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談話室。
一息ついて落ち着くはずが…初参加メンバーばかりか初期メンバーも含め、ワイワイガヤガヤとテンションが上がりまくっている。そうなるとビビたち3人は益々はしゃぎまくるため、どうにも収拾がつかない…
あぁ、頭が痛い…ソフィアはもはや今日の上映会はこれで終わりでいいのでは…と、思ってしまう。
「異世界とは不思議なものねぇ、お父様」
「オリビア!私に新たな探究心が芽生えたぞ!!これから忙しくなるな!」
「ロベルト様!バルトたちが以前言ってたことは本当でした!!これからは楽しいことに振り回されるって!」
「あぁ、本当だな!ドルト領の為にも沢山学ばねば!ソフィア様が素晴らしい教材を与えてくださったのだ!!」
「ジル様!ジル様!やはり私たちの女神は格が違いますね!!どうしてこんなにも素晴らしい事が次々とやってくるのでしょう!」
「ルイよ…私は以前から薄々感じていたのだ。我らが女神は世界の頂点に立つお方なのだろうと!」
「なるほど、ジル様!間違いありません!!」
「アレン!俺は今、体中にやる気が漲っている!!我ら王国騎士団は更なる高みへと突き進んで行くのだ!!!」
「はい!団長!!勿論お供致します!!!」
「「おーーーっ!!」」
「頭領よ…我らは素晴らしい時代にルルヴィーシュ公爵家に仕えられたものだな」
…コク
「これからも互いに協力し、誠心誠意ルルヴィーシュ公爵家にお仕えしよう。そして、この大いなる栄誉に確と報いなければな!」
…コク、コク
頭領が声を発することはなかったが、唯一見える眼差しには熱い決意が込められていた。
熱い…、皆んなのやる気が熱すぎる……
その後の上映会も大盛り上がり。皆んなの見たい物が多すぎて、ソフィアは悩みまくった結果…ソフィア流、修学旅行…という結論に至った。
(宿泊なしで、駆け足なのは許してほしい)
新幹線やバス、地下鉄に乗って、あちこち見物しながら回る。そして水族館や動物園、歴史的建造物に立ち寄り、おまけに夢の国まで付けてあげた。
途中に曲技飛行隊まで見れるという特別コース。
現実的には有り得ない程の贅沢旅行。
最初は理解が及ばないかのようにポカンとした表情だった皆も、慣れてくるとなにやらメモを取りながら声を上げて喜んでいた。
ビビたちは終始キャッキャと騒いでいた…
とりあえず、今日は終わりね…
ふぅぅぅっ、疲れた…
翌日。
疲労を回復すべく、私室でのんびりしていたソフィアだったが、御礼の手紙と称した熱い気持ちのこもったレポートのような物が次々届いた。
魔法省、騎士団、フランシル公爵、ロベルト様からも…
分厚い、こんな分厚い御礼の手紙とは如何なものか…
いったい何時書いたのかしら?
昨日の夜?今朝早く?……もしかして、寝てない!?…寝てないんだ、絶対。
そうだ!!まぁ、あれだけ興奮していれば、そういうことだろう。
『ねぇ、ソフィア~。この国にもテーマパーク創ろうよ~』
「えっ!?テーマパーク?何の?」
この世界にテーマパークに相応しいものって、何かあったかしら?
ステラをちらっと見てみるが、首を横に振っていて分からない様子だ。
『あっ、僕も思ってたー!絶対、人気になるもんねー!』
『まぁ、当然よね~』
??そんなに有名なもの?何かしら?きっと私も知ってるはずよね…う~ん、おとぎ話の何か、とか?
「ごめんね、何のテーマか思いつかないわ」
『えっ、ほんとに分からないの~?』
『ソフィア~、大丈夫~?』
「うん、分からないわ、教えて?」
『もう、仕方ないな~、じゃあ、教えてあげる~!せーのっ!!』
『『『創生の魔法を使う者と創生の魔法を使う者を守護する者のテーマパーク!!!』』』
ながっ!そして、びっくり!
なぜ自分たちのテーマパークを創ろうとするのか…しかも、人気になると自信ありげに…
まだ、お披露目もしていないのに…
「……そ、それは創らなくてもいいんじゃないかしら…」
『どうして~?人気行楽地、間違いなしだよ~?』
「私たちのこと知ってる人はそんなにいないし…、…」
『お披露目会が終われば、直ぐに知れ渡るよ~』
『そうだよ~!』
「…じゃあ、ビビたちだけでいいんじゃないかしら?マスコットキャラクターとしてピッタリだし、みんな可愛いし、ねっ?守護者ランドとか、守護者パークなんて、短くて言いやすいし良さそうじゃない?」
『『『ダメ!!!ソフィアも一緒にっ!!!』』』
『お城のお姫様はソフィアなの!』
『素敵なお城があるんだから!』
『ソフィア城でしょ!』
あ~っ、上映会で観せたからだ……絶対だっ、…もうイメージしちゃってるのね…
「シロのおしろわ~っ?」
『『『!!!っ……、……』』』
「シロのおしろもありましゅかぁ~?」
……、……
「…この話はお披露目会が終わってからでいいんじゃないかしら、ねぇ、ビビ?」
『ぅ、うんっ、ちょっと気が早かったかもね~』
『そうだね~、僕もゆっくりでいい気がしてきた~』
『うふふっ、ほんとそうだね~』
あはははははっ…うふふふふふっ…
シロが不思議そうにする中、この話は有耶無耶になった。
「ありがとう、シロ!」
心の中で呟きながら、ぎゅっとシロを抱きしめるソフィアだった。
「あなたっ!アルベルトとソフィアのテーマパークってどうかしら?」
「エリー!!それは、素晴らしいな!」
「テーマパークの中心に素敵なお城を建てて、2人のお城にするの!そうねぇ~、ビビたちも住人って設定がいいわね!可愛いぬいぐるみも作って!」
「それはまた愛らしい城になるなぁ」
「そうでしょ?あぁ、もちろんシロも一緒でなくてはね!これは絶対爆発的人気になるわぁ~」
「しかしエドモンドにも城をやりたいな…」
「そうねぇ…エドモンドにもお城を建ててあげないと可哀想だわ……、でもそうなると、……テーマパーク?んっ?」
……、……。
同じくこの夜、
王城でもテーマパークについて不毛な会話が交わされていたのだった。




