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第五章ー作戦会議

週末、蓮は再び喫茶店にいた。と言っても、異なる点はる。テーブルを蓮以外に四人の人物が囲っている事だ。いわずもがな、その内の二人はブラムスと叶。残る二人はブラムスの部下だという。

 異様なまでの居辛さを感じながら、蓮はコーヒーを口に運ぶ。時刻は夕方5時。黄昏始めた頃だった。話の内容は今晩の魔術士集団襲撃戦への作戦会議のようなもの。といっても、ブラムスが少し話しているだけだった。

「連中が全員建物に入ったのを確認したら、私が合図を送る。合図は魔術では感じ取られる恐れがあるから、カナエに電話をかける。その後でお前達には私が手で合図をするから即座に持ち場について結界を張る事」

後はなんてことはない、私が遊撃して、逃げた相手をカナエとレンが倒してくれればそれでよい。ブラムスの作戦は至って簡単なものだった。簡単なものだったが、特に意見は出てこなかった。

蓮は居辛さからコメントを控えただけだが、ブラムスの部下二人が意見をしないのは、作戦なんてもの、正直必要ないと思っているからだ。それどころか自分たちが結界を張ってさえしまえば、叶は要らないと考えているくらいだった。

魔術士協会随一の舞踏派と呼ばれるブラムスが、何故とすら思っている程であった。

二人から放たれる剣呑な雰囲気に、蓮は完全に委縮しきっていた。

「ブラムスさん、これ、私達必要ですか?」

不意に叶が言う。ブラムスは、ん?と首をかしげる。

「あなたほどの方なら、このくらいの施設にそれこそみっちり敵がいようとも、制圧するはずです。何故今回私たちに協力要請を?」

「ああ、そのことか。カナエ、実は私は今負傷してるんだよ」

「え?」

驚きは、テーブルを囲っている全員からのものだった。

「ちょっと前にね、ヤバい奴と戦っちゃってさ。その時に、左手を負傷してね。未だに感覚がないんだ」

改めてブラムスの腕を見ると、確かに左手がダラン、となっている。というより、確かにあった時から左手を使った気配がなかった。いや、というか、あのテーブル串刺し、片手だったのか?蓮はさらにブラムスの技量にうんざりすると同時に、そんなブラムスの左手を一週間たった今でも感覚がない程の戦闘力を持つ、未知の相手に恐怖した。

「まぁ、それが理由だよ。万が一、変な勢力が加勢してきた時、右腕一本とこいつらだけじゃさすがにヤバい。そこで君達に白羽の矢を立てたわけだ」

なるべく出番がないように頑張るけどね。ブラムスが付け足す。

「ところで、カナエ、なんでレンまでいるんだい?彼じゃまだ、修行不足じゃないかい?」

「勉強の為ですよ、勉強の」

ブラムスは、蓮を見ると、鋭い目つきでいう。

「いいか、レン、間違っても施設に入るなよ。入ったら死んでも一切文句は聞かない。なにより、レンの為に入らない事を勧める」

ものすごい釘のさされ方に、蓮は理由を聞く事も出来ずに頷いた。

「それじゃ、みんな、今晩ね」

ブラムスが伝票を持ってレジに向かった。ごちそうさま、とだけいうと、二人は表に出る。

「それじゃ蓮さん、先に現地に向かっておきましょうか」

「そうだね」

蓮と叶は、ブラムス達より一足先に現地、魔術士集団のいる施設に向かった。


次回、襲撃作戦決行です

そろそろ戦闘です


戦闘とか行う時って暴力描写がどうとかって書いた方が良いんですかね?

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