4-8.家族でピクニックの目的地は戦場でした···
「うわ〜〜〜!!へいたいしゃんがいっぱい〜〜!!」
「···おい、スタイア」
「はい?なんですか?」
「お前はともかく、なんでナログまでついてきたのさ?」
「ナログはこの世界の覇王となる子です。幼い頃から戦場に慣れ親しんでおけば、将来の役に立ちます」
「って、家族でピクニックに来たような感覚で言うなよ!」
「何をバカな事を言ってるんですか?ピクニックですよ?目的地が戦場なだけですが?」
···そう。今オレたちは戦場に来ている。
先日、うちに支援という名のタカリに来たサーボの国が、『物資よこせやぁ!!』って事で国自体が山賊化してうちに攻めてきたんだよ。
もちろん、お帰り願ったさ。しかし、先日オレがノー回答した事を捻じ曲げて『困ってる人を見捨てるなんてひどすぎる!人の心とかないんか!?』って話に勝手になってしまったようだ。
おそらく、あのゾルバってやつが民衆を扇動してそうしたんだろうな。そんな言いがかりをまともに相手にするわけねえだろうが。
オレが王として守るのは王国民であって、外国までは知らん。そんな余裕ねえし。
仲良くしよう!って国と健全なお付き合いは喜んでやるけど、こういったタカリ目的の国はとっととしばくべし!
まぁ、一応説得はしてみましたよ?全軍出撃に時間かかるから、とりあえず先行部隊を出して、そこにオレも加わって向かったんだよ。交渉役はもちろんオレ。
でも、結局は『奪い尽くせーーー!』って言ってましたので、『こりゃ言葉通じんわ』って思ったから、親衛隊の隊長のおっさんに『よろしい。ならば戦争だ』って伝えたら、将軍共々大喜びして戦争を始めました。
今、オレがいるのは戦場が一望できる小高い丘だ。ここに本陣があるんだが、そこにレジャーシートっぽいゴザを敷いてスタイアとナログが戦場での戦闘風景を見ながらお茶していた。
はたから見たらピクニックなんだろうけど···、場所がなぁ〜。戦場なんだよなぁ〜。
これ、相手側からしたら『なめとんのか!?ワレェ!!』って言われそうだよなぁ~。決してナメてはいないぞ?少なくともオレはな。
「ちょこだーー!!いけーーー!がんばえーー!!」
ナログは大はしゃぎだった。まるで戦隊ヒーローショーを見て大興奮している子どもと同じだな。ノーカットで生だけど。
戦場では至る所で爆発したり魔法が飛び交ったりしていた。これ、CGじゃないんだぜ?本物だからな。
音がテレビやイヤホンから聞こえるような音じゃねえからな。爆発の重低音が音圧となって、腹に響き渡るんだよ···。こんなの、元の世界の立川にある某映画館の音響を軽く超えてるわ···。
さて、状況はどうなってんだ?
「おっさん。戦況は?」
「うちが優勢だな。まぁ、うちは守る方だし、やっこさんはクーデターやった直後だろ?信用されてねえのか、指揮命令系統がグチャグチャだから、統一された動きしてやがらねえ。数もうちが多いから勝ち確だな」
「でも、うちも被害出てるだろ?」
「まあな」
「死者は···?」
「今のところねえな。ケガ人はそれなりだがな」
「良かった···」
「まぁ、アイツの戦法はあんな雑兵相手だったら負けねえよ」
今回の大将は元税務署の集金担当をしていた護衛と御者のおっさんペアだ。近衛隊隊長のおっさんと参謀のおっさんに全任せしておいた。プロがいるなら任せたほうがいい。
参謀のおっさんの作戦は『釣り』だ。
要するに軍の一部が前方に出ると、そこに敵軍が集中砲火を浴びせてくる。そして引きつけたら一気に後退して敵軍を自軍へ誘い込むんだ。
そして誘い込んだ敵軍を『U』の字で囲んでタコ殴りするってわけだ。ちなみに敵軍は殺しちゃいない。ってか、剣が錆びてて斬れねえから殴る・蹴る・どつくしかできないんだとさ···。早くなんとかしないとなぁ〜。
たまに戦場では人が宙を舞っていた。それを見るたびにナログは『ほーむりゃんだーーー!!』ってはしゃいでました。
「しかし王さんよ?あのゴツい総務のおばちゃんは何者だよ?何の気まぐれで将軍を兼務させたのかさっぱりだったが···、思いっきり無双してるじゃねえかよ?」
「オレに聞かれても···。マジでターミネ◯ターかもしれんな」
「なんだ?そのタ◯ミネーターって?」
「無双する人の事。武器が通用しねえんだよ」
「マジでその通りだな···。剣で斬られても傷つかねえなんてなぁ〜」
そう、今回はポーストさんまで出撃しちゃったんだ···。『戦争!?どんだけ税金バカ食いすると思ってんだ!!そんなバカな連中はとっとと潰せ!!』って事で激おこぷんぷん丸状態でした···。
誰も逆らえないので、先行部隊で連れて行ったら、たった1人で襲いかかったサーボの先行部隊を蹂躙しちゃいました···。
そして、現在も角材持って大暴れしてます。さっき人が宙に舞ったのは、ポーストさんが角材で敵兵をホームランしちゃったんです···。某大乱闘するゲームみたいにリアルに場外へ吹っ飛ぶんですよ。人ってああも簡単に吹っ飛べるんだなぁ~。
ちなみにポーストさんは鎧着てません。総務で仕事するOLの格好なんですよ···。ちゃんと首元にリボンついてスカート姿です。ちなみに色は赤です。敵兵の返り血じゃないんだよ。気のせいか···、普段から見えている全身のムキムキな筋肉が膨れ上がってるような···?戦闘形態に変身ですか?
さっき言ったように、ポーストさんには刃物がまったく通用してないんです···。服まで斬れてないんですよ···。身体強化魔法使ってないそうだけどな。
ホント、とんでもねえおばちゃんだわ···。本当に人かどうかも怪しくなってきてるぞ···。
そして倒した敵兵はどんどん縛っていった。今は好景気で人手不足なんでな。こっちに引き込んで労働力になってもらうとしよう。
もちろん···、『受け入れ教育』を全員受けてもらう事になるけどな!そのための部隊も本陣の後方に控えている。ちなみにその総大将はヴェロッタだ。この教訓も教育省管轄なんだよなぁ~。
こうして今回の戦争はうちが圧勝だった。サーボの兵士たちは逃げ出したけど、『逃がさん···!お前らだけは···!』という気迫で殲滅戦に変わりました。どっちかというと人狩りに近かったけどな···。
うち、今は人手不足なんで···。
今回はコウくんにとっての初の戦争でした。しかも宣戦布告しちゃいましたね。
まぁ相手に言葉が通じない以上、暴力に出てしまうのは止むを得ません。理性的に話ができなければ、やられるのはこっちですからね。
現実社会では回避しなければなりませんが、ここは異世界でコウくんは王様なのでサクッとやっちゃいました。と言っても武器がボロボロ過ぎて斬れないのでボコるしかできないというのも問題ですが···。
そんな中、大活躍だったのはポーストさんでした!本当に人なんでしょうかね···?作者でもこれについては未だ不明です(笑)。
さて次回予告ですが、捕まえた連中に対して受け入れ教育を施します。···はい。いつものアレですよ。なんでこんなやり方になったのか、作者も困惑してますが、これで丸く収まるならいいんでしょうね(笑)。
それではお楽しみに〜!




