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男装女の話(仮タイトル)  作者: 凪原
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男装女と兄と女中

おうっふ!

未だ冒頭だけなのにお気に入り登録、評価、ありがとうございます!!

予定を巻いて二話目投下!

銀の長い髪を後ろで緩く結び、両手には白い手袋をつける。

白いタキシードに身を包みしゃんと立った私はどこからどう見ても男にしか見えません。

姿見に映る自分に満足げに頷いてみます。


本当はこの髪もバッサリと切っちゃいたかったけど、兄様と父様に全力で止められて断念しました。

そんな兄様は今、私の側でいつまでも情けない表情をしています。

私は、溜め息を吐きたくなるのを堪える必要がありました。


「本当にその格好で行くのかい、ティーナ?」


金の睫で縁取られた緑の瞳を憂うように伏せる金髪の美男子。

兄のニコロは私の服装を上から下まで眺めると何度目かになる質問を私にしてきました。


「その呼び方はやめてくださいと言ったはずですが?今の私はクリスです」


「ああ…ごめんね?でもテっ…クリス、僕はやっぱりやめたほうが良いと思うな。だって君は僕のいも」「兄様」


言いかけた兄の言葉を遮りその口元にそっと人差し指を置きます。

全く、さっき忠告したばかりなのにこの兄はまた繰り返そうとするんですから。

いくらここには自分たちしかいないと言っても呆れてしまいますね。

狼狽えてただただ此方を見つめる兄にお灸を据える為、にっこりと微笑みながら彼に最も効果的であろう台詞(セリフ)を吐くことにしました。


「今ここでそれを言うなら私はこれから貴方のことは他人と認識し、今後一週間に渡り一切口を利かないことをご先祖様に誓おうと思うのですが、いかがでしょう?」


途端に慌てて首をぶんぶんと左右に振った兄は、懇願するように私の肩を掴み目線を合わせてきました。

勢いを殺しきれずに背後の壁に背中がぶつかります。痛い


「っ…」

「ごめんねクリス僕が悪かった!!だから口を利かないなんて言わないで!」


「わ、判って頂けるのならば良いんです。」


「……本当かい?」


必死の形相にたじろきながらも小さく返事をすれば、ホッとした兄は私を挟んだ状態で背後の壁に手をついて安堵の息を吐きました。どうでも良いけど、近いです。


その時


ガタガタッと大きな物音が聞こえました。

咄嗟にその音のした方を見ると、女中のひとりが扉の前で後退りしているところだったのです。


「す、すす…すみません!お召し替えのお手伝いを、と伺ったところお返事が無かったので失礼と思いながら入室させて頂いたらまさかお二人がそのような関係だったとは露知らず!!」


「えっ……」


どうやら何か多大な誤解を招いたようで。

考えれば今の体勢は、兄様が自分を腕の中に囲って壁際に追い詰めている…ように見えるのでしょう。


しかし兄も自分も今はタキシードに身を包んでいるのに。

…もしかして、男色だと勘違いされたのかな。


「でででではわたくしは失礼させて頂きます〜!!」


「ちょ、ちょっと君!?っ兄様、どいて下さい!!」・


その後、中々動こうとしない兄様を実力行使で退かせて、追いかけた女中に必死になって誤解を解いたのは、きっと余談です。

に、兄様シスコーン!!

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