リリス - 3
ー世界が開ける、明けの朝ー
ー願いの形、奇跡が生まれたー
ー竜と人とは、形が違えどー
ー世界に新たな息吹を咲かせたー
リリスが歌う。竜族の少年と少年の物語。
歌は、ドラゴンブレスで燃え盛る周囲から、音と色を奪った。
周囲は白くとの静止画を見ているようで、荒れ狂っていたドラゴンのハロルドも、リリスを静観している。
リリスの歌で次の変化が起こった。リリスが歌い続けるごとに、散っていった光の砂が集まっている。
集まった光の砂は、元の大男の形になり、周囲が音と色を取り戻すと同時に、イワオが再生した。
スキルの名前は奇跡。この世界で唯一、砕かれた魂を再生することができる。
「ギュア、ハアア、ハアアアア!!」
巨大なドラゴンとなったハロルドが、静寂を突き破って笑い出した。
「リリスさん…君は…」
「イワオ!」
「オカシラ…コレハ…」
こう、お頭、イワオの3人がリリスに向き直ると、リリスは第2番を歌い続ける。対象はハロルド。
ー竜が倒れた、悲しみでー
ー人のこころは、終わりに近づくー
ー竜と人とは、形が違えどー
ー新たな息吹に希望の光をー
奇跡の第1番は対象の時間を巻き戻し、第2番は対象の時間を進める効果がある。
「ギュアアアアアアアアア」
ハロルドの時間を進める事により、ドラゴンへの変化できるリミット時間を超えた。
ハロルドは、巨大なドラゴンの体から、人間へと徐々に小さくなってゆく。
「ばかな、そんなスキルが…」
お頭もバーサークのリミットが過ぎて、人型に戻っていたが、拘束時間クールタイムは既に完了している。
「一気に畳み掛ける、竜化させる隙を与えるな!」
「ハァ”イ!」
「了解です」
完全に勝機を失ったハロルドは、笑いながら自害して、自らを光の砂に変えた。
◇◇◇◇◇
『ピンポーン』
空気が澄んだ早朝に呼び出しベルが気持ちよく響く。長く続く、涼子の日課だ。
「りょうちゃん、おはよう」
「おばさん、おはようございまーす!」
「こう、まだ寝てるみたいだけど…」
「おまかせください!」
「悪いわね、よろしくね」
涼子は勝手知ったる、2階のこうの部屋に向かった。
「こうちゃーん、入るよー」
ガチャと音を立てて部屋に入ると、涼子のいつもの日常とは違っていた。
「え?だれ?」
光輝のベットに、知らない少女が寝ている。二人で…。
「ふぇ?えええええ、なんだこれ?」
「あわわわ!はじめまして、リリスと申します」
光輝が慌てて飛び起きると、首に絡みついていたリリスも目覚めた。リリスはゲーム内と違って、かわいいパジャマを着ている。
「どおしたの?3人で大声だして?あら…リリちゃん、お兄ちゃんのところで寝てたのね…」
騒ぎに駆けつけた、光輝の母親が呆れている。
「「え?お兄ちゃん?」」




