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本に入れる探偵の俺、死者の作品の中で真実を探す  作者: 米。


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(2-4)塗りかえ

「お、きたきた。もっかい叩けば試合終了やろ?ちゃっちゃとやるわ。」

目覚めてすぐだった。俺は起き上がった。

目の前に立ち向かってくる魔物たち。しかし、俺はそんなのを無視して一枚の写真を掲げた。

「なんや・・・。これ。」

魔物は進行を止めた。

「・・・なんでや、なんでや。この写真。伝わってきおる。」


ーーー


「写真撮らせてほしい!?」

佳也子さんは驚き、宗次さんはけげんな顔をした。

「そうです。構図はこの写真通りでお願いします。」

そして、三人で写っている例の写真を見せた。

「な!?こんなん・・・・やめてえな!つらいだけや。」

「お願いします。彼女の心の鍵はきっとここにあります。どうか。彼女のことを思って。」

俺は深く土下座をした。恥なんていらなかった。

「・・・わかった。そこまでされたら断る理由ない。」

「やった・・・。」

「そうや、おうたら伝えてえな。」


誰よりも愛してるって。


それは悲しい写真だった。

真ん中の子供がいなくなり、サイドの両親はキスのポーズをとりながらも涙を流している。それは写真に残しておくべき綺麗で気持ちの良い光景ではなかった。

しかし、真ん中がいなくなった時点でそれはわかっていたことだ。それを迷惑だからという理由で行動した。まさに身勝手な憶測だ。


「感情を閉じた状態が正しい!?違うだろ。両親はお前が感情を表に出したから、離婚をやめたんだ!!!負の感情を表に出されたら煩わしい、そう思ってたらこんな、涙をながしたりはしない!迷惑!?そんなわけないだろ!」

彼女ははっとして、その場に泣き崩れた。

極端で、盲目的で、でも彼女は確かに両親を愛していたんだ。その方向性が違ったのかもしれない。


「わたし、不器用やけどさ。助けられてばっかやけどさ。生きてええんかな。」

「生きるのに資格なんかないだろ。」

「・・・せやな。」

突然、世界が霧がかかったように白い光に包まれた。

「なんだこれ!?」

「これが、私の言ってた秘策。」

「ちょ、種明かししてくれ!」

「いい?まずこの作品はいつ書かれたもの?」

「え?ええっと、自殺前?もしくは直前」

「ピンポン。つまり、この子が死ぬ前。じゃあ、問題です。作品は作者の影響を大きく受けます。じゃあ。作品の中で作者の分身となる登場人物の心が入れ替わったら?」

「この子の死ぬ前の心が変わる・・・。歴史も・・・変わる?」


答えにたどり着いたとき、白い靄は視界全体を埋め尽くした。最後の最後、かすかに柚野の笑顔が見えた気がした。


ーーー


目が覚めたとき、俺とユリは俺の部屋の中にいた。

連絡先を探しても、清水さんの連絡先はない。しかし、あるVTuberが代わりとしてネット世界にいた。とても見知った声だった。

「ああ、、、よかった。」

思わずため息をつく。

「ほんと、元気そう。」

そういってユリはくぎ付けになり画面を眺める。

「しっかし・・・依頼料も消えたか・・・。」

「残念だったね。」

ユリは鼻で笑った。

「くそ、わんちゃん覚えてねえかな・・・。」

「めっちゃ残念そうじゃん。でもムリだよ。あの子が覚えてるわけ」


Prrrrrrr…

見知らぬ電話番号。だれだ?

「もしもし。」

「もしもしー?なあ、コラボ動画撮らん?」

「え?」

それはさっき、動画の中で聞いていた・・・。

「な、なんで覚えて・・・。」

「私の心はあんたたちに塗り替えられてしもてん。生き方も・・・未来も?あはははっ」

「くっそ!うまいこと言ったみたいな反応しやがってっ!そっち行って台本取ってやる!」

「あ、あかん!それだけは、ほんまにあかんからぁ!」

「え?台本取るって・・・もしかして、おじさん!話してる相手って!!!」


その日、ショート動画だったがコラボした。知名度は多少上がった。


ーーー


「奥様!消息不明の息子さんが!こちらの動画に!」

部下である男は縦向きで動画を見せる。ショート動画というやつのようだ。

「・・・たく、あんのバカ娘・・・。一体どこほっつき歩いてんだ・・・。ん?何?これは・・・面白い・・・。」

(奥様が、笑っている・・・?)

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