依は一週間学校に通い続けた。平静を装ってクラスメイトにそんな凄惨な現実を悟られないように、笑顔で。

 そして無事に夏休みに入ると、それは酷いものだった。家からは一歩も出ず、ただ部屋の壁を見つめる日々が続く。外に出たのは葬式と、事情聴取の時ぐらい。ほとんど屍みたいな八月を過ごした。ああ、クラスメイトの皆は旅行にでも行っているのだろうか。空欄が並ぶ一行日記のプリントがランドセルからはみ出している。今日こそは書こうという姿勢の、わずかな成果だ。まあ本当にわずかだけど。

 休みが明けると、心はそれなりに落ち着きを取り戻していた。でもそれは前の自分が持っていた落ち着きとは程遠い。一度壊れてしまった陶器を糊で貼り直しても、どうしてもヒビが目立ってしまうように。だが、そんなことを周囲の人間は知らない。もちろん、明かしてもいない。だからいつものように由依が教室に入ると友人達は何気なく話しかけてくるし、それに彼女も笑顔で返す。表面上の生活は何も変わっていなかった。視界の奥で本を読む、彼の姿もそうだ。

 随分飛んで四年生の冬。帰りのホームルームの後、突如担任に呼び止められて教卓への近くに足を進める。頭ひとつ上から見下ろされる形となる雄々しい視線に、由依は狼狽した。何か怒られることでもしたっけ、と考えていると目の前に抱えられるほどの大きさの茶封筒が差し出される。

「ここに今日配ったプリントが入っている。これ、儘波の家に持って行ってくれないか? ほらあいつ休みだろ」

「え? ……ウチ……すか?」

 明らかに困惑を見せる彼女を察し、担任はこめかみを指で掻く。

「時原は手伝いでいなかったと思うけどな。今日、帰りのホームルームで同じことを聞いたんだ。このプリントを儘波に届けられる奴ーって。そしたら教室が静まっちまってな。誰も手を上げないからどうしたもんかと思ってたら、みんな時原に任せた方が良いって言うんだ」

「あー…………」

「儘波がクラスに馴染めてないっていうのは俺も薄々気づいてて、なんとかしてやろうとあいつと二人で面談をしたこともあるんだが、『友達は必要ない』なんて言うもんでな。だけど、時原は唯一と言っていいほど儘波と話している所を見たことがある。だから俺からもクラスの皆の意見には賛成なんだが、どうだ」

 確かに、想汰と話をした回数であればクラスの誰よりも多いだろう。しかし、それはあくまで昔の話で、実は父が死んでからの由依は彼に話しかけることを意識的に止めていた。別に嫌いになったとかそういうんじゃない。もっと理由は単純で、自分が前のように物語を楽しめない気がしたのだ。非情にも感じる。他のクラスメイトといる時の笑顔はある程度作り物で、再現性のある事象だ。しかし、彼といる時に漏れる自分の笑顔は余りにも自然でかけがえのないものだった。今の由依にはそれが出来ない気がして、そんな自分と直面するのも嫌で、話しかけるのをやめた。自分勝手な動機だ。

 元々、想汰から話しかけてくることは一度も無かった。あれほど熱心に通っていた彼女が突然関わることをやめても、彼は変わらずそうであった。いつも椅子に座り、本を読み続けている。

 そんな彼が今日珍しく休んだ。記憶の中では、二年通してこれが最初の欠席だ。

「わっかりました……」

「すまないな。あいつの親御さんに電話しても繋がらず……本当に困ったものだ。あ、住所の書いた紙もこの中に同封してある。気をつけて行ってきてくれ」

 しばらく話していないという躊躇(ちゅうちょ)はありつつも、結局由依は変な使命感に駆られて承諾してしまった。そこには少なからず、あの空っぽの箱庭みたいな家にすぐさま帰るのが嫌で遠回りしたいという気持ちもあったと思う。


 学校から彼の家までは相当な時間を費やした。学校のある郊外から駅を越え、また少し閑散とした半分住宅地みたいな場所に建つそれを由依は見上げる。

「はぇ〜……」

 思わず声が漏れる。天を衝く程の高さを持つガラス張りのタワー。道中、(そび)え立つその塔に気付かずにはいられなかったが、まさかそれが同じクラスメイトの家だなんて思いもしない。住所を間違えているのかと心配になる。しかしその塔付近に他の住宅は見られない。総合して漂う異質感に拍車をかけたのは、眼前を塞ぐ大仰な玄関な扉──というよりも、ゲート、と言った方が適切に思えるそんな扉──だった。煉瓦造りのコの字型の壁が地面に向かって突き刺さり、敷地と外界を隔てる強靭な鉄格子が行方を阻む。左右の壁には全部で数百個のボタンが並び、それぞれの光り方、色で点灯している。形も様々だ。それに、体裁としては玄関にも関わらず、ポストのようなものも見当たらない。由依は封筒片手に固まってしまった。

「えぇ……どうしよ」

 家のチャイムらしきボタンの区別が全くつかない。困った彼女はとりあえず、一番近くに見えた緑のボタンを考えなしに押してみる。人差し指で沈ませたそれは消灯した。だが、何も起きない。首を捻って、今度は反対側の青色に光るボタンを押してみる。すると。

 ──ビーッ! ビーッ! ビーッ!

「うわぁあ!?」

 突然の警報音に背負ったランドセルを揺らして驚く。轟音の余韻の最中、押したはずのボタンがポップアップして戻っていた。由依は嫌な予感を頭によぎらせる。

「もしかして、これ順番通りに押さなきゃ……的な感じ」

 目を見開いて一瞬の絶望を体に巡らせる。そんな事実を否定するように頭を振って、考えるよりも先に指を動かした。青いボタンを押す、ここまでは良い。次はじゃあ、その隣の赤いボタンを押してみれば。

 …………。

「いった?」

 ──ビーッ! ビーッ! ビーッ!

「あぁ! もーびっくりする!」

 再びボタンがポップアップする。彼女はもはや躍起になって、臆せずボタンを押し始めた。気づいたらランドセルも地面に置き、ただひたすらにボタンを押す、押す、押す。ノートの切れ端にメモを加えながらそのパターンを記憶していく。左壁手前の青、右壁左奥の黄、右壁地面近くの赤……。轟音が何度も鳴り響き、それすら楽しくなってきた頃。二十パターンまで解析したところで、突然タワーの根本部分から敷地内の道路を通り、こちらに走ってくる何かが見えてきた。

 車だ。黒く、横に細長い、誰もがイメージする高級車のデザイン。それが視界の中で大きくなってくると遂に鉄格子の前まで来て、鉄格子は機械の駆動音と共に開いた。思わず端に避けた由依だったが、車の後方から降り、そのゲートを通ってやってきたのは、まごうことなき想汰であった。

「ずっと何してる? さっきから警報鳴りっぱなしだったぞ」

「え……聞こえてたの?」

「ここには監視カメラも付いてる。侵入者かと思って確認したら君だったからわざわざ下に降りてきたんだ」

「降りてきた……? あ、じゃあやっぱり想っちの家って本当にここだったんだ」

 風が吹く。若干の沈黙。彼の鋭い目つきでじっと見られるのが久しぶりでなんだか少し緊張する。対して当の本人は何にも意に介さないような無表情で、眼鏡をクイっと上げた。

「で、何しに来た」

 言われて思い出す。手に持っていた封筒を差し出し。

「こ、これ。想っち、今日休みだったから。その分のプリント」

 渡された封筒を静かに受け取り、想汰は中身を確認して眉を顰める。そして小さくため息をつくと、由依の方に向き直った。

「なんで君が?」

「先生に、頼まれたから。想っちの親も電話つかないからって」

「それは……そうだろうな」

「え?」

 彼は無表情の中に最小限の困った顔をしてから、持っている封筒を何回も揺らした。

「とにかく。これは受け取る、ありがとう。でも、わざわざ学校まで君が届けに来るなんていうのは実に馬鹿らしい。君の貴重な人生の時間を僕に使うなんて勿体無いぞ」

「は……はぁ……」

「今度はこっちから連絡して担任に送ってもらうようにする。要件は以上か?」

「う、うん」

 頷くと、彼は少し動きを止めた。顎に手を当て、どうやら何かを悩んでいる様子。しばらくしてから彼は足を動かしつつまっすぐな視線でこちらに呼びかけた。

「よし、乗れ」

「へ?」

 彼は指で車をゲートの外に呼び寄せる。二人の隣に停車した黒い車。扉が勝手に開き、中の光沢のある高級感溢れる座席が目に入ってくる。

「君の家まで送ろう」

「い……いやいやいや! そ、そんな申し訳ないよ! ウチ、別にこっから全然歩きで帰れるし!」

「だが歩きで帰るよりも車の方が早い。そんなのは分かりきってることだろ?」

「そ、そりゃあそうだけど。こんな高そうな車乗れないよ……」

 どうしてもぐずる由依に痺れを切らしたのか、想汰は息を一度大きく吸って吐く。それから静かに空気を震わす。

「……君と少し話がしたいんだ」

 思わず動きを止める。彼の眼差しに視線を合わせる。それはいつものような鋭敏な眼差しではなく、どこか強い芯のある目線だった。由依は、彼から初めて話しかけられたことに小さく心が動くのを感じた。お互いに沈黙を纏わせる。落ちている枯れ葉がまたもや風で歩道を急いでいく。

「い、いいの?」

「ああ」

「じゃ、じゃあ……お言葉に甘えて」

 ランドセルを手に持ち替え、そのまま重厚感のあるシートに腰を下ろす。遅れて彼も座席に入り、人一人分の隙間を開けつつ二人は座った。由依が少し恥ずかしがりながら住所を伝えると、顔も見えない運転手は車を出発させた。想汰が彼は世話役の一人だ、と言っていたが正直よく分からなかった。

 車体の揺れ。なんだか遥かに異なる生活水準の空気を感じて常に足を微かに動かしてしまう由依。想汰はドアの持ち手部分に肘をかけている。彼女は自然と窓の外に向けていた視線を彼へと動かし。

「ていうか、体調不良なのにいいの。外に出てウチまで送ってもらって」

「ああ。それは嘘だからな」

「えっ!?」

 由依の驚く声が狭い車内ですぐに空気に溶ける。想汰は気にせず続ける。

「本当は家で勉強詰めをするために休んだんだ。もうそろそろ、クラスも変わって上級生に入る頃だし」

「へ、へぇ〜。想っちって勉強熱心なんだね。そういう人、すごいな〜って思う。ウチはダメダメだから」

 照れ笑いを浮かべつつ、指を動かす。その表情を彼は視線だけでじっと見ているような気がした。

「いや、僕はてんで駄目だ。親に提示された小学校の受験に失敗し、ずっと叱られ続けている。親の掲げるノルマを成し遂げることの出来ない、劣等生さ。学校のテストもこの前遂に百点を取り損ねた」

「何点だったの?」

「九十八点」

「全然高いじゃん……。ウチなんて、七十点取れたら良い方っていうかさ」

 彼が複雑な表情をする。そこで少しずつ自分の言っている言葉が彼を良い気持ちにさせていないことに段々と気付かされ、唇を噛み締めた。笑顔を保ちつつも、話し出しとしては儚すぎる音と共に口から言葉が溢れる。

「ごめん」

「……なぜ謝る?」

 その途端、彼は彼女側へと体を向けた。体重を預けていた肘も離し、単純に向き合う。自分で放った疑問の答えを待たずして言葉を紡ごうとするその姿勢から焦燥感が伝わってくる。彼にしては珍しく年相応の振る舞いで、それでいて落ち着きは残しつつ。

「君が今、悪いことでもしたか? なぜ謝った?」

「え、いや、うーん。その……」

「僕が可哀想に見えたか?」

 今度は眉一つ動かさない顔で聞いてくる。

「可哀想……。いや、違くて。その。今、ウチが言った言葉で想っち傷ついたかなって、表情見て思って。だから、ごめんって」

「……それだ。まさに君のそういうとこだ、今日話したかったのは」

 呆れたような口調。彼は真ん中で分けていたシートの境界線に無意識に近づく。

「君は少し他人の目を気にしすぎだ。クラスにいる時、なぜ毎日偽りの笑顔を顔に張り付けてまでクラスメイトと関わるんだ。そんなに集団から阻害されるのが怖いのか?」

「……! そ、そんな偽りの笑顔だなんて、」

「今のだ。その、今の顔」

 図星を突かれそうになって飲み込んだ唾が今度こそ喉まで上がってくる。不自然に上げた口角を、まるで証拠を突き出すように彼は視線で捕縛する。相対する彼の顔に思わず圧倒されつつも、彼女はそれを崩すことはしなかった。

「偽り……じゃないよ」

「嘘だ」

「なんで嘘って言えるの?」

「そういう時の君の目の奥には光がない。君は目をよく細めるから分かりづらいが、でも僕には確かに分かるんだ。その奥に光の見えない目が、似てる」

「似てる?」

「ああ。僕にね」

 由依は何を言われたかと思い、肩を落とす。

「え……? それって何、告白的な……やつ?」

「違う。言葉通りの意味だ。君、親族に悩みを抱えてるだろ?」

 瞳孔が、開く。先程から確信を突いてくる彼は、突然自分の心内の奥底まで踏み入ってきた。今度はなぜ、という気持ちよりも先に拒絶が出る。本能的としか思えない、暗闇から手が伸びるだけのこの感覚。

「……いや」

「抱えてるはずだ。僕と同じ目をしてる、」

「悩みなんてない」

「いいや、」

「悩みなんてないって!」

 彼の言葉に被せるようにして言葉を重ね、最後には荒げてしまった。想汰が初めて体を後傾させる。窓に一つ、水滴。そこから堰を切ったように雨が降り出す。暴挙に、由依自身も驚く。慟哭に近しいそれが、車内で反射して渦を巻いている。

「……ご、ごめん。急に大きい声出して……」

「いや、謝るのはこっちの方だ。すまん。二度と、聞いたりはしない」

 雨粒がガラスに当たって、鈍い音を奏でる。普段の雨粒からは想像出来ない重低音が耳を支配し、鉛玉みたいな凶暴性をほんのりと感じてしまう。本当はそんなことないのに。

 お互いが、景色を見ている。窓に映る自分の顔が雨の中にぼんやりと浮かぶのを見て、不思議と由依は想汰から物語を聞いていた頃を思い出した。窓に当たり、情けなく流れていく一粒の雨を目で追う度、それが頬を伝っているかのように思える擬似的感覚が宿る。

「……言いたかったのは、笑顔を安売りするな、ということだ。他人に合わせてまで生きる必要はない」

「……。ウチは、誰かと一緒にいるのが好きだから。別に合わせてるつもりはないけど、みんなが本気で笑ってくれるならウチぐらいは偽りでも笑顔でいたいと思う」

「その姿勢はいずれ身を滅ぼすぞ。遅かれ早かれ、耐えられなくなる時が来る」

「だからこそ、笑うんだよ。辛くても、どんな困難がやってきても、誰よりも笑ってそれを乗り越えられるように」

「…………。…………そうか」

「でもね、」

 想汰の方を向く。口から飛び出した言葉の続きを紡ごうとして、迷う。言っても良いのだろうか。彼の物語を聞く時だけは、間違いなく自然に笑っていられるのだと。確かにそれは生きる楽しみになっていたのだと。

「でも……でも……」

 だが言ってしまったら、次、自分は自然に笑えるのだろうか。それこそ、自然に笑っている表情を真似た、本当の偽物の笑顔になってしまうのではないか。踏みとどまり、言葉を詰まらせる。雨音が徐々に小さくなっていく。土砂降りの化身はもう気が済んだらしい。同時に、車も止まった。

「着いたようだな。そっち側の窓から見える家が、それか?」

「……あ、うん」

 高級感溢れる車内の窓を隔てたすぐそこに、確かに由依の家はあった。どこも崩れかけで、古びた雰囲気の隠せない二階建てのアパート。彼に見られているのが恥ずかしくなり、若干窓を体で隠すようにしながら返事をした。

 由依側の扉が勝手に開く。車を降りる直前、振り返って声を絞り出した。

「あ、あの、さっき、言いそびれたことなんだけど……!」

 言う前に彼は手で静止した。

「迷ってるぐらいのことは、言わない方が良い。少なくとも今は、そうだ」

 扉が閉まる直前に、ありがとう、とだけ言って彼共々車は素早く去った。豪雨はいつの間にか霧雨に変わっており、ついさっきまで車が停まっていた道路の部分を静かに濡らし始める。少し止まる。それから、由依は微かにランドセルを上下させながら帰宅した。すっきりも、もやもやもしない、不思議な水曜の放課後だった。



 生徒会の友人に言われた場所を探し続ける。中学校の旧校舎、薄暗く湿った雰囲気は家そっくりで気分はあまり良くない。両手に抱えた胸いっぱいのプリントの山に右往左往させられながら階段を上る。ここを上った先の、すぐに見える教室が生徒会の物置らしい。一段上る度に、長く伸びた襟足がうなじを撫で、それがくすぐったくて目と唇に力を入れて耐える。揺れるスカートは既定より短く、白っぽい肌が薄暗い校舎に際立つ。

 階段を上り切り、教室が見えた。息切れが激しい。腕の筋肉も流石に筋張ってきたのを感じる。でも、あと少しだ。夕焼けで赤くなっている教室の扉に肘をかけ、勢いよく開ける。そのまま前へ進もうとゆっくり足を進めている最中。突如、由依の横に一人の少女が顔を出した。

「あなた! もしかして入部希望者ですか!?」

「えっ? 入部……?」

 上目遣いの瞳孔を煌々とさせたポニーテール姿の彼女は、由依の顔一つ分小柄な体躯だった。言われた言葉に困惑が隠せず、頭に思考を集中させたのも束の間。捲れ上がった床につま先を引っ掛けて、由依の体は思い切り宙に舞った。勢いでプリントが教室中に舞い上がり、彼女は床に叩きつけられる。

「あっ……たぁ……! いた〜い……」

「だ、大丈夫ですか? 怪我とか!」

 初対面の少女に顔を覗き込まれる。うつ伏せの状態で膝が痛むのを感じつつ、心配させまいとすぐに笑顔を浮かべ、立ち上がる。

「全然……大丈夫だから! 自分で立てる……って……」

 重心を崩し、倒れそうになるところをその少女に支えられる。様相からは想像出来ない力と温かさを腕から感じて、内心驚く。

「全く……遠慮しなくていいんですよ。ほら、私が肩持ちますから……! 睡方! ボケっと見てないでプリント拾いなさい!」

「あ、あぁ……。今やろうとしてたんだよ」

 プリントの山を運んでいた時には見えなかった並ぶ机と椅子のセット。その付近に立っていた少年に、少女は呼びかけた。転んだばかりの時は少し体勢を崩してしまったが、彼女に支えられてからはそこまで重い怪我では無いと実感する。肩を持つ彼女に視線を送り、もう大丈夫、という旨を伝えた。

「本当ですか?」

「うん。それよりもウチが持ってきたプリント、あの子に拾わせてたら申し訳ないし」

 歩き出そうとした途端。隣の少女が制服の袖を捲り始めた。

「いや、人数が多い方が早く終わるわ。私も手伝います」

 そう言ってくれたのをきっかけに、由依は二人と一緒に教室中に散らばったプリントを拾い集めた。どうしても無言じゃやってられない作業で、彼女は気づいたら二人と駄弁っていた。二人の名前、ここが新聞部の部室であること、あとは自分の高い背丈ゆえ、九華が由依を先輩だと勘違いしていたことも知り得た。話しているうちに会話は段々と弾み、気づいたらプリントの山は机の上に元通りになっていた。

「生徒会の倉庫は、この部室の一個隣よ。なんなら、そこまで手伝いましょうか?」

「わざわざいいよ! あと、ウチに敬語も使わなくていいんだから! ね、九っち!」

「九っち……。慣れないわね」

 彼女の呟きが空中に溶ける頃、由依はいつもの決まった笑顔でお礼を言った。プリントの山を再び持とうとした瞬間。何やら二人がこちらを見ながら内緒話をしており、その直後、九華が話しかけに来た。

「ねえ、時原さん……だっけ。あなた、この新聞部に入らない?」

「え? 新聞部……?」

「そう。この世のありとあらゆる秘密を調査し、真実を紙面に載せる。有意義でやりがいのある部活よ。是非入ってみませ……じゃなくて、入ってみない?」

 由依は言われて、再び頭に思考を巡らせる。新聞部。興味がない、というほどでもないが。しかし、しかしだ。自分には使命がある。一年前に新しく生まれた妹を世話しなくてはならない。そんな状態でまともに部活に行け、活動出来るのだろうか。期待を持った九華の視線が痛い。だが、自分が入ってもただ迷惑をかけてしまうだけになってしまうかもしれない……。そんなことになるくらいなら。

「ウチは……文章とか書いたことないしさ、結構そういうの苦手意識あるから遠慮しとくよ」

「私達は全然それでも構わないわ。ねえ、睡方?」

「ま、まあ。部員が増えることに越したことはないし……」

 由依は言葉を紡ぐのが怖くなる。彼女達から笑顔を無くしてしまわないように。慎重に、なるべく抑制して。

「あー……まあちょっと考えとくよ。今日はウチのために助けてくれてありがとう、それじゃ」

「……そう。待ってるわ」

 静かに呟き、深追いはしない彼女だった。プリントを持ち上げ、二人に背を向けて歩き出す。由依は、つい数秒前の明らかに低くなった九華の声色を思い出す。ああ、まただ。なぜ、自分は誰かを悲しくさせてしまうのだろう。でも、仕方ないのだ。自分はこういう人間なのだから。こう生きると、もう決めてしまったのだから。

 その場から逃げるように、足早に歩いていく。外界に繋がる教室の扉。ここを出れば、新聞部とは会うことは無いだろう。なんだか寂しくなる。それに対し、ほんの数分築いた関係に、何重く考えてるんだろうと自分を客観視してまた悩む。こういう時だけ頭は溌剌(はつらつ)と動き、ひたすらに問いを突きつけてくる。その問いからも逃げるように歩いた足は、扉の前で止まった。喉を鳴らして唾を飲み、覚悟を決める。

 肘を扉の持ち手にかけようとした瞬間。あり得ない速度で、廊下側から扉が開けられた。バン、と勢いよく鳴った開閉音に、教室にいる全員が平等に身を震わせる。その主は早歩きで入室し、そのまま後ろにいる二人の元へと歩いていった。横を通る刹那見えた。その鋭い目つき。由依は彼を知っていた。振り返る。

 お世辞にも長いとは言えない足で短い歩幅を重ねる彼。バン、と勢いよく机に紙を叩きつけると、呆然としている二人に向かって堂々たる声を上げた。

「1年D組、儘波想汰だ。誕生日は七月十一日。血液型はB型。この新聞部に入部希望、いや、入部するためにやってきた。部長は誰だ?」

 呆然としている中、視線を向けられた睡方が押し付けるように九華へと指を指し示す。想汰の視線が彼女に移り、その彼女も腰に両手を当て胸を張る。

「……私だけど」

「部長。入部を許可しろ」

「いきなり何よ……」

「許可してくれ」

「だからいきなり、」

「……許可してくれ」

「ああもう! 分かったわよ! 許可する! 許可許可許可! はいこれで十分!?」

「よし。ありがとう」

 言った瞬間、隅に余っていた机と椅子を動かし、元々並べてあった机にくっつけると、想汰はそこに座り、九華の方を見上げた。

「さあ、部長。今日の活動はなんだ」

 彼女は明らかに顔を赤くして、座っている想汰におでこを近づける。

「あの、あんたねえ。いくら部員が少ない部活だからってそんな態度じゃ即刻退部よ退部! 私だってね、ある程度のプライドがあるのよ!」

 睡方が彼女の肩を掴む。

「ま、まあまあ。とりあえず……部員が増えたのは良いことだろ。だからそんなに怒んなって、」

「ちょっと触んないでよ! ばか!」

 彼女が腕を一突きしただけで、彼は勢いよく吹っ飛んだ。床に背中を打った彼が情けなく悶絶している。

「いい! 私、あんたのことはまだ部員と認めてないから!」

「先ほど入部は許可したはずだろ、部長」

「いいや訂正するわ! どうせあんた、新聞部のことなんて何も知らないんでしょ!」

「知ってるさ。常に真実を追求するんだろ、僕はそういう部長の思いに共感してここに来たんだ。これを見ろ。僕の持っている推理小説に君のような人物が出てくる。事件の真実を追い続ける名探偵。そして、その助手の位置にいる人物は、なんということか僕そっくりだ。つまり、僕は部長をサポートする右腕というわけさ」

「はぁ!? そんなね、小説に書いてることなんてね、創作の域を出ないのよ! 大体ね、物語なんていうのは誰かが作り上げた妄想にすぎなくて……」

 立ち上がった睡方が、机の上に開かれている想汰の本に飛びつく。

「すっげぇ……! 俺こんな分厚い本見たの初めてだよ! なぁ、これって全部のページに字がずらって書いてあるのか?」

「ああ、もちろんさ。それにこの小説の物語は非常に奥深くてね。まず主人公のジョーンズが、イギリスのオックスフォードの事務所で依頼を受けるところから始まるんだが、」

「勝手に話し始めないでよ! それに、睡方も食いつかないの! というか本のページに字が書いてあるのか、とかいう馬鹿みたいな質問はしないでよ新聞部のくせに!」

「はぁ!? 馬鹿ってなんだよ、馬鹿って! 言って良いことと悪いことがあるだろ!」

「ああそうね、あんたにとっての言って良いことってのは、馬鹿、阿呆、ノロマ……」

「って! また馬鹿にしてんだろ!」

「なんだけど、この大使館の管理人の妹であるカリアがジョーンズの助手に迫ってくるんだ。これが物語中盤で、突然ラブストーリーへと転換してね、そこも見どころになってくるんだが、」

「あんたはいつまで喋ってんのよ!」

 三人がお互いにお互いの言葉をぶつけつつ、際限なく部室を騒がしくしている。その光景を気づいたら止まって見ていた由依は、自分の顔がいつの間にか笑顔になっていることに気づいた。この口角の上がる感じ。小学校で想汰の物語を聞いていたのと似た感覚。

 つらつらと語りつつも、九華に何度も叱咤をされている想汰の喋り口がやけに饒舌で、何より、由依には楽しそうに見えた。彼がこの部活に入ったという意味。誰とも話そうとしなかった彼が、自分から行動したその理由。うまくは分からない。でも、今目の前で起きている三人の関係を見て思う。

 なんか、面白そうかも。

 即座に教室を出て、隣の生徒会の物置に適当にプリントの山を置く。そしてすぐさま部室に戻ってきて扉を閉めると、由依は猛ダッシュし、三人の前にドリフトしつつ再び現れた。上履きと床が擦れたせいで煙が舞う中、口論する九華、そして二人に向かって全身を使って声を浴びせた。

「九っち〜……! ウチも……! やっぱ新聞部入っていい〜……!?」

「あ〜もう勝手にしなさい! キリないからほらみんな座って座って!」

 余裕の無くなっている九華に、雑に扱われたのを言葉の端から強く読み取れた。由依はそれが、なぜか酷く嬉しかった。今まで気を使い続けて生きてきたそういうしがらみを全て破壊するような、そんな快感。

 四人がそれぞれ向かい合って座り、九華が机を叩く。

「それじゃあ! 新生晴滝中学校新聞部、第零回、定例会議を開始します!」

 新聞部の春を告げたのは、桜でも梅でもなく、部室から見えるすっかり黄色くなったイチョウの木だった。

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