表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/50

弱る

「何やってるんですか」


 帰ってくるや否や、メイド服を着て落ち込んでいる日向と、それを爆笑してるコートルが目に入り、有は呆れる。


「おお、帰ってきたか。いやー笑った笑った」


 コートルは愉快そうに笑う。


 理不尽極まりなかった、やっと終わるのか? 本当に? 解放されるの? 俺は。

 本当に、全部本当に理不尽だった。


「もう、立っていいですか?」


 弱々しく日向が言う。


 今まで何度も逃げようとしたが、全て封じられてきた。


「ん? ああ、もういいぞ。楽しませてもらったしのお」


 本当にこの人は、本当に。


 日向はコートルに頭の中だけでも強く言いたいが、読まれるので、ゆうわけにはいかない、またこれを繰り返すわけにはいかないのだ。


「日向くん可愛い!」


 咲が写真を撮ってくるが日向に抵抗する気力はもうない。


「有、俺から離れないでくれよ」


 日向は有の腕を掴み涙目で言う。


 やっぱり安心できるのは男なんだ、あんな屈辱的なことしないもん。お姉ちゃんは別だけど。


「お、おう」


 こいつ、普通にこれしてんの?


 有は少し照れながら思う。


 普段の日向ならこんなことしないのだが、プライドが破壊され、精神的にも弱っているので、いつもはしないことをしてしまうのだ。


「まあ一旦美咲の特訓は、今日みたいなことを繰り返すことになるな」


「わかりました」


 コートルがこれからの美咲の特訓を伝える。


「え、えっとそれって俺は?」


 日向は恐る恐る聞いてみる。

 流石に全部だと身がもたないのだ。


 だが、


「もちろん日向は全部一緒にやってもらうぞ、面白いしな」


 その言葉を聞いた時、日向はは絶望した。

 そして、


「うう、うううう」


 ポロリ ポロリと大粒の涙が日向の目から溢れ出す。

 そして、声を噛み殺したように泣き始める。


 遂に日向は子供のようにふててしまったのだ。


 なんで俺ばっかりこんな事に。


 ずっとこんなことばっかりだ。


「ああ、すまん! 嘘、嘘じゃから、全員で順番でやるから、な?」


 流石のコートルも胸が痛くなったらしい。日向をいじめるのをやめて、慰める。


「も、もうしない?」


「ああ、もう今日はやめるからな? ほーらよしよし」


 コートルは日向を慰めるように撫でる。


 日向は少し安心したが、泣き止まない。


「ほら、今日はここで休むか?」


 コートルが気を使って今日は特訓しなくてもいいと言うと。


「……有といる」


 そう言うと日向は有に抱きつく


 精神的に弱った日向は、安心できる人といたいのだ。


「お前今子供っぽすぎない」


 そう有が言うと、その言葉が日向の心に刺さる。


「うう」


 日向はまたしゃがんで泣き出してしまう。


「日向、弱りすぎだろ」


 幼稚園の頃から一緒だった有だってここまで弱ったのは数回しか見たことがない。


「お前ここまで落ち込んだの、初恋の人に振られた時以来だな」


「はえ!?」


 突然有に少し言葉で刺され日向が驚きの声を上げる。


「日向くん、振られたらこんなになるんだ」


 そして咲の言葉もさらに日向に刺さり。


 さらに多く涙が出る。


「ごめんごめん泣くなって、ほら行こうぜ」


 有が早く行こうと促すと。


「……おんぶ」


 日向がそう呟く。


「だと思ったよ、お前弱るとおんぶねだるもんな」


 日向は本気で落ち込んだりすると、できるだけ安心できる人の近くにいたいので、有におんぶしてもらうのだ。


「恥ずかしいから早くして」

 

 日向は照れながらおんぶを急かす。


 そして有がしゃがみ、日向が背中にしがみつく。


 おんぶしてもらうと直ぐに日向が安心した顔をする。


 この場にい有以外のた全員が、日向のことを可愛いと思う。


「えっと次に特訓する人じゃが……安心せい、流石にお前ら二人からは選ばんから、咲お前でいいな?」


 発表しようとすると、日向が不安そうな顔を見せたので、安心させるように日向に言う。


 あいつ、今可愛すぎるじゃろ。


「まあ、仕方ないよね」


 そう咲は思う。


 コートルだとしても、流石にあの二人を離すことはできない。


「じゃあ行ってこい」


 そうして、有たちはまた、レベル上げに出発する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ