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皇帝陛下を嫌ってもいいですか?

16年過ごした城を見上げる。

しばらくのお別れ。

で、あれば良いのに。

皇后になったとしても、里帰りくらいは出来ると思いたい。


「出発の時間です」


ミンイの言葉に後ろ髪を引かれる思いで、私は城を後にした。

のが、1時間前。

私の心は180度変わっていた。

今の私は目の前に聳え立つ巨大な船に目も心も奪われ、釘付けになっていた。

巨大な鉄の塊であるはずの箱が、ただただ海の上に浮いている。

それもただの箱ではなく、多くの人間族や荷物が載っている。

それでも浮いている。

この神秘的な箱にこれから乗れるワクワク感と期待でいっぱいになっている。

さっきまでの絶望感が嘘のように、私の感情は沸き立っている。


「いつまで眺めている気ですか?」


呆れたミンイの声など、右から入って左に抜ける。

今はもう、何もかもがどうでも良い。


「コーミル殿は既に乗っているのに、君は乗らなくて良いのか?」


船の上からこちらを見下ろしながら、皇帝陛下が話しかけてきた。

相変わらずの無表情。

これからこれとの生活が始まると思うと、さっきまでの高ぶっていた感情が急激に冷めていく。

当てつけの様にため息でも吐いてやろうかと思ったが、私が何をした所で気にしなさそうなので、無言で乗り込む。

私が船に乗ると出迎えるように待っていたのは、皇帝陛下とランス。

そして騎士が5人。

そのかなり後ろに多くの人間族が横目やちらちらとこちらを見ている。

その中で目を引いたのが3人。

こちらを睨んでいる女の人、すごい形相で見ている男性と、観察するようにこちらを見ている男性。

女の人は楽器を吹いていた人なのはすぐに分かったけど、男性2人は見覚えがない。


「来てくれてうれしいよ。来てもらえないではないかと、不安だったんだ」


感情が全く籠っていないのがはっきり分かる。

不安など1mmも感じていないのはひしひしと感じる。

私は自分が少しくらい社交性はあると思っている。

分かりきった社交辞令に問題なく答えてやりますとも。

愛想笑いを張り付ける。

準備は完了。


「せっかくの皇帝陛下からのご指名ですもの。喜んで応じさせていただきました」

「そうか」


また一言。

愛想笑いが引きつりそうになるのを、必死にキープする。


「騎士は4体のみでいいのか?」

「問題ありません。この4体はみな優秀ですし、見た目もほとんど人間族と遜色ない者たちですしね」

「そうか」


いつも通りの皇帝陛下の後ろで、2人の騎士が分かりやすく嫌悪感を顔に出す。

皇帝陛下には見えていないからと、隠す気は全くないらしい。

まあ、この反応は見慣れているし気にするほどの事でもないけど。

それでも意外だったのは、3人が嫌悪感ではなく別の感情を見せたこと。

獣人族を嫌っていない人間族は私が考えているよりは多いのかもしれない。

そんなことを考えていると、船内から姉様と一緒に来たであろう騎士たちが出てきた。

私に気付き、軽く頭を下げると船を降りていく。


「間もなく出航となります。お急ぎください」


騎士たちの背後からランスが慌てて声を掛ける。


「分かっている」


少し不機嫌に騎士の1体がランスに返事をして、全員を促しながら足早に船から降りる。


「何かまだ積み込むものでもあるのでしょうか?」


ランスから問われて、さきほどの会話を思い出し笑いがこぼれてしまう。


「連れて行くのはこの4体のみです。姉様と一緒に来た騎士はみな、出発前にこの船から降りただけですよ」

「コーミル様と合わせて4体ですか?」


驚くライナが可愛くてまた笑ってしまった。

そしてさきほどのやり取りを思い出し、ライナが慌てる。

その様子にまた笑いがこぼれる。


「これから一緒に行く4体はとても優秀なので問題ありませんよ」

「本当に良いのか?」


皇帝陛下もいつもの無表情で確認するように問いかける。

今度は愛想笑いではなく、自信に満ちた表情で真っすぐ見つめる。


「問題ありません。とても優秀な者たちなので」

「そうか」

「はい」

「では、部屋に案内しよう。君の部屋はコーミル殿と私の部屋の間の部屋を用意してある」


姉様の隣の部屋はありがたいが、この男の隣は勘弁してほしい。

でも、これも安全対策の一つなのだろうから、嫌でも従おう。


「心遣いありがとうございます」


半分の本音だけを込めて、礼儀上のお礼を伝える。

相槌のような返事だけで、会話が続かない。

何故私だったのだろう。

国のことを思うなら、姉様で問題ないはず。

わざわざ姉様を付けてまで私にした思惑が理解できない。

一目惚れの可能性も考えた。

表情が死んでると言っても、体の反応は意図的に抑えるのは難しいはず。

どこからも好意を汲み取れないのなら、それは惚れてない証拠。


ーーなら、どうして?


どんなに考えても、頭の良い人達の考えることは私には理解できない。


「2体ずつで護衛するのか?」

「いいえ。私に1体で姉様が3体です」

「君が1体?」

「私は教養がない代わりに護身のすべはありますが、姉様は私と逆ですからね」

「そうか」


会話を続ける意思が無いのではないかと疑いたくなる。

いや、逆に嫌われているのかと疑いたくなる。

なんだろう。

殺意が湧く。

今なら確実に殺せる。

薬学を学ぶ流れで、人の体の構造も学んだ。

死なないように刺す。

気付かれる前に刺すなら、3カ所。


ーー行ける!


私が今感じている皇帝陛下像通りの人なら、死ななければ私の首1つで手打ちにしてくれるだろう。

だから、戦争にはならないはず。

などと、頭の中で想像してみたが、手元に刺す武器が無いので諦める。


「姫様、自己紹介をしてもよろしいでしょうか」


鋭い目つきに大きな体躯と強い男の見本みたいな見た目だが、可愛い熊の耳が頭にちょこんとあるせいで可愛く見えてしまう熊獣人の騎士、ガンユウ。


「ええ、よろしく」


私にお辞儀をして皇帝陛下と向き合う。


「私は熊獣人の、ガンユウ・コンナイ。姫様の護衛を努めさせて頂きます。後ろの3体は右から、狼獣人のソウガ・ループス。コウモリ獣人のエイジャ・ノクティス。カモノハシ獣人のカモノハシ・カモノハシです。この3体がコーミル様の護衛う努めさせていだきます」

「そうか。これから大変なことも多いだろうが、よろしく頼む。何かあれば、こちらの第一騎士団団長、ガルヴァン・マクレインに頼ってくれ」


騎士の一人が深々と頭を下げる。

こちらに礼儀を示してくれ、皇帝陛下が頼ってくれとまで言われる人物。

信用できそう。

50代くらいの貫禄がある騎士。

穏やかな表情は騎士団長ぽくはないが、服の上からでも分かる鍛えられた身体。

隙ひとつ無い所作と立ち姿。

心強い味方かもしれない。


「部屋に案内しよう」

「皇帝陛下自らですか?」

「何か不都合でも?」


不都合ならある。

あなたと数分でも一緒にいなければいけないこと。

会話もなくただ歩くだけなんて、気まずすぎる。

それでも私は最低限の社交を持っていると自負しているので、笑顔で答える。


「いえ、何も。よろしくお願いいたします」

「では、行こう」

「はい」


先頭を歩いてくれる皇帝陛下の後ろを黙ってついていく。

少しの間、気まずい沈黙の中で歩いていて気付いた。

分かりやすく気遣っている様子はないが、距離が一定であることに気づいた。

皇帝陛下は身長が高く、足が長い。

私は高くもなく、低くもないが、おめかしをさせられてるせいで、今日は高いヒールを履いている。

歩きにくい靴で、歩幅は小さく歩くのも遅い。

でも、一定の距離を保ったまま。

私が思っている以上に、優しい人なのかもしれない。

とは思うが、この大きな船の中を沈黙のまま歩くのは、何とも言えない居心地の悪さがある。


「あ!あの、か、…………」


この沈黙に耐えられなくなったのか、後ろを歩くラリスが急に大きな声を出す。

驚き振り返ると、カモノハシさんの顔を見て話しかけようとして、固まっている。

カモノハシさんはぱっと見は人間族と変わらない。

騎士にふさわしい鍛えられた体とは裏腹に、可愛い垂れ目も相まって気の抜けるような顔。

そのせいで、緊張感が消えるというよく分からない理由で、昔騎士団長に怒られているのを見た。

私はその顔を見ているとストレスや苛立ちが消えるので、結構お気に入りの騎士である。


「かお!顔が、お若く見えますね!」


獣人族の騎士たちは、カモノハシさんを除いて困惑の表情を浮かべる。

しかし、人間族にはこれは普通の会話なのかなと、周りを見回すが、人間族の騎士も困惑と驚きが入り混じった何とも言えない表情をしている。

言われた本人だけ、何故か嬉しそうにしている。


「ありがとうございます」

「あ、いえ、すみません、急に…………」

「33のおじさんにそんな社交辞令を言っていただけて嬉しい限りです」

「え!33歳なのですか⁉私と3つしか違わないのですか⁉」


年齢差に驚いているが、こちらからしたら、両方とも見た目が若すぎてどっちもどっちである。

10歳上にサバ読んでましたと言われた方が、納得する見た目の持ち主が目の前に1人と1体。

今もこちらが、少し引いているのに、目の前で若者の様に喜ぶ30代ども。


――なんだこの状況。


「良かったなランス。歳も近く、気が合う者同士。今後、仕事がやりやすくなるだろう」


この状況でこの発言の皇帝陛下。

この男は空気が読めないのか、読む気がないのかどちらなのだろう。

何事も無かったように歩き始める皇帝陛下の後ろをまた付いて歩き始める。

後ろから楽しそうな話し声が聞こえるおかげで、先程までの居心地の悪さは消えていた。

少し歩いた1つの部屋の前に、侍女が立っていた。

元コアイル姉様の侍女、アグルだった。

ふさふさとした毛で覆われていた耳が頭部から長く伸び、前方に向かって広がる大きな耳が特徴的だ。

フェネックギツネと言われる希少種の獣人で、聴覚がとても良いらしい。

今も、私たちが近づくのに気づいていたようで、ピクリと揺れた大きな耳。

さっきまでまっすぐただ壁を見つめていたアグルが、こちらを向く。


「ごめんね、待たせたよね」

「いえ。コアイル様だともっと到着が遅れていた事でしょう。想定よりも早い到着に少し驚いております」


コアイル姉様には遅刻癖がある。

公務や大事な予定の時は、問題ないが、普段は残念な程遅刻する。

だからこれは人間族には分からない嫌味とでも言えるだろう。

あなたたちとの婚姻など、どうでもよいことなのだと。

人間族が獣人族を嫌っているのと同じように、獣人族にも人間族を嫌う者は少なからずいる。

長い戦争でお互いに多くの血が流れた。

わだかまりも出来てしまった。

だからと言って、私には両種族の懸け橋になろうなどと崇高な思惑などない。

家族の考えはそうあって欲しいだろうけど、私からしたらどうでもいい。

私はただ今回の平和協定が出来るだけ長く、可能ならば永遠に続いて欲しいくらいしか思ってない。


「コアイル姉様の侍女なのに、私に付いてナイディーナ帝国に一緒に行ってもらうことになってごめんなさい。勝手が違うから大変かもしれないけれど、これからよろしくお願いします」

「命令とあれば私は従うだけです。それに、アフィリア様は記憶にないと思いますが、物心かつかれる前までは、私は遊び相手としてお傍におりました。なので今回の命令も喜んでお受けしております」

「そう、ありがとう。何かあればなんでも言ってね」

「かしこまりました」


深々と頭を下げて、顔を上げて私の目をしっかり見つめた時、なんとなくアグルがほほ笑んでいるように見えた。


「獣人族の主従関係は少し不思議だな」

「そうでしょうか?」

「獣人族の主従関係は不思議だな。君は以前、種族以外に仲間意識はないと言っていたが……今の君たちを見ていると、そうとも言い切れない気がする」


あの時の話を覚えていたことに少し驚く。

私は内心で驚きながらも、なるべく平静を装って答えた。


「ええ……。あの時は『基本的に』と言いましたけど、例外はあります。特に長年一緒にいる侍女とは、種族を超えて家族のような関係になることも珍しくないんです」


皇帝はそうかと小さく呟いただけだった。

表情は変わらない。

いつものように、何を考えているのか全く読めない。


「人間族の方は、そういう関係はあまりないんですか?」

「上下関係は明確だ。……ただ、信頼できる部下は家族に近いと言えなくもないのかもしれない」


あの時も今の様に、もう少しまともな反応があったらもう少し楽しく話せたのではないだろうか。

もっと事細かに聞いてくれても良かったし、興味深そうな反応をしてくれていたら、私だってもっと色んな事を話したのに。

なんだろう。

今日一日で、殺意が高速で動き回っている。


「これも人間族と獣人族の認識や常識、感性の違いなのかもしれないな。これから知れていければ嬉しい」


全身がぞくりと何かが高速で這い回った気分にさせられた。

何故か一瞬、本当に一瞬、確信はないが、皇帝陛下が笑った気がしたのだ。

今見直してもいつもの無表情に戻っていたが、あの瞬間だけは確かに、口の端が微かに上がっていたように見えた。

これはなんだ。

今まで感じたことのない恐怖心が体全体に広がる気分。

困惑しているとアグルが立つ扉の奥の方の隣の扉が開く。


「騒がしいと思ったら、やっと来たのね」


恐怖心を湧き立てられる雰囲気を、払ってくれるような天使の姉様の登場に、勢いに任せて抱きつきたい気持ちを一生懸命に耐えた。

そして、嬉しさにほころびそうな表情も何とか平静を装う。


「姉様。遅くなってしまい申し訳ございません」

「もう少し、時間に余裕をもって行動することを覚えなさい。これからは重責を背負っていくのだから、遅刻は厳禁。なにがあっても対応できるようにね」

「かしこまりました、姉様」


姉様がほほ笑んでくれたので、私も自然と微笑む。

姉様を見つめる視線の端に、アグルが映る。

ふと気になって横目で見ると、私の方を見ているようでその後ろを注視しているのに気づいた。

耳も少し後ろに傾き、尻尾の先が小刻みに揺れている。

それを見て、コアイル姉さまがわざわざ私に自分の侍女を付けた理由が分かった。

護衛騎士の中に、好いた者がいるのだ。

2体の恋を応援するためだけに、人間族に嫌悪感を持っている者だけど私の侍女にして帝国に送ろうとしている。

これは応援する姉様を素直に誇るべきか、意地が悪いと罵るべきなのか分からない。


「もうすぐ船が出発するらしいから、今のうちに荷物を部屋に入れた方がいいわ。長い船旅になるから荷ほどきもしておくべきね」

「ありがとうございます。そうさせていただきます」

「船が出航して、落ち着いたら迎えに来る」

「かしこまりました」


深々と頭を下げて頭を上げると、眉間に皺を寄せた皇帝陛下の顔があった。

珍しく鉄仮面の表情が崩れ、何かに不満があるのが分かるがその原因が分からない。

聞こうかどうか悩んでいると、何も言わず私の脇を通って行ってしまった。

小さくなる背中を見つめて、思わずつぶやく。


「言いたいことは言えばいいのに」


その言葉にミル姉様は小さく笑う。


「そんなに変な事言いました?」

「いいえ。でも皇帝陛下の事が少し不憫に思っただけよ」

「不憫に思う要素があります?」

「あの方は分かりにくいけれど、多分あなたと仲良くなりたいのよ」

「それは、恋愛感情的に?」

「その気持ちはないと思うけど、好きではあると思うわ。恋愛と言うよりは、友情の方が近いのかもしれないわね」

「ミル姉様はどこからそれを読み取れたの?」

「な・い・しょ」

「……意地悪」


ふふふとイタズラっ子のように笑う、ミル姉様。


「女の勘はちゃんと磨かないと、これから苦労するわよ」


イタズラっ子のように笑うミル姉様は本当に可愛い。

普段の優しい美人な所も良いが、こっちの方も好き。

だが、心の中でツッコまずにはいられなかった。

その女の勘を使って、普段から良い男を見つけて欲しい。

姉様たちは本当に優しく、いい姉様たちではあるが男に関しては本当に信頼がおけない。

だから今回姉様が言った、女の勘も話半分で心に留めておこうと決めた。


「あの方は、無口で口下手かもしれないけれど、ちゃんと周りを見られている方だと思うわ。だからこそ、みんなに好かれているのかもわね」

「どこを見てそう思ったの?」

「な・い・しょ」


さっきと同じように笑う。

本当に可愛すぎる。

心から思う、好き。

そんなことを思っていると、姉様の腕に見慣れないブレスレットを見つけた。

その事実に驚きと共に、何とも言えない悲しみを感じた。


「そ、そのブレスレットは…………」


震える声を取り繕えない程、動揺してしまう。

このブレスレットはそう、デザインを見ただけでハッキリと分かった。

ヨランビナの宝石を三日月のデザインにカットした装飾に、刺繍糸を使って編み込まれた紐で作られたブレスレット。

これは、まごうことなき姉様に思いを寄せる男性からのプレゼント。

私の知る限りでは、現状姉様に思いを寄せる獣人はいなかったはず。

もし、仮に密かに恋心を持っていた獣人がこの機会にとプレゼントしたとしても、このデザインはあり得ない。

そもそも獣人族は細かなデザインの装飾を贈る者は稀である。

三日月のデザインの装飾でもかなり珍しい。

となると、答えは1つ。

人間族の誰かからのプレゼント。

大本命はラリス。大穴が皇帝陛下。

これは詳しく聞いて良いのか、悪いのか。

悩む。


「お楽しみの所失礼いたしますが、そろそろ準備をされた方がよろしいのではないでしょうか」

「そうですね!早く準備するべきだと、私も進言します」


淡々と言うアグル。

そして、同調して発言したミンイは百面相している。

ミンイとアグルが対比となっていて少し面白い。


「そうね。話はあとにして、今は準備を整えて自室で少しゆっくりしましょう。フィーアまた後でね」

「はーい」


ミル姉様は手を振って部屋に戻ってしまった。

可愛い妹が、悲しそうに見つめているのだからもう少し話をしてくれても良い気がする。

がっかりしながら、私も案内された部屋に入ってみた。

部屋は予想通り簡素な造りで、机に椅子にベッドと必要最低限の家具のみ。

なのでいの一番にベッドに飛び込む。


「はしたないですよ」


アグルの小言も無視して、ベッドの寝心地を確かめる。

お城のと比べてしまうと、固く寝心地は悪い。

でも、程よい硬さのベッドは私を夢の中に誘うには十分。

悪くない。

部屋の中を動き回りながら準備をしてくれている侍女たちの音を聞きながら、私はベッドの感触を楽しんだ。

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