第66話【導かれた理由】
大迷宮・ラビュリンティスのミノタウロスは当時のメルディアでも苦戦した怪物であり、今のミックスはそのミノタウロスよりも弱いと告げられたのだ。
この空間に呼び寄せたのは今の現状を打破する方法が一つだけあるというのだ。
「少なくともミックスはんには大迷宮・ラビュリンティスのミノタウロスレベルになってもらわんと条件が発動せぇへん。【迷宮王】の称号を持つキングミノタウロスに戻らへん事には巨人の戦士と魔族、それにあの胸クソ邪竜・レッドクリムゾンは封印できへんからな~」
「キングミノタウロス俺は違うのか?」
「せやで?キングミノタウロスには迷宮を好きに操れる能力があるんや。
それが使えればダンジョンボス不在の大迷宮・ラビュリンティスに封印する事は可能やで?」
「マジか。リザーナの予想大当たりじゃね?」
確かにリザーナは大迷宮・ラビュリンティスに封印してたら良いと提案していたがまさか実現する事が可能だとは想像もしていなかった。
リザーナ、コラ。ない胸を張るな。威張るな!
メルディアの話ではキングミノタウロスは角が黒くもっと巨大な身体をしていたというのだ。
「勿論、下半身の方もキングサイズの怪物やったわ~♪負けた牝を犯すって拡めたウチやで? ホンマに犯されそうになってなぁ~ 」
「あぁ、成る程。そりゃ、あんな変な本が出回る訳だ。ドラッグから聞いてた話よりも人間っぽいて言われた時におかしいなとは思ってたけどよぉ・・・」
「前に水浴びした時は棍棒くらいあったよ?」
「勃っとらんでもバスターソードくらいはあったで?」
・・・頼むからミノタウロスの下半身事情を話さないでくれ。エレーナ、自分のサーベルで長さ確認しようとするな。
つまりは【禁書】・『クッ殺せ!貴様の○○○には屈服しないぞ!!』というシリーズモノの官能小説が女エルフとアマゾネスの間で流行っているとドラッグに訊いた事があるがそのミノタウロスシリーズの執筆者はメルディアなのか?
「外の世界では【禁書】・『クッ殺せ!貴様の○○○には屈服しないぞ!!』というシリーズモノの官能小説が女エルフとアマゾネスの間で流行っているらしいんだが? 」
「なにそれ?ウチ知らへんで? そもそも【禁書】って言うんは文字通り禁忌や。世の理を壊すような真似は出来へんし、そもそも人間やなくて女部族だけなんか?」
「そういうや、ドラッグもオークやゴブリンに犯されそうになる女冒険者。特にエルフやアマゾネスが多いから禁書なったとか・・・」
「ゴブリンやオークはほぼ凌辱行為やからな。それに普通の精神なら壊れてまうからそんなもん禁忌扱いになるで? ウチは執筆者やあらへんで?」
少なくともリザーナはその禁書に当てられたエルフであるのは間違いないだろう。会ったときの状況を説明するとメルディアはリザーナをじっと見つめていた。
ポートフォリオン近くの迷宮名・【ゴブリンの巣穴】が大蟻達に制圧された事等を伝えるとメルディアの表情が強張って行くのがわかった。
自分がいない間に落ちぶれてしまったゴリガンやフォルトに怒っている様子であったが少なくともギルドマスターという立場そう好き勝手出来る立場でなくなった事や高冒険者不足に悩まされていた事を話すとフェンナト王国の現状を教えたがそちらは知っているそうだ。
少なくともフェンナト王国には自分の精霊達が見張っている為に情報は得ていたがポートフォリオンやエデンの情報収集まで精霊達に魔力を送り込むのは難しいというのだ。
ここは『現実世界』と『裏世界』との境界線にある空間である為に自身の魔力を元の世界に流し込む事で何とか繋がり維持できている状態であるというのだ。
何十年も維持できるだけの魔力を持ち合わせているメルディアの体内魔力量は豊富なのだろう。 この場所には魔素を感じない。 ドラッグのように魔素を体内で魔力に変えられてもその素になる魔素がなければ魔力を送り込むだけでも相当な量が必要になる筈だ。
「まぁ、フェンナト王国が巨人の戦士に攻め困れてヤバイなぁ~思って水辺にいる精霊らに頼んで良かったわ~ 魔物使いと大迷宮・ラビュリンティスのミノタウロスに会えたからな~ 」
「んで、具体的どうすればいいんだ?俺がキングミノタウロスになればいいのは何となくわかったがレベル的なものだと・・・」
「んな面倒な事せぇへんでもええよ? ミックスはんには前の世界の記憶を取り戻して貰えばエエねん。中途半端な状態で憑依してるからミノタウロスなんや」
「う~ん。さっぱり意味がわからんぞ?」
メルディアいうには前の世界の魂が中途半端なまま大迷宮・ラビュリンティスのキングミノタウロスに憑依したままであるからミノタウロスになっているという。
ハッキリ言ってしまえば前の記憶と言われてもピンと来ないのだ。 少なくともメルディアは少し準備がいるという為に待つしかないだろう。




