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神様が創りし地〜勇者パーティーの回復魔法師、転生しても回復魔法を極める!〜  作者: 立花 黒
僕はアルカナ=モードレッド

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145/145

第145話、アルカナ戸惑う

 ◆ ◆ ◆



 青白い光を放つお姉さん達に連れられて、私達は館の外へと出ます。そして沢山ある馬車に分散する形で乗せられた私達は、不安で押し潰されそうになります。

 だって捕まったら、酷い目にあわされるかも知れないから。でもあのまま檻の中にいても、きっと誰も助けてくれなかったはず。だから私の判断は間違っていない。そう、生きてお父さんとお母さんに会うんだ。

 そこで顔を上げると、身なりの良いダークエルフのお兄さんが対面に座っている事に気が付きます。

 この人も私達の命の恩人。


「あの、これから私達、どうなるのですか? 」


 するとお兄さんが優しく微笑んでくれます。


「近くのホテルの一室に、転送の魔法陣を設置しています。そこから安全な所へジャンプして別動隊と合流する予定なんだけど、そこまで行けばもう心配する事はないからあと少し、頑張って」


「はい! 」


 それから馬車に揺られていたかと思っているとすぐに馬車が止まり、外に出ると目の前には五階建ての豪華な宿泊施設が。それから足早にその建物の中に入ると、階段を登って二階の一室に。

 その部屋はお兄さんがさっき言っていたように、床一面に大きな魔法陣が描かれていました。そしてみんなが揃うと、転送陣が強い光で輝き出します。

 そうして光が収束していくと、月明かりに照らされる見知らぬ草原の上に私達はいました。見回せば武器を所持した多くの亜人の大人達と、私達と同じくらいの歳の少年達。そして数台の荷馬車が用意されていました。

 そこであのダークエルフのお兄さんが足元の魔法陣を消した後、一歩前に歩み出ます。


「皆さん、ここはテイユン郊外です。早速ですが、ここから一気にトウセイまで陸路で移動します。それと姉さん達、ありがとうございました」


 するとお兄さんの影の中に青白いお姉さん達が飛び込んでいき、お兄さんを中心に広がっていた色褪せた世界が収縮していき完全に無くなりました。


 もう、大丈夫なんだ。

 それから荷馬車に揺られる事数時間、突然対面に座る魔道士風の格好の小柄なエルフさんがその場に立ち上がりました。



 ◆ ◆ ◆



 ぬぬっ、念のため常時展開していた周辺探索(サーチ)に反応が。しかもその方向は上空なのじゃ。もしかして追っ手か!?


「レガストさんよ、もしかして敵かの? 」


「確認するのじゃ」


 相棒のオールドを引き連れ御者台に移動すると、夜空を見上げる。すると星が煌めく中、追随するように飛ぶそやつを見つける。あれは、人なのか?

 そう、見上げる先にいるそやつの背中には、七色に移りゆく羽が生えていた。またそやつは疾走する荷馬車を瞬時に追い越すと、こちらを見下ろす形でキラキラと輝くまるで蝶の鱗粉のような物をこちらに向かってばら撒き始める。

 あれは攻撃!


「皆の衆、光を吸い込むでないぞ! 」


 しかし口と鼻に袖を持って来ても完全に遮断する事は難しく、微量でも吸い込んだ者達が咳き込み始める。そして咳は次第に血が混じり始め、最終的には吐血してしまう。

 これは毒、強力な毒なのじゃ。

 そこで声がした。


全方位回復(オールヒール)からの、全方位聖魔法防御(プロテクションオール)


 声がした方を見れば、別の荷馬車の御者台で青白く発光する長杖を掲げる、ダークエルフの少年であるアルドの息子がいた。たしか名はアルカナと言ったか。

 そしてアルカナは蝶男を見上げていたかと思ったら、呪文の詠唱の後背中に白銀色で氷のような質感の翼を生やしその場から飛び立つ。

 そこで絡み合うように夜空を駆ける二人によって、繰り広げられる空中戦。

 蝶男が鱗粉をばら撒きながら鋭い細剣(レイピア)での突き攻撃をしてくるが、アルカナはそれを躱して近距離から炎、雷、そして氷魔法を連発していく。


「……綺麗」


 その戦いを見た子供達の内の誰かが言ったのじゃが、確かに夜空に散らばる魔法やばら撒かれ続ける七色の鱗粉は見るものを魅了する美しさがあった。しかし何事にも終わりはあるものでの——アルカナが刹那の速度で長杖から連射した極太の雷魔法の一つの直撃を受けた蝶男が、まるで時間が停止したかのように動きを止めたあと地面へと引かれていく。そして落下する蝶男の手を取ったアルカナが、幻影思考の魔法を放ちこの戦いを終いにしたのじゃ。



 ◆ ◆ ◆



 戦闘に入ると言う報告を後に、ルイーゼからの通信が途絶えた。これはやられたと見るべきだろうか?


 ルイーゼの闘気、『自由への扉(フリーダムドア)』は集団殺戮に適した広範囲に即効性と致死性を併せ持つ毒をばら撒く能力。例え上級回復魔法(エクストラヒール)が使えたとしても、進行を遅らせる事しか出来ず最終的には積みになる。勿論唯一の生存の可能性であるルイーゼの血液を飲む事なんて出来るはずもないから、解毒も不可能。つまり倒されていたとしても、相手もただではすんでいないだろう。

 そして我等人体とモンスターの融合に成功した、人魔一体の適合者の中で最速で移動出来る者でこの場にいたのはルイーゼだけであった。

 ……逃げられたか。


 また報告によればオークション会場から連れ去られたのはニコライと言う名の男と売りに出された奴隷達。そして同じくニコライの邸宅にいた、これまた奴隷達が連れ去られている。

 逃走を許せば仮にも警備に片足を突っ込んでいた同胞の誇りを汚された事になるだろうが、命令が無ければ動けないからな。かく言う俺様も、そもそも無駄な行動はしない主義だし。報復するか否か、最初から俺様の天秤にかける必要すらないと言う事だ。


 それと少年とは言え、今回ダークエルフの王族が関わっているらしいから、これは政治の問題になるだろう。しかしハルシオンを突いたら、同盟国であるディバイナーとドルスタも黙っていないだろうし。

 結局は戦争をするかしないかは、(うえ)の判断待ちと言う事だ。

 くくくくっ。ただし我が国は客観的に見て、俺様達適合者を秘密裏に増産している事から、近いうちにドンパチ始める機会を伺っているように感じられるがな。



 ◆ ◆ ◆



 徹夜で荷馬車を走らせレイジン国内から脱出した僕達は、無事商業国家連盟トウセイへ入国します。そして国際治安維持隊のメンバーの方達へ、容疑者と子供達の引き渡しを行なうのですけど——


「アルカナー」


 迎えに来てくれていたルージュ姉さん達『天の裁き』の四人に囲まれて、頭をガシガシと撫でられ揉みくちゃにされます。そしてみんなで一緒に我が家へ向け出発するのですけど、何故か一緒にコーネリアスさんとスーザさんも同行する事になっていました。


 それから数日かけて僕達を乗せた荷馬車が家に到着すると、家族総出で出迎えてくれました。

 そしてアルド父さんとリーヴェ母さんとなにやら話し込んでいたコーネリアスさん達は、僕に『また会いに来ます』とだけ伝えて家を後にしました。

 そうしてそのさらに一ヶ月後、亜人国家ハルシオンのダークエルフ族の里に招かれた僕達家族全員は、里中の人々から盛大にもてなされます。そしてそこでリーヴェ母さんの出生の秘密を聞かされ唖然とする僕は、ダークエルフ族の王族として様々な問題に立ち向かう事になるのですけど、……それはまた別の物語であります。


 〜FIN〜

皆さん、ここまで読んで下さり本当にありがとうございました&お疲れ様です!


ファンタジー好きな私が書いたファンタジー成分を詰め込みまくった今作、皆さんのお口にあったでしょうか?


また疑問点やこうしたほうが面白くなるのではと言った感想があれば、出来るだけ取り入れたいと思っていますので、その時は優しく教えて頂ければと思います♪♪


それと話が変わりますが、アルド達や私の他作品のキャラ達が出るクロスオーバー作品を完結まで作り上げようかなと考えています。

そこで執筆のモチベーションになりますので、今作が少しでも面白かったと思われた方は、ブクマと評価とレビュー、それとクロスオーバー作品にこのキャラを出して欲しいなどなんでもよいので感想を頂ければと思いますデス♪♪

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