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9章 by優

「何...ここ。」

「部屋の中なのにな。」

「水が流れてるね。」

美琴、月、撫子が呟く。確かにこの部屋には水が河の様に流れている。

そして濃い霧が視界の八割程を遮っている。

「皆様、お気を付けください!ここは私が

─────ヒュッ────ザシュッ────

「っ!!」

「氷我兄ちゃん!」

今、何が起こった?羊の肩口を何かが...。

「助かった、佳奈が押してくれなかったら死んでいたよ。」

「気にしないで。皆、気をつけて!何をしてくるか分からないわ!!」

佳奈が叫んだと思ったら美琴が

「うひゃあ!」

そう叫んでしゃがむ。美琴の頭が有った辺りを巨大な鳥の足が掠る。奴が『プロブレン』か!

「この...!『風神』!」

霧が一瞬晴れ、煉獄鳥の、プロブレンの姿が見えた。全身を覆う緑の羽、赤い足、赤い瞳、

恐らく体長3メートルはあるだろう。だがソイツはすぐ霧の中に隠れてしまった。

「『水神』...!」

羊のおかげで霧が消え、プロブレンの姿が見える。

「よし!」

そう月が言うが、

「ダメです。」

そう、美琴の言うように霧が一瞬で現れ、奴の姿をかき消してしまう。

「こりゃ姿を見せた一瞬で攻撃するしかねえな。」

夏葵はそう言うが...。

「だがどうやって攻撃すれば

「危ない!」

──────────ドンッ──────────ザシュッ

...え?佳奈が庇った、ということは...

「っっっ!」

「!佳奈ちゃん!?」

撫子が叫ぶ。佳奈の脇腹あたりからドクドクと血が流れ出る。僕のせいだ。

「コレで二人。お前たちも早く諦めろ。そちらの方が早く楽になれるぞ。」

地の底から響くような不気味な声。

と、横に琴息が来る。

「プロブレン、彼らは吾輩の友人である。これ以上吾輩の友人を傷つけるようならば、吾輩がどのような対応を取るか知らぬわけでは無いであろう。直ちに止めろ。でなければ殺す。」

琴息が殺気を出す。僅かだが、刺さるように冷たい殺気。佳奈の殺気の様に相手を押さえつける様なものではないが、独特の恐ろしさを持っていた。

「くく、裏切りの仲間か?」

「!」

プロブレンが僕達に話しかけて来る。

「貴様らにも教えてやろう。コイツは裏切りに関してはプロだ。いつか貴様らをも裏切るだろう。」

...。

全員の間に沈黙が走る。プロブレンが再び攻撃しようとした時だった。

「...だから何?」

急に後ろから声。見ると佳奈が傷口を抑えてふらつきながらも立っている。

「佳奈ちゃん、休んで!いくら何でも死んじゃうよ!!」

撫子の静止を振り切って歩いてくる。その様子は『怪我なんて知らないわ』と言っているようだ。

「たとえ琴息が私達を裏切ろうとそれは今じゃないわ。貴方には関係無いことよ。それに裏切るかどうかも分からないのよ。もし裏切られてもその時に考えれば良い話。今は..........『プロブレン』、貴方を倒す事しか考えてないわ!」

佳奈の様子がおかしい。羊にアイコンタクトすると、

「皆様、機械の後ろへ!」

と羊が叫んだ。

佳奈以外が唯一見えていた機械の裏に集まる。

「あれ、佳奈は?」

夏葵が不審がる。

「佳奈なら、今プロブレンと戦おうとしている所です。」

と、羊は佳奈を指をさす。そして傷口を押さえながら言った。

「皆様、これから起こる事に手を出さないで下さい。」

皆、何が起こるのか不安で仕方なかったと思う。夏葵は何かを察したのかもしれない。

いつでも能力を使えるように身構えた。それを見て羊は満足気な笑顔になった。

「能力『風神:極限開放』」

佳奈と霧が同時に消える。プロブレンが慌てて霧を発生させようとするが、その前に羽の一部が抉られる。

「ぐあっ!な、何が

─────ドスッ──ドシャッ─────

もう片方の翼も一部も斬りつけられてプロブレンは落下。だが羽は直ぐに再生された。その直ぐ側に佳奈も降り立つ。が、佳奈の様子がおかしい。髪が膝くらいまで伸びているし、牙のようなものが見受けられる。そして瞳が紅く、無慈悲に、輝いている。

「佳奈...。」

夏葵が呼ぶが佳奈から返事は無い。いつもならとっくに指示を出すのに指示を出す気配も無い。そして、プロブレンが再び霧を発生させる。また視界が悪くなる、と思った。

「能力『質問攻め(クエスチョン)』!」

美琴の能力か。だが奴に効くのか?

「お願い、効いて!」

霧が完全に晴れる。水が流れているのがはっきり見え、そして研究所ラボにあるような機械があった。

「矢っ張り、ここ......!」

美琴が呟く。まさか美琴が見た夢の『ファントム』とは...!

「まさか美琴が見た夢って、ここで佳奈があの状態でプロブレンと戦ってる夢なのか!?」

夏葵が叫ぶ。美琴が頷く。夢見とは難儀だな、と思う。

「うわっ!」

「きゃっ!」

ぐっ、コレは衝撃波か!なんとか耐えたが...

「全員、物陰に隠れるのである!」

琴息が叫ぶ。いつの間にか羊も怪我を直して物陰へ行っている。だが、その瞳は危機感で溢れていて危険な状態なのだと分かる。すでに隠れているが、いつまで持つか...

「なるほど、自身で制御できないのか。ならば......!」

プロブレンの羽が残らず赤に染まる。そして

「熱い!」

撫子に言われて皆気づく。

「まさかコイツ...!」

奴が炎をはく、佳奈はひらりと避けた。

「苦しいでしょうね。」

羊がそう言うのが聞こえ、僕は思い出した。

        ──────────────────────────────

ある日の帰り道で、僕は素朴な疑問を佳奈にかける。

「佳奈、おまえが本気で怒る時はどんな時なんだ?」

佳奈は笑顔で言った。

「私はそう簡単に怒らないのよ。でも、もし怒るとしたら、それは大切な人や物が消えそうな時かな。」

そう言う佳奈の優しい笑顔が何故か目に焼き付いていた。

        ─────────────────────────────

「妹が能力を使いこなした話ですか?主様はその話がお好きですね。あの時は唯一残っていた母が殺された時でした。妹は怒りで狂ったのではないかと言うほどに怒り、能力を扱いこなしたんです。面白みの欠片もありませんが、これでよろしいですか?」

        ─────────────────────────────

あの時佳奈はそう言っていた。そして羊のあの話。なら!

「主様!?」

「優!?」

「優君!?」

羊、夏葵、撫子の制止を振り切り、プロブレンと佳奈の前に立つ。

「お前、殺されたいのか?」

風が巻き起こり、壁に打ち付けられる。

「ぐっ!」

背中がとても痛い。だが僕は佳奈の方を向いていなければ!

「...!」

佳奈が少しだけ反応する。よし、成功か。と思ったが佳奈は僕の胸ぐらをつかむ。..................失敗したのか?

「...ありがと、優。」

佳奈の瞳にいつもの暖かな光が灯る。良かった。

「氷我兄ちゃん!」

そう言って投げる体勢を取る。

「任せろ!」

って、羊まで何乗り気になっている!?

────ブンッ────

「ええええええええ!?」

何故投げたぁ〜!?

「おっと。」

「ぶっ!」

「主様、ご無事ですか?」

羊、後々の事、覚えとけよ...。

「ほら、佳奈とプロブレンでまた始まるぜ。」

と、夏葵が言う。

「え?」

見ると再びプロブレンと対戦している。

「主様、佳奈を一体どうやって正気に戻されたのです?」

羊が聞いてくる。他の全員も気になっているようだ。

「佳奈の怒る条件を思い出してな。」

「ああ、『大事な人や物が傷つけられた時』だっけ。」

撫子、いつの間に!?

「そ、そうだ。友人、仲間、自分にとって大事なもの。佳奈が僕達の事を大切だと思っているなら...。」

「思っているなら...怒る?」

「羊が言っていたこともほぼ同時に思い出してな。」

羊が得心顔で言う。

「ああ、数ヶ月前にお話ししたあれですか。佳奈が一度だけ『極限開放』を使いこなせた話ですね。詳しくは佳奈が正気の時にお話し致します。」

羊の話に誰も割り込もうとしなかった。

順番に説明されるのを待ったんだろう。

「分かった。詳しくは佳奈に聞くとして、それらの話を合わせると......?」

と、夏葵が呟くように言葉を絞り出す。

「怒ってればある程度制御できるってわけか。」

皆納得してくれただろうか。

「なるほどな。」

「納得できました。」

「よく思いついた物であるな。」

良かった、皆納得してくれた。

「ですが主様、いくら『極限開放』使用時の佳奈が強いと言っても、プロブレン相手では苦しいかと。」

羊、何故キツイんだ?

「まあ確かに。君たちは知らないであろうが、プロブレンは近年製造つくられた中では1番強いのである。いくら佳奈君が強いと言えど、苦しくなる可能性は捨てきれないのである。」

琴息、そういうことは早く言ってくれ!

「それに能力の相性もありますからね。」

と、羊が説明しようとした時だった。

「優!」

佳奈の声だ。見ると右腕に怪我を負っている。

「佳奈、その怪我大丈夫か!?」

「うん、少し痛いけど大丈夫よ。安心して、夏葵。」

そんな傷を見せられて安心しろとか無理だろう!佳奈は気にせず言葉を続ける。

「あいつの力は大体分かった。あいつは氷に弱いわ。」

氷か。ならば

「なら羊の力で

「氷我兄ちゃんじゃ無理。」

僕の言葉を遮って佳奈は言う。

「氷我兄ちゃんの能力『水神』は氷技も出せるけど、その力は範囲が狭いと強くなり、範囲が広くなると弱くなるの。」

「今回はプロブレンを丸ごと凍らせる必要がありますね。」

風切兄妹の会話は分かり辛い。

「そこで優の出番よ。」

...え?何故『そこで』なんだ!?

「優の『生命の環クリーチャ・ライフ』は動物の姿に変身していろいろやれる能力。だから雪や氷を操る空想上の動物に変身すれば良いんじゃないかと思ったのよ。」

雪を吐く空想上の動物...。

吹雪鳥ブリザードホークなどか?」

「そうね。氷我兄ちゃんと連携を取ればどうにかなるかも。」

全員で作戦会議をしている最中にも佳奈の傷は完治なおりかけている。

そんな中、プロブレンも動く。

「作戦会議か、つまらん。」

「やばい、また来るぜ!」

月が叫ぶ。ピンチであることは分かっている!

「ここは私がどうにかするから、月、一瞬で良いわ。隙を作って。その時に二人のタイミングに任せるわ。反撃するわよ。」

そう早口で言って走り出す佳奈。僕達は今一つの大きな電子機械の裏にいるため、プロブレンの炎を浴びればステーキになってしまう。

「薙刀」

佳奈がイヤリングを外し、薙刀を出現させるのを見て、羊は呟いた。

「ああ、そういうことですか。」

佳奈が構えると同時に

「燃え尽きよ!」

そう言ってプロブレンが佳奈の身長と同じかそれ以上の大きさの火球を放つ。

「『風神:死神の鎌とデス・オンパレード』。」

佳奈の持つ薙刀が風を纏い、音を立て始める。佳奈はそれを躊躇う事なく振り下ろした。

─────ヒュッ─────スパン!─────

「何!?」

「今よ!月!!」

佳奈の一言で月は狼狽したプロブレンに容赦なく能力を使う。

「能力『猫目:闇夜の罠』!」

同時に佳奈が切った火球が落下して爆発する。

「羊、行くぞ。」

「はい、主様。」

「能力『生命の環:吹雪鳥』!」

「能力『水神:狂気の殺人鬼』!」

一気に視界が広くなり、同時に高くなる。

自分の姿を確認する暇は無い。羊の出した氷の刃の間を飛び、

「これでも喰らうんだな!」

吹雪を発生させ、氷漬けにする。そして

「仕上げよ。『風神:死神の鎌デス・スィクル』!」

佳奈がプロブレンを粉々にする。羊が氷を溶かすと砂になって消えた。

「やっと終わったんだね。」

撫子がようやく、と言った感じで息をつく。

佳奈も元の姿に戻って...って、フラフラしてるんだが、大丈夫か?

「大丈夫か、佳奈。」

「平気よ、氷我兄ちゃん。先に進みましょ。」

そう言って風切兄妹は先頭にたって歩き始める。

「優く...優ちゃんは大丈夫?」

撫子...。

「ああ、大丈夫だ撫子。それと、僕の事は『君』の方で呼んでくれ。」

撫子は笑顔になって

「分かった。優君、急ごう。」

「ああ。」

後ろから月と美琴の会話が聞こえた。

「ここもいつ危なくなるか分からないな。俺らも急がねえと。」

「うん、急ごう。」

美琴、月が僕達を追い越して行く。

佳奈と羊に追いついた時だった。

「さっき佳奈『極限開放』って言ってたよな。」

「うん。」

体力を相当使っただろうにすぐさま答える佳奈。

「アレってどんな能力なんだ?それにデカイ火の玉切った時のアレも気になるぞ。」

確かにそうだ。佳奈の能力は『風を操る』もののはず。火球を切ったものは納得できるが、『極限開放』はイマイチ分からない。

「はあ。もう少し進んだらちょっと休むけど、その時に詳しく話すわ。」

少し進むと5つに分かれた道。ことぶきが言う。

「ここは日によって変わるのである。」

「マジか、日替わりメニューみたいだな...。」

月、なんて例えを...。

「ただし、間違った道へ入ると重傷、もしくは死が待っているのである。」

「ロシアンルーレットですか!?」

美琴、お前もなんて例えをしてるんだ!

「この謎解きをしなければいけないのである。」

琴息が指差したのは看板。問題が書かれている。

      ───────────────────────────────

この通路は皆様から見て右からA,B,C,D,Eとします。

そして、六人の嘘つきがいます。

1.5つの道はすべて本当の道じゃ無いよ。

2.正しい道は一つじゃないよ。

3.Aの道が正しいよ。

4.Cの道が正しいよ。

5.BとEは間違った道だよ

6.DとEのどちらかが正しい道だよ。

      ───────────────────────────────

という問題だ...なるほど。

「う、うん?」

「えーっと...?」

「これは...。」

皆が迷う中で、僕と琴息は迷わずBの道へ。

「え?ちょっと、お前ら危ねえぞ!」

月が止めるがお構いなし。足を踏み入れるが殺人罠デストラップは無い。

「え?」

「何で分かったの?」

皆が首をかしげながらついてくる。

「まず最初に『六人の嘘つき』と言う事から全員が嘘をついている事が分かる。」

「それを考慮して1の証言はあり得ないので除外されるのである。他にも...?」

と、佳奈を見る。佳奈も察した様だ。

「なるほどね。3と4からは『AとCの道は違う』ってことね。そして2からは『正しい道は一つ』だと言えるわ。同じように考えると、5から、『BかEのどちらかが正しい道』

 って言える訳。6では『DとEは違う』って言ってるのと同じだから、正しい道はBって訳ね。」

佳奈の説明で皆納得してくれたようだ。

「そっかー、二人共すごいね!」

そう叫んだ撫子の口を夏葵が抑える。

「またバケモノが来たらどうすんだ。」

「ご、ごめん。」

撫子、夏葵が言い争っているが、佳奈はやはり疲れている様で口数が少ない。

しばらく進むと今度は2つの分岐だった。だが...

「これは...あからさまですね...。」

「これ、馬鹿にされてねえか?」

羊、夏葵が呟くのも無理はない。

立て札に

⇦休憩所     最下層⇨

と、書かれている。

「確かに、こっちは先の方にはベンチみたいな物があるよ。」

撫子、お前は...。もう少し警戒心をもってくれ...!

「じゃあそこで休むわ。」

佳奈貴様っ!

「撫子行っても平気だったし、大丈夫だろ。」

と夏葵がいって皆ぞろぞろ入っていく。はあ。

確かに観察しても何もない。ココでなら聞いても良いだろう。

「それで?佳奈のさっきの2つの技は?」

佳奈の顔色が変わる。

「うん。それはね、『死神の鎌と闇デス・オンパレード』は『死神の鎌』の応用技なの。刀とか、人とか、あと物に風を纏わせる技かな。『死神の鎌』に入るのよ。」

「へえ。」

夏葵も含め、皆が納得した所で撫子が聞く。

「じゃあ『極限開放』は?」

佳奈が言う。

「『極限開放』は『風神』の中で唯一のフィールド能力なのよ。」

ん?フィールド能力?僕だけでなく、皆納得してない様子だ。

「皆納得、というか理解できてないみたいね。分かり易く言えば美琴みたいな能力なのよ。

 補助タイプの能力の事よ。」

なるほどな。皆理解したようだ。

「『極限開放』は文字通り、能力をギリギリまで高めるものよ。私だけじゃなくて皆も効果の対象になるわ。」

月がポツリと言った言葉に皆落ち込む。

「つーか、佳奈が『極限開放』で暴走するのって美琴の能力でなんとかなったんじゃね?」

(全員)あっ...。

皆黙ってしまい、気まずい沈黙が流れる。

─────パンッ─────

!な、何だ!

「少し休んだことだし、さっさと行きましょ。手紙を開封してから三日後には街が吹っ飛ぶのよ。それだけは避けなくちゃいけないわ。」

そうだったな。

「よし、急ぐか!」

「頑張りましょう!でもその前に聞いて欲しい事があります!」

なんだ?美琴の聞いてほしいこと?

「僕の能力の弱点です。」

「は!?」

と全員でハモる。

「僕の力は能力の出力調節ですが、フルパワーで使ってる時は物理的に動けなくなるんです。」

は?

         ──────────────

美琴の話をまとめるとこんな感じらしい。

ふだん能力をフルパワーで使うことがない美琴はフルパワーを出すと体が慣れていないため、硬直してしまうらしい。

「ほかにも弱点とか話してない人はいる?」

佳奈の問いに返事は無い。

「OK。行くわよ。」

というわけで進んでいくと赤い扉が有った。

「ここにいるのである。」

「皆、今回の敵は本当に用心してね。下手したら全員殺されるわよ。」

佳奈が急に黙る。何かあるのだろうか。

「『風神』!」

うわっ!何故急に天井に押し付ける!?

と、また急に扉が音をたて、炎を上げて燃える。

「えっ?」

撫子がそういうのも無理はない。街に現れたバケモノが大量に僕達のいた所を通って第二フロアの方へ走っていった。

……...全員.........。

「あいつらって...馬鹿なのか?」

月が言う。

「アレらは脳が無い。動くが指示を出さないと暴れ始めるのである。」

そうなのか......。

「兎に角突入だ!」

夏葵の一言で部屋へ入る。部屋の中は琴息やプロブレンの部屋より少し広い。そして椅子に誰かいる。

「矢っ張りアンタが首領なのね。赤城鳳凰あかぎ ほうおう!」

佳奈が言う。と言う事は、コイツが僕達を街に閉じ込めた張本人だ!


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