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異世界なんて嫌いだ。  作者: うどんずるずるしたい
第二章 暗殺者編

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61 魔族

 ◆◆◆◆◆◆


 魔族について検索し、スマホに表示された文章をスクロールしていく。



ーーーーーーーー

【魔族とは】

 魔族とは、人間から特定のものを摂取しなければ生きられない特殊な人間を指す。人から摂取するものは魔族ごとに変わる。

 起源は不明だが、大昔人間が持つ魔力孔や魔力管が発達していなかった時代に、マナを過剰に吸収した人間が魔物化したものが魔族であると―――

ーーーーーーーー



 「ほ~ん。ちゃんと人食べるんだなぁ、魔族って」



ーーーーーーーー

【魔族の種類】

 鬼、吸血鬼、淫魔、夢喰い、の四種類が現在確認されており、夢喰い以外の三種類は人間から筋肉、脂肪、血液、体液などを主に摂取する。夢喰いは摂取するものが不明であり―――

ーーーーーーーー



 「種類とかあるんだ。知らなかった。…リア・エイレーンは多分吸血鬼かなぁ。目、赤いし」



ーーーーーーーー

【魔族の危険性】

 魔族に体の一部を摂取されたものは、その量に比例して寿命が縮むことも知られている。これは治癒魔法での回復ができず、その理由は不明である。

 魔族の摂食行為による外傷での死亡者も多数おり、吸血鬼や淫魔に関しては摂食行為による依存性が被害者にあるため、魔族に自分の体を摂取させることは絶対に避け―――

ーーーーーーーー



 「おお、こわ」



ーーーーーーーー

【魔族の見分け方】

 外見は人と変わらないため、人と魔族を見分けるのは非常に困難。ただし、魔力孔が無いため専用の機械や魔法使いによる検査で魔族かどうかの判断が可能。異常な怪力、人間を食べる現場を見るなども重要な判断材料になるため、違和感を感じたらすぐに警察に―――

ーーーーーーーー



 「あ、検査されてバレるってそういうことなんだ。普通の人間と違って魔力孔がないから、それ見分けられるとバレると。……普通に俺も無いけどな。……まさか研究所で俺の扱いが厳重だったのって…これとも関係するのか?」



ーーーーーーーー

―――対策としては、命の危険を感じたらその場から離れ速やかに警察に連絡すること。そして、行政の提供する指名手配アプリの活用をすることが重要である。


【最後に】

 魔族による被害は年々減少傾向にありますが、無くなってはいません。魔族を発見した場合は、決して自ら対処せず、速やかに警察へ通報してください。また、魔族を匿う行為は犯罪となります。

ーーーーーーーー



 「……これで終わりか」


 スマホの電源を落として、少し背伸びをする。


 「リア・エイレーンが言ってたのは、こういうことだったんだ。人を喰う化け物だとか、危険だとかってのは。…それに、確かにこの感じだと警察に行って保護してもらうのは難しそう…」


 …てかあいつ、頑張ってるんだな。こんな逆境の中で、まだ前に進もうとしてる。…心の内は、そうじゃないのかもしれないけど。


 「…父親も…俺に……殺されたのに」


 ………。




 「………あ…そういえば…ボスのところに行かないと」


 今日はボスの下で後処理の勉強をする日だ。


 「…準備するか」


 ◆◆◆◆◆◆


 「ただいま」


 日が赤く染まり始める頃に、勉強を終えて俺は家に帰ってきた。柄にもなく『ただいま』と言ったのは、おそらく帰ってきているリア・エイレーンに、家に入ってきたのが俺であることを知らせるためである。

 もちろん返事はない。そりゃそうだろうなと思いつつリビングに行くと、そこには誰の姿も無かった。


 「…あれ」


 姿ならまだしも、気配さえ感じない。ノックをしてから寝室に入っても、リア・エイレーンはいなかった。


 「まだ帰ってきてないんだ」


 もうじき日が沈む。夜になると治安が悪化するので、それまでには戻ってくるはずだと思うのだが…。


 「心配だな…外探そうかな…。いや、でも…」


 探したら、それはそれで文句言われそうだ。…そもそもどこにいるのかもよくわからないし…日の出てる間は外にも行きたく―――


 「………」


 …でも……そんなの仕方ないか。…俺はすでに、それだけのことをあいつにしてる。ここで探さない方が…なんか駄目だろ。


 「…行くか」

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