俺の監視員はズレている
初めまして。美女と高校生、監視員と監視対象者のお話です。
なんでだよ。
みたいなラブコメ(?)です。
よろしくお願いします!
俺は佐藤蓮司。ごく普通の高校生。
目立った部分もなく、友達が多い訳でもない。
今日から夏休み。家に帰ってきた。
パックご飯を開け、リビングで一人夕飯を食べながらアニメを見ていた。
「彼女じゃなくてもいいから、男でも一緒にアニメ見てぇよ…」
2人以上でいいよ。本当にな。
するとインターホンが鳴り、ビクッとしてしまった。リラックスしてたもんだからすごいビビった。
「なんか頼んだっけ…?」
俺はアニメを一時停止し、小声で独り言を呟きながら玄関へ向かう。
ガチャ、とドアを開けた。
「はーい?ん?」
ドアの前に立っていたのは170cmはあるスーツ姿の女性だった。
インナーカラーも付いてる。水色だ。
その美しい顔を俺は直視できなかった。頭の中でハープで演奏される曲が流れた。
「どうしました…?」
するとこう返ってきた。
「今日から蓮司様の監視を担当させていただくことになりました。人類進化保護機構(A.H.A)日本支部の桜井と申します。今日から監視期間が終了するまでよろしくお願いいたします。拉致や監禁、あるいは物理的な危害を加える類いの監視ではございません」
ハープの音色が全部止まった。何言ってんの?A.H.Aってニュースで見たことあるような…政府と関係もある組織だったはず。でも具体的に何してるのかは全然知らない。そんな組織の人がなんで俺の監視をするんだ…?待って何も掴めない。ああ…そうだ!ヤバい人だ!閉めた方がいい!閉めよう!
俺はドアを閉めようとした。
ガンッ!!!
反射神経すごい。0秒で止められた。
「蓮司様。私の報告書も確認できますので、中に入らせていただきたいです」
ズカズカ。
入ってんじゃねぇか。
「ちょっと待ってもらっていいですか!?」
止まんねぇじゃねぇか。
彼女は部屋の真ん中で止まり、俺の方に振り返った。あ、止まった。
「状況が理解できてないですよね。これから説明させていただきます」
玄関でしてもらっていいですか?
「う、うん…で桜井…さんでしたっけ…?なんで俺n」
「お風呂に入りましょう」
…は?
「え!?」
無表情で俺の目を見つめながら予想できない一言を発した。
待って初対面だよね?なんで風呂?臭かったってことだよな。夏休みってこともあって風呂最近スキップしてたかも。てか展開早すぎだろ。
「お、お風呂…?い、一緒に?」
下を向きながら聞き返す俺。多分この後、予想できない一言言うんだろうな。予想できるけど。
「はい。一緒に入浴しなければ監視は不可能です」
はい。予想できない一言でした。
「お、俺お風呂入らない日あるし、今日はいいよ!?てか状況の説明してくれない!?」
ちょ、説明は?あとお風呂とか女の人と入ったことないんだが。お姉ちゃんとお母さんだけだけど?
※童貞である。
やかましいわ。
桜井さんは目を少し大きく開き、こう言った。
「お風呂に入らない日ってあるんですか…?」
まずいまずいまずいまずい。風呂入らない日って無いんだね。だから俺ってこうなのかもな…おい。
顔を両手で覆い、吸気発声で、
「はぁぁぁ…ァァ…」
という声を出して、また顔から両手を離す。深呼吸をしてから話す。
「はい…入りますよ…」
嫌だ!恥ずかしい!もうこの場で「童貞です許してください」って言えばやめてくれないかな。
脱衣所に2人で入り、俺はTシャツから脱ぎ始めた。
隣から布の擦れる音が聞こえた。脱ぎ途中でTシャツが顔を覆い、何が起きてるのか分からなかった。
Tシャツを脱ぎきって隣を見た。
「えっ?」
脱いでいた。日焼けのしていない白い肌。そしてデカい胸。一瞬で目を逸らしたせいでこの2つの情報しか読み取れなかった。
てか脱ぐの速すぎるな。スーツでベルトとかネクタイとか色々あるのに、Tシャツ脱いでる間にパンツ1枚までになってたぞ。
「さ、桜井さんも脱ぐんですか…!?」
慌てて後ろを向きながら聞いた。すると桜井さんはいつもの声で話した。
「はい、蓮司様を常に監視しなければなりませんので」
「だからって脱がなくてもいいでしょ!?」
脱ぐなよ!困らせるなよ俺を!
「私1人で入浴するということは蓮司様から目を離すことになります。そのため、蓮司様と同時に入浴しなければなりません」
見えてはいないが恐らく真顔で話している。まあ確かにそうだわ。考えれば分かったな。
俺は桜井さんの方を向かずに、尻を両手で隠せるだけ隠しながらゆっくりと歩き、風呂場に2人で入った。
俺が今シャワーを使いながら頭を洗っている。
桜井さんの位置はこれも恐らくだが、風呂場に入ってすぐのところで立っている、と思う。
「…」
すげぇ集中できない。とにかく早く上がろu
「蓮司様。そちらはコンディショナーです」
桜井さんが俺の顔に向かうはずだった両手を掴んでくれた。
「え?あ、ありがとうね…ごめんね」
目をつぶりながら感謝を伝えた。徹底するからな。
テンパりすぎてリンスで顔洗おうとしてた。この人…助けてくれた。今。信じてもいいのかもしれない…
※彼女できたことないので、ちょっとの事で好かれてると勘違いするタイプ
米印誰が出してるんですか。
緊張しながら全身を洗い流した。洗っても洗っても視線を感じて汗がずっと流れる…
湯船に浸かった。次は桜井さんがシャワーを使い洗う番。俺は壁を見つめる。
「あれ?これだと桜井さん、俺のこと監視できないんじゃないですか…?」
見えなかったらあんま良くないんでしょ?
「見えています」
「どうやって見てるの?」
髪の音聞こえるし洗ってる最中だよね。
「コンディショナーが目に入ってますが蓮司様をちゃんと見つめていますよ」
「え?」
振り返っちゃった。不可抗力だ。
何言ってんのか分かんねぇんだもん。
気になるもん。何が起こってるのか。
振り返るとその言葉の通りの事が目の前で起きていた。
「ギャアアアアアアア!!!痛い!痛いって!桜井さん!?」
めちゃくちゃシャワーで流れてるリンスが目に入ってるのに瞬きをしない。
しかもさっきより目がビー玉ぐらいの大きさに開いてる!この人、反射も効かないのかよ。
「に、逃げないし何もしないから目瞑って良いって!!!」
「それで逃げた監視対象の方々を何人も見てきました」
逃げた奴ら。お前らのせいでこの人はリンスをしながら目を開けなきゃいけなくなってんだぞ。
そんなこんなで2人とも洗い終わった。
「失礼します」
桜井さんが湯船に浸かり、お湯が増えた。まずい!ヤバいよ!こんなのアリなの!?そして、湯船くんが俺より先に女の味を知りやがった。許さん。
「蓮司様はいつも壁を見て入浴をしているのですか?」
「違うから!桜井さんが入ってるからでしょ!?」
「あ。もしかしてなのですが、恥ずかしいってことですか?」
遅せぇって。
こんなに興奮しない入浴シーンってあるんだな。
恥じらいが無さすぎて全くエロいハプニングが起こらねぇ。
そのまま俺は上がるまで桜井さんに背を向けていた。そして風呂に入りながら説明を聞こうと思ったが、それどころではなかったし、忘れてた。
読んでいただきありがとうございます。
今日から桜井さんと蓮司の変わりすぎてる日常が始まります。
次の話も読んでいただけると嬉しいです。
ありがとうございました!




