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16.OL、かくれんぼする


「はぁ、わたし疲れちゃった。」


私とテールが話していると、子どもたちの中の一人の女の子がそんな声をあげた。


「そうだな、俺もちょっと疲れたかも。」


そんな女の子につられたように、男の子が言った。


そうだよね。

この子たちは私が来る前から遊んでいたわけだし、あれだけ大振りで棒を振り回し続けたら疲れるのも当たり前だ。


しかし、私はまだ遊び足りない!


「ねぇ、かくれんぼしない?」


かくれんぼなら隠れてる側はそんなに動く必要もないし、私が鬼をやればいいかな?と思い提案した。

しかし、それを聞いたみんなは一様に不思議そうな顔をした。


「かくれんぼってなぁに?」

「聞いたことねーな。」

「え!?」


どうやら誰もかくれんぼを知らないようだ。

この世界にはかくれんぼという遊びが存在しないらしい。


なら教えよう!


私が簡単にかくれんぼについて説明すると、「おもしろそう!」「やろうやろう!」と賛成してくれた。


「テールもね!」

「お嬢の命令じゃ仕方ないですね。」


決して命令したつもりはないが、まあいいだろう。


ダメ元でアルベールも誘おうとしたが、視線を向けただけで首を横に振られてしまった。

ですよねー!わかってました!!と心の中で言っておいた。


「じゃあ私が鬼をやるから、みんなは隠れてねー!」


私はそう言うと、その場にしゃがみ込み目をつぶって数を数え始める。

それと同時に子どもたちが、きゃーきゃー言いながら走っていくのが気配でわかった。

全然元気じゃないか、君たち……


「もーいーーかーーーい!!」


そう私がとびきり声を張り上げると、あらゆる方向から「もーーいーよーー!」と声が返ってきた。

しばらく待って、まーだだよーが返ってこないことを確認した私は、顔を上げて立ち上がった。


「よーし!探しにいくぞー!」


みんなに聞こえるように大声で言う。

先程返ってきた声からして、結構遠くまで行ってしまった子もいるみたいだ。


「どこか、な……」


意気揚々と歩き出した私は、目の前の茂みにあるものを発見して思わず言い淀んでしまった。


「……テールってもしかしておバカさんなの?」

「なんでバレちまったんです!?」

「あぁ、やっぱりおバカさんなんだ。」


私が数え終わって目を開けたすぐ先の茂みから、大きなお尻がはみ出ているのが見えた。

一目でテールだとわかった私は、つい呆れたように声をかけてしまった。


「ここまで見事な頭隠して尻隠さずは初めて見たよ……。」

「なんですそれ?」

「なんでもな〜い!とりあえずテールみっけ!」

「やられましたね!まさかこんなに早く見つかっちまうとは、流石お嬢です。」

「本気で言ってるの?」


どうやら本当にテールはおバカさんのようだ。

私は呆れたようにテールと話しながら、アルベールとテールを連れ立って引き続き子どもたちを探しにいく。


「あ!みっけ!」

「え、嘘!?絶対バレないと思ったのに!」


そんなやりとりを5回ほど続けた。


子どもたちは、テールよりもずっと上手に茂みの中に隠れていたり、木の上に隠れていたり、岩陰に潜んだりと様々だった。

すごく高い木の上に登っていた子には驚いた。飛んだのだろうか?


しかし困った。後一人が見つけられない。


「うーん、どこだろう……」


そう呟くように言いながら、私は辺りをキョロキョロと見回しつつ森の中を進む。

城下町の広場にいたはずの私たちだが、どうやら他の子どもたちに聞いたところ、まだ見つかっていない女の子が森の方に隠れに行ったのを見たと言うので、こうして森の中までみんなで探しにきたのだ。


「おーい!エミリー!どこだー!」


男の子が大きな声で女の子を探す。

まだ見つかっていない女の子はエミリーというらしい。


もうすでに夕方になってしまった。

もはや鬼の私だけではなく、みんなで呼びかけ合って探し回っているのだ。


「リゼット様、あちらの方から微かに声が聞こえます。」


ずっと黙っていたアルベールがそう言った。


「声?」


耳をすましてみたが、全然聞こえない。

テールや他の子どもたちも一様に耳をすましているようだが、みんな首を傾げている。


「私には聞こえないけど……」

「間違いありません。助けを呼んでいるようです。」

「えぇ!?」


私は慌ててアルベールに道案内を頼み、駆け出した。

他の子どもたちを置いていくわけにもいかないので、子どもたちが追いかけられる範囲で走る。


「おい、ホントに聞こえるんだろうな?」


俺には全く聞こえねーけど。と、テールが走りながらアルベールに言う。

その顔は疑心に満ちている。


そんなテールをアルベールは横目でちらりと見たが、その口を開くことはなく、いつもの無表情で前を向いた。


「なるほど。お嬢にしか懐かねぇ犬になったってのは本当らしい。」


そう言ったテールに、アルベールは目線すら投げることはなかった。



そうしてしばらく森の中を駆けていくと、私の耳にも女の子の声が聞こえてくるようになった。

その声は、泣きじゃくっているようで、か細いものだった。

あんなに遠くにいた時からこの声が聞こえていたとは、アルベールの耳の良さに感心する。

アルベールのことを疑っていたテールも、私と似たような心境に違いない。


その声の元にたどり着くと、私たちの目の前には道がなくなり、そこは崖になっていた。


助けを求める声は、その崖の下から聞こえてくる。

私は恐る恐ると言った様子で、崖の先に歩み寄る。


「リゼット様、危険です。お手を。」

「ありがとう。」


私はアルベールから差し出された手を素直に握った。

実は私はまだ飛べない。背中にはこんなに立派な羽が生えているのに。

今後飛ぶ練習もしないとなぁ、なんて場違いなことを考えながら、私は崖下を覗き込んだ。


「うえぇぇ〜〜ん!!!たっ、だずげで〜〜!うぅっ……ぐすっ……」

「エミリーちゃん!」


崖の途中、運よく出っ張った足場になるような場所があり、そこに彼女がいた。

蹲って泣いていたエミリーは、私の声に気づき、顔をあげた。


「み゛ん゛な゛〜〜〜!」


見上げたエミリーの瞳からぶわりと勢いよく涙が湧き出した。

安心したのだろう。


思わず身を乗り出そうとした私の手を、アルベールがグッと引いた。


「リゼット様。」

「ご、ごめんつい!」


危うく飛べないくせに助けに行こうとしてしまった。


「エミリー!無事でよかった!」

「エミリー!今助けるわ!待ってて!」

「どうしよう、俺たちまだ飛べないんだ……」


私と同じように崖下を覗き込んでいる子どもたちが、エミリーを励ますように声をかけている。

どうやら子どもたちもまだ飛べないみたいだ。

おそらくエミリー自身も飛べないのだろう。


「アル、お願い!あの子を……」

「俺に任せろ!」


助けてあげて、と私が続ける前にテールが大きな声をあげた。

一斉にテールに周りの視線が集中する。


巨岩手ジャイアントロックハンド!」


「わわ、!?」


テールが魔法を発動させた瞬間、大地が揺れた。

思わずアルベールの手にしがみ付くかのように、握っていた手に力を込めた。

それと同時に、崖下から女の子を悲鳴が聞こえてきた。

その声に、私は慌てて崖を覗きこむ。


「なにあれ!?」


私は思わず驚きの声をあげた。

先ほどまで、エミリーの足場となっていた少しだけ突き出していた大地が、今はまるで大きな手のひらのような形になっており、その手のひらの上にエミリーがいる。

手のような大地は、エミリーが落ちないようにするためか、彼女を包むようにその手のひらを緩く閉じた。


「きゃーーーー!」


蹲っているエミリーがその頭を抱えながら、大きな叫び声をあげた。

そりゃぁ彼女視点だと恐ろしいだろう。

大地が自分を握りつぶそうとしているとしか思えない。


「大丈夫だエミリー!今助けるぞ!」


テールは崖上からエミリーを安心させようと声をかけているが、今の混乱したエミリーにその声が届いているか定かではない。


大きな手のような大地は、崖と繋がったまま大地を泳ぐように私たちの方に近づいてくる。

その手が動いている間、大地も軽く揺れている。


程なくして、崖の上までたどり着いたその大きな手は、ゆっくりとその手を開いた。


「エミリー!」


男の子の一人が真っ先に声をかけた。

その声に、ハッとしたようにエミリーが顔をあげた。


「わ、わたし、たすかっ……!よがっだぁぁ〜〜〜!」


一頻り私たちを見回した後、エミリーは安心したように大声で泣き出した。

そんなエミリーに、子どもたちがすぐに駆け寄って彼女を励ましている。


「いやぁ、無事でよかった!」


テールが一仕事終えたかのように満足した表情でそう言った。


「ありがとう、テール!」


エミリーを助けてくれて。そう言った私に、テールが驚いたような表情をした後、ボッと顔を赤くした。


「そ、そ、そんな!お嬢に感謝されるような事では……!」

「でも、」


テールは照れているようで、焦ったように声をあげた。

しかし、私はそんな彼に冷静に言葉を告げる。


「普通に飛んで助けてあげればよかったんじゃない?あのでっかい手、相当怖がってたよ。」


私は、いまだに崖の近くにある、手を形をした大地を指差しながら言う。


本当はアルベールに頼むつもりだったけど、テールにそれを阻まれてしまった。

だからテールが飛んで助けに行くのかと思ったらまさかの魔法だったのだ。

いや、別に方法はなんでもいいんだけど、それにしてもあの魔法は怖いよ。


私の言葉に、テールは一瞬呆けたような顔をした。


「…………確かにそうですね!全然思いつきませんでした!」

「……そう。」


やっぱりテールはちょっとおバカさんなんだろうなと一人納得して、私はこれ以上言葉を続けるのはやめた。

とにかく、彼のおかげでエミリーは無事に助かったのだから、よしとしよう。



エミリーを救出した私たちは、みんなで広場まで引き返した。

広場に着いた時にはもう陽も落ちきっていて、ただでさえ普段薄暗い魔王城周辺は真っ暗になっていた。

城下町には街灯があるため夜道でもそんなに困ることはないが、森の中は違った。

火属性の下級魔法を灯りがわりにして広場まで歩いてきた。


「本当にここで大丈夫なの?」


広場に着き、私が子どもたちに訪ねた。

もう辺りもすっかり暗くなってしまったし、みんなを家まで送り届けようとしたが、こんな時間いつものことだと子どもたちは言って、自力で帰ると主張したのだ。

どうやらテールも城に滞在しているようなので、私は魔王城までアルベールとテールという最強の護衛があるが、子どもたちは心配である。


「大丈夫!みんな家も近くだし!」

「ナメんなよ!テールには勝てなくても俺はつえーんだ!」


うんうん、と周りの子どもたちも皆頷いている。


「そっか。じゃぁ本当にみんな気をつけて帰ってね!」


そう言って、子どもたちと別れを告げようとしたが、子どもたちの中の一人の男の子が私の手を握った。

そんな子ども相手に、アルベールがその小さな手を払おうとしたが、私は静かに制止をかける。

こんな子ども相手にやめ給え。

なんならこの子達は私が魔王の娘であることを知らない。


「お、お前、名前……リゼットって言うのか?」


私の手を握った男の子が、顔を真っ赤にしながらそう言った。

私はその言葉に一瞬呆けてしまったが、真っ赤な顔でまっすぐ私を見てくる男の子が可愛くて、私は思わず笑ってしまった。

そんな私に、ただでさえ真っ赤だった男の子の顔が尚更赤くなる。


「リゼット様、子どもと言えど流石に——」

「うん!リゼットだよ。君は?」


不満気なアルベールは、その手を剣に添えてすらいるが、私はそんな彼の不服の声を遮るように男の子に返事をした。


「俺はジャン!リ、リゼット!また、会えるよな……?」


真っ赤な顔をした男の子の目に不安気に揺れる。

私の手を握る彼の手にぎゅっと力がこもった。


「うん!また遊ぼうね。」

「!お、お、俺!リゼットが好きだ!こんな気持ち初めてなんだ!大きくなったら俺と結婚してくれ!」

「え??」


突然の告白に私が驚いていると、他の子どもたちが声をあげた。


「あ!ジャン!ずるいぞ!お、俺も!俺も好きだ!」

「私も!私だってこんな気持ち初めてなの!」


ギャーギャーワーワーと私の周りに子どもたちが群がってきた。


「え、ちょっと、待っ、——わ?!」


私を取り合うように群がってきた子どもたちに困惑していると、ふわりと体が浮いた。


「お前ら、いい加減にしろ!」


私を抱き上げたテールが、子どもたちを怒鳴りつけるように言った。

しかし、子どもたちは不満気にテールを見上げている。


「ずるいぞテール!」

「大人だからってリゼットを抱き上げるなんて!」

「そう言ってテールがリゼットと結婚するつもりだろ!許さねーぞ!」


「だ、だだだだ誰が結婚だ!!!そそそんな恐れ多いことを簡単に言うな!」


私を抱き上げたテールが、子どもたちと同じレベルで言い争いを始めた。

私は思わず呆れたようにため息をついた。


「お前ら!今日だけは多めに見ていたが、この方は現魔王マティス様のご息女のリゼット様だ!」

「ちょっとテール!」


せっかくただの友達ができたと思っていたのに。

テールに抱えられたまま、私は頬を膨らませた。


テールの言葉に驚いた子どもたちは、みんな目を丸くして私を見ている。


「お、俺母ちゃんから聞いたことある!」

「リゼット……さま。そっか。だから聞き覚えがあったんだ……」

「あの噂の……!?」

「マ、マジかよ……帰ったら親父に自慢しよ……」


口々にそんな声をあげた子どもたちに、私は「黙っててごめんね。」とみんなに謝った。


「……なら、もう会えないのか?さっきの言葉は嘘なのか?!」


嫌だ嫌だと、ジャンが泣き出してしまった。

それにつられるように、周りの子供たちも泣き始める。

もう。テールがいらんこと言うからだ。


「テール!下ろして。」

「はっ!申し訳ございません!お嬢を抱き上げるなど大変な無礼を……!」


こいつらに偉そうに言っておきながら俺はなんてことを……とブツブツ呟いているテールを無視して、テールの腕から解放された私は、泣いている子供たちに向き合った。


「みんな、泣かないで。みんなは初めてできた友達だもん!絶対にまた遊びにくるよ!」

「リ、リゼット……さま……」


私の言葉に、子供たちはなんとか泣き止み、赤く腫れた目をこすっている。


「やくっ……約束、だからな……!」

「この広場で、待ってるから……!」


私は小さな両手を精一杯広げて、ぐすぐすひぐひぐと泣きじゃくる子供たちをまとめて抱きしめる。

正確には私と似たような背丈の子どもを6人も抱きしめることはできないが、気持ち的には抱きしめている。

私は、慰めるように子どもたち一人一人の頭を優しく撫でた。


そうして、子どもたちと別れを惜しんでいると、痺れを切らしたアルベールに催促され、私は魔王城への帰路に着いた。

なんとか泣き止んだ子どもたちに、私は笑顔で「またね!」と別れを告げた。






「しっかし、お嬢。以前お会いした時とはまるで別人のようでびっくりしました。」


魔王城への帰り道、テールが口を開いた。


「え?会ったことあったっけ?」


そう言いながら、私は首を傾げた。

少なくとも、前世の記憶が戻って自我がはっきりした後にテールと会った記憶はない。


「ハハ、そうですよね。あの時のお嬢は今よりもっと小さかったですし、覚えてなくても無理はないですね。

当時のお嬢もそれはもう尊く麗しかったですが……」


幼いの子どもには分不相応すぎる言葉だなあと思いながら、テールの話を聞く。


「今のお嬢は眩しいくらい綺麗で、愛らしい。」

「そ、そう……?」


久しぶりに人格について言及され、思わずドキリとする。

いや、落ち着け!

毎日一緒にいたアルベールやマティスだってなんとか誤魔化せているんだから、2回しか会ったことのないテールにそこまで怯える必要はないはず……!


私は自分にそう言い聞かせ、ひっそりと深呼吸をする。


「そ、そんなことより!テールと初めて会った時っていつのことなの?」


私が誤魔化すようにそう言うと、テールはヒゲの生えた顎に手を当て、考えるようなそぶりを見せた。


「あれは確か、お嬢が2才か3才の時で……」


そこまで言ったテールは、ちらりとアルベールに視線を向けた。


「そいつの————」

「リゼット様、先を急ぎましょう。」

「え?えぇ?ちょっと!?」


テールが言葉を続けようとした瞬間、それを遮るようにアルベールが口を開き、歩いていた私を抱き上げた。

予想しなかったアルベールの行動に、私は彼の胸の中で混乱する。


「え?どうしたのアル?」


いつも冷静なアルベールにしては、この突表紙もない行動は不自然すぎる。


「早く帰りませんと、また城の者が悲鳴をあげます。」

「まぁ、うん……そうだね。」


そうなんだけど、それだけにしては、先ほどの行動に疑問が残ってしまう。


「ハッ!なんだ、思い出して欲しくないのか?あんちゃんよぉ」

「…………」


挑発するように言ったテールを、アルベールは射殺さんばかりに睨みつける。

私はそんなアルベールの胸に抱かれたまま、彼の顔を見上げる。


こんなにもアルベールが感情をむき出しにしているのは本当に珍しい。


「そうだよな、あの時のあんちゃんはお嬢にすら——」

「それ以上その口を開くなら容赦なく殺す。」


テールの言葉を遮ったアルベールは、私を抱き上げたまま腰の剣を抜き、それをテールの喉元に向けた。


「おぉ、こえぇ。」


そんなアルベールに、テールは両手を上げてみせる。

そのセリフとは裏腹に、全然怖がっているようには見えない。


「アル!何してるの!」

「……」

「アル!」


私の呼びかけに、アルベールは渋々と言ったように剣を鞘に納めた。

なんともアルベールらしくない。


「ついこの間まで死人のような目してたのが嘘みてぇだな?あんちゃん。」


そう言ったテールは高らかに笑い声をあげ、私たちより前に出て歩き出した。


アルベールは、私とテールが出会った時の話を隠したいようだった。

ということは、テールとの出会いにアルベールも関係しているということなのだろうか?

城へ着く間、どうにか記憶を掘り起こそうとしたが、やはり思い出せなかった。

2才や3才の頃といえば、すでに自分本位にわがまま放題言っていた記憶しかない。

その中でも具体的な出来事として覚えていることはあまりない。


ま、アルベールが知られたくないんだったらいっか!

全く気にならないかと聞かれたら、そんなことはないが、アルベールが私に知られたくないのだというのなら無理に知る必要もないだろう。


……あれ?

私、アルベールに出会ったのって、いつだっけ。

確かある日マティスから、私の護衛だと紹介されて……それは何歳の時だっけ……?


う〜〜〜ん、はっきりと思い出せない。

まぁいっか。


そうして、私はアルベールに抱えられたまま魔王城に到着した。

テールは面白いものを見たとでも言いたげに、城に着くまでずっと笑っていた。

私を抱き上げたままのアルベールは、終始不愉快そうな顔をしていた。


城に着いた私を、魔族たちが「心配しました!」と泣きながら出迎えたことは言うまでもない。



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