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『プチ』モンスターテイマー  作者: BIG PURIN
第1章 初異世界は恐ろしい?
12/95

12話 大迷宮-2

区切りがつかなくなって長くなってしまった…

現在、ライアーをおんぶして、マニの一部をフックみたいに使って壁を必死に登っている真っ最中である。


途中までは迷宮自体が発光している為、明かりの心配はなかったが、途中からは明かりが無くなっていた。これが意味するのは、迷宮の外に出てしまったという事だ。


迷宮というのは、最下層にある魔晶を守る「主」を倒し、魔晶を破壊すれば、入って来た入り口に吐き出され、迷宮は消滅してしまう。


つまり、まだ迷宮内部に居れば、上の攻略隊が魔晶を破壊するのを待って脱出する事が出来る。


だが、それに気がついて仕方なく壁を登ってみたのだが…


「ガッツリ塞がれているな……」


「う、嘘ですよね?」


「…どうやって帰ればいいと言うのだ……」


途中から先が岩で塞がれていた…。


「もう迷宮は攻略されたって事か…て事はここは天然の洞窟って事になるな…」


「わ、私は暗い所が苦手なのだ!もう帰してくれ!」


「ば、馬鹿!暴れるな!落ちるぞ!」


ライアーの精神が大分参ってきてるみたいだ…早く休ませないと…。


「そうだ!マニ!お前、土魔法の適性あるんだろ?頑張って掘って地上まで行けないのか?」


「流石に教えてもらった既存魔法にそんなのありませんよ!想像魔法でなら部屋を作る程度出来ますけど…流石に無理です!」


「そうか、なら仕方ないな…」


「なぁ、そろそろ下にまで降りてみないか?ちょっと怖くなってきた…」


ライアーが子犬みたいにプルプルしてるので俺達は1回降りる事にした。



……


………


「おっ?…どうやら地面が見えてきたぞ」


「それと、水の気配もしますよ!」


「ほっ…ようやく地面か…助かった…」


「マニ、明かりを強くしてくれないか?」


「はい!お任せを!」


そう言うと魔法の明かりを強くし、辺りがよく分かるようになった。


「わぁ!凄い景色ですね!」


そこに広がっていたのは、幅が50mある渓谷に、真ん中を分断する形で川が流れる洞窟だった…。


「…どうやらいつの間にか立て穴を抜けたようだな」


左側の地面に降りた俺達は一先ず休む場所を確保する事にした。


「ではマニさん!やっておしまいなさい!」


「あいあいさー!」


俺はマニにドア付きの部屋のイメージを送った。


ガガガガガガガガガガカ!


凄い音が出てドアが完成し、中に入った。


「おぉ!以外に快適そうだな!」


中には5×5×3mの部屋が出来ていた。

ちゃんと中で火が使える様に真ん中が少し低くなっていて、換気孔もついている。


「ただ、魔力は半分くらい持ってかれましたけどね…ちょっと疲れました」


「じゃあ、とりあえずここで休もうか。ライアーもゆっくりしてていいよ」


「そうか…済まない…じゃあ、しばらく横になるよ…」


そう告げたライアーはバックから毛布を取り出し横になった。


「?…マニは休まないのか?」


「じ、じゃあご主人様の膝の上で休みます…!」


そういうとマニはまんじゅう形態で飛び込んできた。


「おわっ!いや、俺は今から荷物を………まいっか…」


仕方なく、そのまま荷物の確認をする事にした。




しばらくすると…


「な、なぁ…小吉。」


「なんだ?」


「笑わないでくれよ?」


「?…分かった」


「………寂しいからこっちに来てくれ」


はぁ?何を言い出すかと思えば…仕方ない。


「はぁ、仕方ないな…」


そう言ってライアーと背中合わせになる様に座って、マニを膝の上に置いた。


「これでいいか?」


「ありがとう…安心したよ…」


またしばらくすると今度は規則正しい寝息が聞こえてきた。


意外と精神年齢が低いのか?

それとも強姦されかけたのが堪えたのか?

まぁ、今は静かに寝かせてあげよう…。



……


………


(……どうやらいつの間にか寝てしまっていたようだ。…背中が暖かいな)


は!?


「なななな、何で背中合わせに!?」


「うわ!!?びっくりしたじゃないか!やめろよ!それに、寂しいって言ったのはお前だろ!?」


「は?へ?………////$'¥$#'※!」


ライアーは声にならない声をあげ、顔を真っ赤にしている。


「……………落ち着いたか?」


「…う、うん」


なんか気まずい…


「だ…誰にも言うなよ!!」


「あ、あぁ!分かった!分かった!」


「むにゃ…もう、ご主人様達うるさいですよ…」


「す、すまん…」


どうやらマニを起こしてしまったようだ。


「で、これからどうする?小吉?」


「そうだな…とりあえず周りを探索しようか」


俺達は外に出て、川にそって歩きだした。



……


………


そうして歩く数十分…


「まて、静かに、魔物だ…」


「あれは?ロックビーストじゃないか!?何故あれがここに?」


「恐らくだが上にいたロックビーストは迷宮の中では極端に強かった。だからもしあそこで生まれてきた魔物じゃなくて、ここから登ってきた個体だとしたら…。ここはあんなのがゴロゴロいる魔窟って事になるな…」


「あんなのが何体もいるんですか!?それってかなり不味いですよね!?」


「確にマズイな…1匹だけならどうにかなるが、2匹来るとかなり危険だ…それに、ライアーが危険だ…」


「わ、私だって戦える!」


そう言って腰に差したレイピアを取る。


「いや、無理だ。格が違う…。そう言えば、ライアーの精霊はどうした?」


ビクッ!


「わ、私の精霊は謎の病気で力が弱まっているんだ…だから特殊な薬が必要で、それを買うための金を稼いでいたんだ…」


ライアーの反応からその事でイライラしていたのだと察した。


「そうか…分かった。アイツは抵抗が弱いからパラライズで足止めしてくれ」


「分かった。役に立てなくて済まない…」


「大丈夫だ。…いくぞ!」


まずライアーがパラライズをかけ足止めをし、次に俺が全力で足を砕く。


「よし!やれ!」


(ドリルストライク!)


ガギャァン!


ロックビーストの左半身が消滅した。


「よし!これならいけるな!」


「ちょっとまってくれ、前よりも詠唱がしやすくなっている?どういうことだ?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:ライアー・クロスケット

クラス:精霊使い

Rank:C+


生存魔力:4519

自由魔力:1786

筋力:24

体力:26

素早さ:44

知性:54

抵抗:34


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「昼見た時よりも大幅に上がっている…」


「ん?どうした、ライアー?」


「ちょっとこれを見てくれ」


俺はライアーのステータスプレートを覗き込んだ。


「なっ!?凄い上がり量だな…」


普通の地上の魔物でも、倒すと1増えるか増えないかである。それを加味しても300近く上がっているのは異常だ。


「こいつを倒したから上がったのか?」


「多分それしか思いつく要素がないんだよなぁ…」


なんて考えていると…


「ご主人様!これ食べられますかね!?」


マニがロックビーストの右半身を持ってきた。

てか、どこにそんな馬鹿力があるんだ!?


「ロックビーストか…どうなんだ?」


「魔物を食べるっていうのは私は聞いた事がないな…でも、この状況じゃ食べ物なんてないと思うぞ」


仕方ない…食べてみるか…。

ある程度切り分けて食べやすそうな部位を袋に詰めた。


「よし、行くか!」


再び歩き出した。

その後何度かロックビーストが出てきて、その時に契約の瞳を試してみたのだが何故か何度やっても失敗した。


「やっぱり出来なかったな…魔物枠が足りないのか?」


「弱らせる事も難しいですからね…私だとオーバーキルですし、ご主人様達だと決定打に欠けますからね…」


「まぁいい、先を急ごう…」



……


………


「ん?明かりが見えるな…」


「明かり?何故そのような物が?」


「とにかく確認するのが一番ですよ!」


近寄ってみて観察してみると内側から壁が崩れているようだ。

人工的に見える発光した壁……迷宮か!?


「俺には迷宮に見えるが…どうだ?」


「私も同じ意見だ」


「私もです!」


「これだけ深い所に迷宮があるとすると、かなり大きな迷宮の可能性がある。だけどここを攻略すれば…地上に出る事が出来る」


「大迷宮か…ん?何か引っ掛かるんだが…」


「どうした?ライアー?」


「いや、大迷宮に関わる話しがあった筈なんだが…すまん、思い出せない…」


「思い出した時でいいよ。マニ!ここにまた部屋を作ってくれないか?」


「えぇ!?またですか!?…まぁ、いいですけど……………えい!」


ガガガガガガガガガガカ!


うん、流石に2回目はインパクトがないな!

中も同じ作りだし。


「中で休憩したら今度は迷宮の攻略に移ろうと思う」


「分かった」


「分かりました!」


ぐぎゅるるるぅ〜


謎の音に振り返ると、ライアーが顔を真っ赤にしてお腹を抑えていた…。


「………ご飯作ろうか…」


さらに赤くなったのは言うまでもない。



……


………


ロックビーストの肉は意外と美味かった!

魔法で火を興し、持っていた塩とスパイスを擦り込み焼くだけの料理だったがとても美味い。


現在、焼いてる肉をじっと見つめているライアーをじっと見つめている。


「………!?わ、私は肉なんか見つめてないぞ!」


いや、見つめてただろ…。


「たく…、ほら、俺の分もやるよ」


そう言って自分の分を差し出した。


「本当にくれーーい、いや、私は自分のだけでいい…」


今確実に「本当にくれるのか!?」って言いかけたな…。


「じゃあご主人様!それください!あむっ!」


それください!の部分で、すでに飛びついていたマニ…。

それを見てめっちゃ後悔した顔をしているライアー。


うん、実に面白い。


あとでもう1個肉をライアーにあげたら物凄い勢いで飛びついてきた。


やっぱり食べたかったんだな…。


その後は、すでに最初の迷宮に入ってから半日以上も体感時間ではあるが経っていたので、今日は一先ず寝る事にした。


俺はバックから毛布を取り出しくるまって、バックを枕にし、入り口の反対側に寝っ転がった。


「私、ご主人様と寝る!」


ピョンと跳ねたマニは綺麗に俺の腹に乗っかった。


「………わ、私も一緒に寝てもいいか?」


「1人で寝るのが怖いんだろ?別にいいぞ。それと、別に襲ったりしないから安心しろ」


「/////!?なっ!?いきなり何を言う!?それと別に怖くなんてないぞ…」


最後の方は段々と小声になっていった。


だけどしっかりと俺の横で寝る準備をしていた…。


「なぁ、小吉」


「なんだ?」


「さっきの大迷宮の話しを思い出したんだ」


「へぇ、どんな話しなんだ?」


「 これは知り合いの歴史学者から聞いた話なんだが、 この世界にかつて実在していた武に長けた英雄達は皆、他の人類が手の付ける事が出来なかった大迷宮を攻略しているという記録があるらしい。大迷宮を攻略していない英雄ももちろん存在はしていたが、どの人物も大迷宮を攻略した人物の足元にも及ばない。しかも、大迷宮を攻略した英雄達は攻略した後の方が圧倒的に成し遂げた事が多いんだ。で、ここからが歴史学者の仮設なのだが、大迷宮深部の魔物を倒した時の生存魔力の上昇は著しいと考えたら全て辻褄が合うそうだ」


「なるほど…。知り合いにもクレイトンって言う鬼みたいに強いおっちゃんが居るんだが、その人も大迷宮攻略したのかな?」


「クレイトン…。!?もしかしてクレイトン・グラディオスか!?」


「あっ。やっぱりクレイトンって有名人なんだ」


「有名も何も、30年くらい昔の事なんだが、今の魔人族の王である勇者ドライバルの右腕として龍魔王エルバニオンを協力して討ち滅ぼしたのが鬼神クレイトン・グラディオスだ。魔王を倒してからは行方不明になったって聞いたぞ」


えっ!?おっちゃんって魔王倒したの?


「昨日冒険者ギルドに「ガハハハハ!」って笑うおっちゃん居なかったか?」


「あぁ、居たな……まさか…」


「うん、そのおっちゃんがクレイトン。ステータスも化け物じみてた…」


「だが、残念な事にクレイトンは大迷宮に入った事はあるが、最下層の主と戦って命からがら敗走したらしいんだ…」


えっ!?それって相当だと思うんだが…。


「クレイトンが負けるとこなんて想像出来ないんだが…」


「ただ、勇者ドライバルは大迷宮を攻略している。それに、歴史学者の話しではクレイトンは大迷宮を攻略してない中でもトップに近い実力者だろうって言ってた」


もし、目の前の迷宮が大迷宮だとしたら無事に突破できるかは怪しいぞ…。


「仲間を増やさないとな…」


「仲間?確に決定打に欠ける面子ではあるが…、でも迷宮の魔物とは契約が出来ないんだろ?あのロックビーストだって迷宮の中から出てきた魔物だろうし…」


「俺のユニークスキルには魔召喚っていう魔物を俺の記憶や経験を元に生み出すスキルがあるんだ。マニもそれで生まれたんだ」


俺はライアーにステータスプレートを見せた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:大森 小吉 17(19)

クラス:魔物使い

魔物枠:□□□□□■■■■

Rank:C-


生存魔力:8426

自由魔力:5049

筋力:69

体力:58

素早さ:112+10

知性:107+10

抵抗:143+20


~スキル~

・コール

使役した魔物を自身の近くに呼び出す。

・解放

使役している魔物との契約を解除する。

・契約の瞳

目を合わせた魔物と契約できる。

・アナリシス(魔物)

魔物のステータスが視認出来る。

相手の方が強い場合、部分的にしか見ることが出来ない。

・全力の歯車

使役している魔物のステータスを大幅に上げる。効果は掛けた魔物が多い程高くなる。


~ユニークスキル~

・理解者の理 Lv2

自身の種族以外の種族との意思疎通が可能。

又、自身の考え、知識を共有することが出来る。

・魔召喚

自身の自由魔力を全て使い、魔物を召喚する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「相変わらず小吉のステータスは凄いな…、ならもっと増やせばいいじゃないか?あれだけ強いんだ!きっと大迷宮も楽勝だ!」


「ちょっと訳あって使いたくないんだよね…。それに魔物枠を4も取っちゃうんだよねぇ…」


サルナルから聞いた話しでは通常の魔物では枠は1つで1匹らしい。

特殊な魔物ではそれ以上使うとか…、ただそんな魔物は滅多にいないのでマニはかなり珍しいのだとか…。


そりゃ俺が親みたいなものだしな…。


「訳あり?条件が厳しいのか?」


「いや、見ての通り、使用時に全自由魔力を消費するから、それはもう途轍もない恐怖に襲われるんだ…、前は魔力回復の薬を飲んでどうにかしたんだけどな…」


「じゃあ今回も薬を飲めば…」


「一応持ってきていたんだが……、全部割れていた…」


「そんな…」


「…………よし!やってみるか!」


「!?、い、いいのか?それに凄く怖いんだろ!?」


「背に腹は変えれないし、今寝れば明日には魔力が回復する。それに今回は前よりも魔力が高い!だから多分前より酷くはならないと思う!そらならいける!」


そう言ってマニを起こして立ち上がった。


「マニ、起きてちょっとどいてくれ。今から仲間を増やす」


「ん。分かった!話はちゃんと聞いてたから安心して!」


マニは幼女形態になりライアーの下に移動した。


「よし…いくぞ…」


2人が息を飲む…


「魔力の奔流よ、今ここに集い、我の下僕たる形を成せ!魔召喚!」


直径3m、高さ2m程の多層魔法陣が10秒程の時間をかけて形成され、ポンッ!と何かが上に放り出された…。


「おっと…」


ライアーが綺麗に優しくキャッチした。

ライアーの腕の中には…


「クキュー!」


尻尾が5本ある子狐が居た…。


「やったぞ!小吉!成功だ!……小吉?小吉!?」


「…?、ご主人様?」


小吉が立ったまま動かないでいた…




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「魔力の奔流よ、今ここに集い、我の下僕たる形を成せ!魔召喚!」


前回と同じように魔力がゴッソリ抜けていくのを感じる…。それと同時に前回の比ではないくらいの恐怖が襲ってきた…。


「!?」


助けを求めようにも声が出ない、手足も殆ど動かない…。

冷や汗が滝のように流れ出し呼吸が荒くなる…。

近くで誰かが何か喋っているような気がする…。


突如顔を掴まれ、引き寄せられた!


「小吉!おい!私の顔が見えるか!?」


頷きたくても首が動かない…

そのうち、足が震えだし立っているのが困難になってきた。


ドサッ!


とうとう倒れこんでしまったが、痛みも分からず上下左右の感覚も無くなった…。


ギュッ!


突然前から何かに抱きしめられた…。


後ろからも小さい何かがしがみついてきたのを感じる…


「少し眠りましょ!ご主人様!…スリープ!」


なんだか聞き覚えのあるような声が聞こえ、………眠たくなってきた…。



……


………


「何とかなりましたね…」


「そうだな…、とりあえず寝かしておこう…」


「そうですね…」


「くー…」


「くーちゃんはここでご主人様を見ていて下さい」


「私は外で冷水を汲んでくるよ…」



……


………


冷水に浸したタオルを絞り、汗を拭いてあげた。


時々うなされていたが、大分良くなって来てはいる…。


私があの時、あんな安直な事を言わなければこんな事には…。

私のせいで小吉に無理をさせてしまった…


「くー…」


「ん?どうした?励ましに来てくれたのか?」


「キュー!」


コクコクと頷く子狐。


「そうか、ありがとう。お前は優しいな…」


「ライアーさん…そろそろ寝ないと明日持たないですよ…」


「そうだな…もう少ししたら寝る事にするよ…」

プロットって大事ですね!



※誤字の改善

(2014/8/28)

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