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死神日記1
もう何千回あの白い雲は通り過ぎていったのだろうか?
俺は死神。与えられた名は無い。
何も無い空間から神によって生ざれた、死をつかさどる化身で、人間の死の直前に現れて、魂を刈り取る概念であり、それ以外は無い。自然の摂理の如く神の命令に従うだけで、人間のように俺らは個性を所持はしていないし、性格も感情も無い。外見的特徴は全身を覆う黒い羽衣のみ。
もう何万回あの白い雲は通り過ぎていったのだろうか?
人は消えた。跡形も無く。
理由は分からないが、多分神様がやったのだろう。世界に下りていった時には朽ち果てた人類の産物が横たわるだけで、人の影はまるっきり無く、有るのは静寂のみ。
俺は死神だ。生きがいは人の魂を刈ること。しかし地上の何処にも人はいない。
ある日は寒さで凍える凍土を飛び、ある日は無限に広がる灼熱の砂漠を渡った、劃しても目的の其れは見つからない。
飽きも疲れもない俺はただひたすらに地上を回る。それが己の性。
地上は植物と見たことも無い生物たちが、人の代わりにと各地で同じように見えた。どうやら自分の存在は何処にもないようだった。




