ChatGPT版「ソラを喰らうもの」
それは一匹の、小さな小さな生物だった。
顕微鏡越しにしか存在を確認できないほどの、
アメーバに似た突然変異体。
取り込んだ物質を消化する過程で性質を変え、
変えた分だけ、わずかに大きくなる。
その異常が問題として認識されたのは、
一つの島が、地図から消えた後だった。
人類はそれを島喰と呼んだ。
爆撃は効かなかった。
熱も、毒も、放射線も。
抵抗のために加えられたすべての攻撃が、
島喰にとっては「摂食」だった。
より硬く、より速く、より凶悪に。
島喰は抵抗を学習し、文明を消化した。
国が失われ、大陸が崩れ、
やがて人類は気づく。
これはもはや島ではない、と。
名は更新され、星喰となった。
星を覆い尽くす影の中で、
人類は敗北を理解した。
逃げ延びたわずかな者たちは、
宇宙へと散り、新天地に辿り着いた。
そこでは、夜空を見上げることが禁忌とされた。
見上げれば、思い出してしまうからだ。
喰われた空を。
──だが、一人の科学者だけが、空を見続けていた。
彼は復讐を望んだ。
だが武器では足りないことを、
誰よりも理解していた。
ならば、と彼は考えた。
同じものを創るしかない。
星喰は星喰でしか止められない。
同程度まで育て上げれば、
互いを喰らい合い、消滅するはずだと。
それは理論であり、
信仰であり、
希望という名の賭けだった。
科学者は宇宙船を奪い、
誰もいない星へ向かった。
自らの身体に宿した、新種の種と共に。
孵化は成功した。
爆発的な成長。
あまりにも、あっけないほどに。
第二の星喰は、
母星を離れ、宇宙へと放たれた。
その日、人類は二度目の過ちを犯した。
今、宇宙には二つの飢えが存在する。
互いを知らず、
互いを求めるように、
重力すら歪めながら彷徨っている。
それが衝突なのか、
融合なのか、
あるいは新たな誕生なのかを、
知る者はいない。
人々は今日も、夜空を見上げる。
二つの終焉が相殺し合う未来を夢見て。
だがソラの彼方では、
より大きな何かが、
静かに、確実に育っていた。
それを、人はこう呼ぶ。
――ソラを喰らうもの。




