↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/3

2

それは中一の冬・・・


時は二月十四日―――


まさにその時歴史は動いた。


何にも気にしてないフリをして、実はドキドキしてる・・・まぁ無いと言えば嘘になるが、世の一般男子より特別関心はなかった。


いや、むしろ


「菓子屋の策謀に踊らされやがってこのばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁかが!!」


ってな感じ。


好きな子何ていなかったし、

「付き合う」っていうのがイマイチ分かってなかった。


テニス部の練習を終え、教室に戻り、当然ながら教室いる女子何かに目もくれず、友達と帰ろうとしていた。


「たんまぁー、ちょっと来てぇ」


チッ、何だよ帰るときになって!!


「ということだ、藤原。ちょっと待っててくれ。」


あーそうですか、よかったどすねー、好きなだけ踊われなすってくださいな。






が、すぐにまた教室から現れた。


不思議な笑みを浮かべて。




「で、どうだったんだ?」


「・・・ニヒヒヒヒ」


何だコイツ。


嬉しいのか?


だから抱きつきたいけど部活後でムサいからとりあえず二本の手で俺の腕を握ってみたのか!?


天使のような口溶けと、悪魔のような甘さ・・・


お前はそんな高級品を賜わったのか!


それなら俺も欲しい!!


それを俺によこせ!!







というのは妄想、目前には今まさに彼に捕えられそうな現実がある。


本能的にそれはかわすもの。


それでも彼は笑いながら迫ってくる。


本能的にそれは逃げるもの。


気が付いたら下駄箱にいた。


が、なぜか彼はやってこない。


実はあいつシャイで恥ずかしがって俺にちょっかい出しただけだったのか・・・?


・・・迎えに行ってやるか。


これがその時。


恐る恐る廊下を逆走し教室が見える位置まで来た時、そのドアは勢い良く開いた。


「皆!アイツを捕まえろ!!」


は?


な、何なんじゃキサマら!!


やっぱり俺か!?


というかこれはヤバイ気がする!!


6、7人が勢い良く向かってくる様は、身の危険を感じるに十分だった。


ということで、今度こそ帰るという意志と共に再び下駄箱まで逆走。



が!


そこには俺の靴を持って走り出ていた見ず知らずの男子約一名!!


あれ、あの人陸上部じゃなかったっけ?


って何で俺の靴を持っていくんだ!


まてぇぇぇぇぇぇぇぃ!!


彼を追い掛けようとしたところ、昇降口脇に潜んでいた別動隊に奇襲をかけられ、校舎裏で御用。


「うるるらぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!離せボケェ!!!」


「いいからいいから!皆コイツを担いで!!」


「いや、良くねぇから逃げてんだろーが!!っていうかそれ俺のカバン!!」


くそっ、おまえら俺を裏切る気か・・・


逃亡したせいか、10人ぐらいに仰向けに担がれ両手足を掴まれた。

完璧な五体不満足。


押しても引いてもびくともしないため、遂に観念・・・




したように見せかけ!!


何を血迷ったか、外から教室に投げ込まれた瞬間に反対側のロッカーに向かって激ダッシュ!!!


はぃ登る!!!


上にある長細い換気用の小さな木枠の窓を擦り抜ける!!!


で、飛び降りる!!!


はぃ、檻からの脱出成功です。


ふぅ・・・


で、いったい俺が何をしたと言うんだ?


手がかりといえば、皆がニマニマしていること。


ん?まさか・・・


でも、思い当たる人物がいない。


確かに女子とも話はするけど、かといって好意を持たれるような行為をした覚えもない。


あれ、教室に誰かいたか?


・・・まぁとりあえず隠れよう。

そうこう考えてるうちに後ろから何ものかが迫っていた。


「・・・・・・」


「・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・なにしてんの?」


長い沈黙の後、担任の一言。


一応説明すると、狭き教師採用試験を潜り抜けた三人中の一人、が声がバリバリオカマ、本人曰くよく間違われるが全然違うようで、野球部監督、色白ポッチャリめがね、チェックにチノパン。


いくら想像力が貧相なあなたでもイメージできるはず。


・・・ってそんなことはどうでもいいんだ。


ちなみに、俺らが卒業したと同時にどっかの島に飛ばされたけど、それもどうでもいいんだ。


「・・・・・・・・・・・・かくれ・・・んぼ?」


「あのさぁー・・・もうすぐ下校時間だからいいところで早く帰ろよ。」


いやいやそれだけかよっ!!


わかってんのかわかってないのか帰っちゃったよ、さすがカマなだけありますな!


ったくこっちも帰りたいのはやまやまなんだっちゅーに。


「ったく、あいつどこ行ったんだよ、まじチョ〜最悪なんだけどー」


おっと、上から女子の声が。


まじチョ〜最悪なのはこっちなんですけど!


そもそも何で俺がこんなこそこそせにゃならん!!


男なら堂々と胸をはって・・・上履きで帰るべし!!


靴とカバンは取られた、しかし奇跡的にバスの定期券だけは手元に残っている。


事情を知るはずも無い周りのオバサマ達に、


「あらまぁ、あの子いじめられてるんじゃないかしら」


と言われても知ったこっちゃ無い!!


もうそんなことどうでもいい、帰えりたいんだ!!


カバンの中の弁当箱が明日異臭を放とうが、そんな事は俺を止める理由にならない!!


が、女神は最初から俺に目など向けてなかった。


「ちょっと、あんたいい加減にしなさいよっ!」


目の前に立ちはだかった女子達は、俺を止めるに十分な威圧感を持っていた。


怖ぇ〜って。


一番前に立ってるのは俺なんかじゃ全く力じゃ歯が立たない、通称番長と呼ばれる女。


「ずっと待ってるんだから早く行ってやんなよって。」


俺は誰かが待っているという事実を今初めて人から聞かされたんですが。


それから誰それとメッチャこっぴどく怒られ・・・


怒らなくても睨み付けてくる方々も結構いたりして・・・


渋々教室へ入らざるを得ないことに。


「・・・・よっ!」


俺は空元気にそう言い放った。


そこには、さっきは確認できなかった一人女子。


教室はシクシクという音声で満たされていた。


うわぁー・・・


その女子、小学校卒業間際に、


「俺、実は清瀬恵と付き合ってるんだ」


と親友に告げられた、その人。


彼が私立にいって会えなくなったから自然消滅でもしたのか?


そして今度は俺か。


いくら清瀬がイベント好きでも・・・なぁ。


いやそして泣くことはないだろ!


「本当に心配したんだよ!あんな高いとこから飛び降りて・・・本当にびっくりして涙とまん無くなっちゃって・・・」


確かに俺は普通じゃ考えられない逃げ方をしたよ(だってドア誰かが押さえてる気がしたんだもん)。


でも女の子ってそんなことで泣くもんなのかなぁ・・・


「・・・でね、小学校の時からずっと気になってました・・・つまらないものですが・・・良かったらこれ貰ってください・・・」


しかも小学校の時からって何かおかしくないですか?


が、そうは思ってもさすがにこういう状況下で貰わないわけにはいかない・・・よな。


「あ・・・・・・・・・・・・わかった」


と、

「ありがとう」と言うつもりが、噛んで無意識にそう発してしまった。


そうさ、俺だって頭真っ白だったわけだ。


考えられない頭は、茶色い小包みを受け取ると、壁に耳を押し当てているであろう皆から逃げる事を優先し、う廊下からではなく外から撤収する方法を導きだした。


カバンと靴はそこあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。