第312話 展望.15
四日後。
“ルトス”が[合同鍛練]に訪れた。
“姉のケリス/父のルゼム公爵/母のヘラブ”も来ている。
[第二夫人]である“ルトスなどの母親”は、〝ストレートのロングヘアー〟であり、美形だ。
年齢は30代半ばらしい。
こうした“ルトスファミリー”にも[銀製プレートのネックレス]を渡した。
[帝王城]への直接的な【テレポート】を許可する証として。
なお、“転生者の親族”や“各大臣&お世話係達”に“お城の守兵と給仕など”は、火急の用であれば、その[パスカード]を持っていなくてもOKだ。
まぁ、なんにせよ。
ルトスは[空手]を、ケリスは[総合格闘技]を、選んだ。
理由は不明だけど、両親は遠慮して、見学している。
あと、主に[槍]を使うらしいルトスは、かつて[薙刀部]だった“コルティ”の扱い方も取り入れだした。
こうした[元学級副委員長]は、前世と同じで〖左利き〗だ。
余談になるかもしれないけれど、空は晴れている…。
▽
小休止となり、
「皆さんからは学ぶ事が沢山ありますなぁー。」
「〝小生はまだまだである〟と、思い知らされましたぞ。」
「それにしても、コルティ殿は相変わらず姉御肌でありますな!」
ルトスが楽しそうに喋った。
[タオル]で顔の汗を拭いていたコルティが、
「ん??」
「そぉう?」
首を傾げたところで、
「しょうせぇー。」
「“あねごはだ”って、なぁにぃ??」
“妹のエルーザ”が質問する。
「エル。」
「その呼び方は、ちょっと。」
注意しようとした僕に、
「構わぬでありますぞ。」
笑顔で述べたルトスが、姉御肌のなんたるかを教えていく。
……結果、コルティのことを、
「あねごぉ―♪」
そのように呼び始める妹だった。
これを受け、
「はははははッ!!」
「やっぱりそうきたか!」
コルティが愉快がる。
そうした流れにて、“鬼人のディージー”が、
「ところで。」
「ルトスは実戦の経験が無いのに神法が〝中級〟になってんだろ?」
「凄ぇな。」
こう感心したら、
「〝神力切れを起こして倒れ込んでは、回復次第また使う〟というのを何度も繰り返していたでありますよ。」
「で。」
「気が付けば進化していたであります。」
「ま、お勧めできませんがな。」
「このやり方は。」
高らかに〝カカカカカッ!〟と笑うルトスだった。
そんな彼が、
「そう言えば恩師殿。」
「祖父にあたられる“トラヴォグ侯爵殿”は、名匠の鍛冶職人だとか。」
「であれば、小生、“デスサイズ”という代物を作っていただきたいでありますよ。」
“先生”を窺う。
「はぁ。」
「それはなんです??」
お訊ねになった先生に、
「いわゆる“死神の鎌”であります!!」
ルトスが答える。
「お。」
「いいねぇー。」
反応したコルティが、
「私も武器を変更したいな。」
「個人的には薙刀がしっくりくるんだけど、ファンタジーっぽさが損なわれるし。」
〝ん―〟と悩みだす。
こうしたところ、
「でしたら、“グレイブ”や“ウォーサイス”は如何ですかな?」
そのように提案し、
「恩師殿。」
「書籍の“お取り寄せ”とやらを、お願いするであります。」
「お金は支払います故。」
こうルトスが依頼した。
よって、先生が【特殊スキル】を用いられる…。
▽
あれから、ルトスの注文で[日本や、西洋に、RPGの、本]が何冊か出現していた。
[武器]に関するものだ。
それらを閲覧してゆくと、他のメンバーも興味を惹かれ、〝自分も新しいのが欲しい〟と熱望しだす。
こうしたなか、
「俺、“日本刀”がいい!」
〝ニコニコ〟するディージーに、
「じゃ、わたしも!!」
エルーザが続く。
「一度に全部は難しいでしょうから、追々にさせてください。」
「祖父たちには必ず伝えますので。」
そのように告げられた先生に、誰もが理解を示す。
こうして、鍛練を再開する僕らだった―。




