雨模様
その後、すぐ雨が降ってきた。おじさんと別れた後、雨の中、急いで帰ったが寮に着いた時はびしょ濡れだった。重たくなった服を脱ぎシャワーを浴びる。いつもはすっきりした気分になるのに、今日の天気のようにどんよりとしたままだった。
乾いた洋服に着替えベッドに戻ると、2人からメッセージが来ていた。
『楢彦君になんて報告しましょう』
『明日は大雨らしいよ。大雨の中、坂道を下って旧国道に出るのは危ないんじゃないかな』
『そうですね。明後日にしたほうがいいかもしれませんね』
『うん』
『結局、私達に夢を見せた理由、聞けませんでしたね。銀杏姫に会えば教えてもらえると思っていたのですが。どんな意味があったんでしょう』
『予知夢だと思っていたんだけど、ひょっとしたらあれは銀杏姫が切り倒された時の恐怖を伝えたかったのかもしれない』
『……あんな最後は、嫌です』
『僕も』
『私も嫌』
何を打ち込めばわからず、賛同のメッセージだけ残すと、すぐにまたメッセージが現れた。
『あと、これも思ったんだけど』
少し待つと、続きのメッセージが現れる。
『接木がされていないことが、原因って楢彦が言ってたよね』
『そうですね』
『だね』
『上伊良原の高木神社には、楢彦から枝を分けてもらって接木すればいいんだろうけど……』
『私も同じことを考えました』
『下伊良原の高木神社に接木する枝は銀杏姫から分けてもらうと思っていたのですが……』
あの状態では枝も何もないだろう。切り株から枝が生えて来るとも思えない。
『枝、もらえなくなっちゃったね』
『ですね』
『楢彦君の枝を接木しちゃだめなのかな?』
『どうだろう』
『楢彦君に聞くしかありませんね』
『だね』




