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じゃ、またね  作者: 仔猫
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生贄

誤字があったら御連絡を。

気がついたら、何処にも誰もいなかった。

学校で居眠りをしたのが罪なのか、何なのかよく分からないが、俺の知ってる教室には誰一人ヒトがいなかった。


勿論、移動教室でもしたんじゃないかと不意に考えたものの、自分だけを残して皆が行くわけがない。


時刻は午後の二時。季節は初夏でせみの声が、不気味に聞こえて仕方がない。机に残ったノートや筆記用具等もやはり無性に恐ろしく見えて仕方がない。



何時間かかけて他クラス、他学年、職員室、その他諸々の場所を何度も徘徊したが、人影すら見ることができなかった。


俺の名前は弘前ひろさき 直哉なおや中学二年生。

趣味は戦闘系のアニメや漫画を見ること。ゲームをしたりすること。

  


きっとこれは夢の中に違いない。

多分、ゲームのやり過ぎで倒れてこんな夢を見ているのかもしれない。



俺はさっさと教科書をかばんの中に詰め込んで、教室を出てゆく。廊下の隅で何回か転んで膝を何回か強打したが、何とか下駄箱につき、風の速さで上履きをスニーカーに履き替える。


「夢なら早く覚めろよ」


時刻はとっくに下校の時刻なのに校門前には誰一人いない。誰も。




*****



やはり家には誰もいなかった。

時刻は六時半。この時間帯ならば家族団欒で夕食をとっているはずだが、父親も母親もいない。自転車で四十分弱かかる帰宅道でもやはり人一人会うことができなかった。食事が作れない俺はキッチンの棚にあるインスタント麺やら、冷蔵庫にある安い漬物を一人食卓で食っている。暇でつけたテレビは1局も移らない。ただ灰色の画面とノイズがせわしなく聞こえるだけである。


正直自分の置かれている状況の意味と大きさが釈然としないので、何も沸き起こってくる感情が無い。少々の消失間とそれによる恐怖感があるだけである。


明らかに現実では起き得ない事が実際目の前に繰り広げられている事がまず理解できない。

学校での生徒、職員の消滅、人気の無い道、何の前触れも無く当たり前のようにここにいない家族。つかないテレビ。現実的出来事でこれらを説明することができるのだろうか?


「もしかして、俺だけなの?ここにいるの」


なんとも馬鹿らしい台詞を吐く。しかし馬鹿らしいと思ってもその考えを拭う事ができない。


この際起こった理屈は如何でもよい。消えたみんなは何処得消えていったのだろうか?

まさか俺だけ省いて祭りでもしてるわけが無いだろう。


一体俺の周りで何が起こってるのか。これが夢であればいいのだが、、、、、。


簡易的で質素な食事を終え、、、流石に行方の分からない奴等を探しに行こうなんて思わない。多分この何処かにもいないような、極端に言えばこの世界には誰もいないような気が少しはあった。

さっさと寝て此れが終わるように願うしかないのである。




****




早起きは好きなほうじゃないが、自然と早起きになってしまった。

時刻は早朝4時二十五分。誰もいないリビングに挨拶をしてトースト二枚、牛乳一コップ分を取って、遅刻でもしたかのごとく、玄関を飛び出していった。

家は県営住宅で家賃が安いといって、抽選を見事に勝ち取り手に入れた場所で、それゆえ両親の近所付き合いはとてもよかった。


「おはようございます」


隣の905号室の音声対応付きのインターホンを押す。起こられるぐらいに連打してみるが、何の反応も無い。扉も開いてみようとするが、開かない。他も試してみたけれども、どれも何の反応も返ってこなっかった。中には扉が開く部屋があったものの、誰もいやしなかった。


学校でもやはり誰一人も学校に来るものはいなかった。

来たといえば何処かの野良犬が校門の辺りをチラホラ徘徊したのが見えただけである。

俺はその間、見晴らしのいい屋上や教室を行き来したり、もってきた食事を孤独に取った。


これは明らかに夢じゃない。

包む暖かい風は、神経一つ一つが感じているし、同じく孤独感も感じている。廊下で擦り剥いた傷はまだずきずきと痛む。


屋上。一群の雲が空を通り過ぎてゆく間の事だ。


「どう?平和な世界だよね」


今大空に浮かぶ雲のように白い装束を纏い、片方の腕には身長の何倍もの透紫の太刀を携えて、そいつはいきなり前触れも無く目の前にいた。

人間のような身振りだが自分のどこかに存在する魂がただならぬ大きな力を感じ、身体は硬直して冷や汗が地面に落ちていく。



「平和な世界?」


「そう。平和な世界じゃないか」


「どういう意味だよ」


意味が分からない。

現在起こってる現象はともかく、中学二年生である人間が平和について知るわけが無い。


「ふふ」


彼は苦笑する。

苦笑した彼はいつの間にかに少年との間合いをつめて

「私の名は最終戦争ハルマゲドンじゃあ、おやすみ」


その言葉が聞こえた後には、周りは真っ赤に、そして真っ黒になった。






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