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王都で屋敷を手に入れる

「ご主人様~、お尻を枕にしないで下さいよ~」


 情けない声で目を醒ますと、視界いっぱいにプニプニやわらかい純白の布が有った。

 どうやらユリアのお尻を枕にして顔を(うず)めていた様だ。実に幸せな感触である。


 ベッドがでかいので、寝相が悪くても落っこちない。取り敢えずお尻を揉みながら、顔をスリスリする。


「くすぐったいです。……恥ずかしいし」

「気にするな。俺は最高だ!」


 暫くユリアのお尻の感触を堪能して、昨夜の汗を流す為に風呂に入った。


「お早うユリア、今日も可愛いな」

「ンンッ…………、ふあっ、おはようございます!」


 朝の挨拶と口付けを交わして抱き締め合う。

 30分程キスを繰り返して、朝食を食べる。歯磨きをしてからまたキスをして、家を探しに出掛けた。



 取り敢えず市庁舎で不動産屋を訊ねたら、何軒か教えて貰う事が出来たので、早速向かってみる。

 予算は金剛貨5枚までにする。日本と違って土地が驚く程安いので、かなりの豪邸を買えるだろう。

 なにしろ、地球より人口が少ないだろうから、土地が腐る程有り余ってるのでタダ同然だ。

 山菜や鉱物資源が採れるなら兎も角、建物を建てる様な土地は資産価値が軒並み低いのだ。


 4軒の不動産屋をまわって候補を絞る。没落貴族の屋敷が1軒と老齢で亡くなった資産家の屋敷、そして他国の王族の別荘だった屋敷だ。


 他国の王族の別荘は、権力争いに敗れ、処刑された王族の屋敷が売りに出されたらしい。

 微妙に不吉なので、でかい割りにどれも意外に安い。俺は縁起は気にしないので安くて大きいので問題ない。


 現物を見てみたら、王族の屋敷が良い感じだった。王族が買った物なんだから当たり前だが。

 欠陥住宅を王族に売り付ける馬鹿は居ないだろうし、築年数も10年未満で部屋数も多い。


「このお家は大き過ぎますよ~、お掃除が大変です。ユリア1人じゃ無理だと思います」


 ユリアは家事を張りきってやる積もりらしい。


「使用人を雇うから大丈夫だぞ?だいたいユリアは人間の料理は得意ではないだろう?」

「使用人さんを雇うのですか?ユリアはご主人様と2人きりが良かったです」

「生活するだけなら2人でも良いけど、冒険に出掛けるから長期間留守になるし、管理人や警備が必要だ」


 それでも渋るユリアに、寝室は同じ部屋にすれば良いと説得すると、納得したのか屋敷の散策を始めた。


 門は馬車が楽々2台並んで通れるくらいの大きさで、サッカーが出来そうな広い裏庭付きだ。

 前庭には門からの道の左右に噴水が有り、綺麗なバラが咲き誇ってユリアの頬を染めている。


 重厚な木の扉を開けて屋敷の中に入ると、一般家庭の部屋より大きな玄関が俺達を迎える。


 30人は楽々入りそうな食堂、大量の料理を作れそうなキッチンは、様々なマジックアイテムが取り付けて有る。

 地下に冷凍室の様な部屋が存在するらしく、魔法結晶を起動させれば直ぐに使える。

 水回りもマジックアイテムが備えて有り、水汲みなどは必要ないそうだ。下水道も完備している。

 スイッチ1つで火が出るマジックアイテムが有るので、薪も要らない。

 人が入れそうな大きさのオーブンはピザパーティーに使えそうである。


 部屋数は40畳くらいのリビングが、1階と2階に1つずつ、寝室に使えそうな12畳程の部屋が30部屋、3階には王族の寝室らしき30畳程の部屋が1つ。

 3階の他の部屋はゲストルームなのか、他より少し大きい20畳程の部屋が10部屋有る。トイレも各部屋に有る。


 1階の奥には15人は寝転がれそうな大浴場が有り、マジックアイテムで湯を張れる。

 シャワーらしき物も壁に取り付けられていたので、直ぐに身体を洗いたい時には便利だ。


 これで値段が、金剛貨3枚と大金貨5枚は安いと思う。一般庶民の家は5~8畳の部屋が3つか4つ、風呂が無い家も珍しく無いのだ。


「如何でしょうか?売りに出されたのも最近ですから、リフォームも必要御座いませんし、家具付きですので掃除をするだけで直ぐにお住まいになれます」


 案内役の不動産屋職員の説明を聞いて腹を決める。


「俺は気に入ったがユリアはどうだ?」


 豪邸が珍しくてキョロキョロしているユリアと相談する。夫婦じゃないが、高い買い物を奥さんに相談せず買うと喧嘩に発展してしまうらしい。


「立派なお家です!ご主人様との新居になるのですか?」

「そうだ。値段も手頃だし、部屋も気に入ったしな」


 ユリアも異存は無いらしいので、この屋敷を買う事にした。不動産屋に戻り、金を払って契約を交わす。

 権利書と鍵を受け取り、不動産屋を出て中心街の鍵屋に行って魔法の鍵を買う。

 買った鍵を取り付ければ防犯力が上がって多少は安心だ。不動産屋を信じてない訳じゃないが、暗殺稼業をしていると用心深くなってしまうな。


 あとは、雇う人間だが、信用の無い奴じゃ困る。屋敷の警備は奴隷の女の子を5人くらい買うかな?

 ユリアが居るから男は駄目だ。メイドはその辺の孤児の女の子を雇って、家事を任せれば良い。

 奴隷の女戦士が居れば悪さは出来ないだろう。それにアイスクリームを作って売る料理の得意な奴隷と、商売の出来る商人の娘とかが奴隷に居るはずだから買おう。


 広い屋敷だし、警備が5人じゃ厳しいだろうから、警報が鳴るマジックアイテムを買うか。

 買う物は、警報のマジックアイテムと奴隷達の服や武器。使用人のメイド服とか。

 必要な奴隷は、女戦士5人、料理人3人、商人の娘2人に孤児や浮浪者を15人くらいか?

 それくらいなら、全員に個室を与えられるな。明日にでも奴隷商の所に行ってこよう。


 孤児や浮浪者は困ってる美少女から優先で雇う事にする。年齢は若い子から順番に。

 なるべく自分で生きる力の無い人を助けよう。さすがに全ては無理だし。


 掃除をしてくれる人を集めてこないとなぁ。明日には宿を出たいから今日中に集めないと。

 昼飯を食ったら冒険者ギルドに依頼を出してみよう。依頼料を少し弾めば新人冒険者が請けると思う。


「ユリア、昼飯は何が食べたい?」


 俺は基本的に不味くなければ好き嫌いは無い。ゲテモノは無理だけどな。


「クンクン…………あの美味しそうな匂いがいいです!」


 ユリアが指差したのは屋台の焼き鳥の様だ。赤く熱された炭の熱に炙られたタレの付いた鶏肉が、ジュウジュウ音を立てて脂を垂らしている。


「よし、旨そうだしあれを食べるか!」

「ありがとうございます!奴隷として捕まった時から、ずーっと気になってたんです」


 捕まった時が初めて人間の街に来たらしいしな。


 一口大で食べられる鶏肉が5つ付いた串を10本ずつ買った。2本で小銅貨1枚と非常に安い。

 かじると軟らかい肉から肉汁が溢れ出す。プリプリとした肉の弾力と混じって旨い。

 塩はさっぱりとして女の子に受けそうだ。タレは芳醇な香りが口から抜けて鼻腔に広がる。


「あむっ、……美味しいですね~、人間さんは拘りますね!」


 小さな口を一生懸命もぐもぐしているユリアは可愛いので、挨拶替わりにお尻を撫でる。

 焼き鳥は良い!片手が使えるからお尻が撫でられるので、俺の手が寂しくない。


「兄ちゃん!麦酒はどうだ?焼き鳥に合うぞ」


 焼き鳥屋のオッサンが酒を薦めて来た。この世界では13才で成人扱いなので問題ないが……。


「…………オッサン、悪いけどビールだけは呑みたくねぇ」

「麦酒は嫌いか?」

「ああ……ビールだけは大嫌いだ」


 バカ親父の様にはなりたくない。奴は安いビールを呑んでは酔っぱらうと、まだ小さな子供の俺を殴りやがった。

 大人になってからは俺のバイト代は、奴の酒代に消えた。俺は絶対に安酒は呑まん。


「ご主人様、ユリアが飲み物を買ってきます!」


 変な空気を感じたのか、ユリアが近くのジュースの屋台に飲み物を買いに行った。

 ユリアに気と小遣いを使わせてしまった。俺もまだまだ良い男には遠いな。


「ご主人様~、買ってきました!ご主人様の大好きなメロンジュースです!」

「あ、ああ、ありがとう、ユリア」


 俺は小学生か?いつ俺がメロンジュースが大好きなんて言ったんだろうな?……好きだけどさ。


 ユリアと2人で飲みながらイチャイチャしていると、バカが絡んで来たのでレベルを奪って、股間クラッシュを喰らわせる。

 布教活動は積極的にやらないとなぁ?俺の大事なものに手を出すと火傷じゃ済まないって。


 食事を終えて冒険者ギルドに依頼を出しに行ったら、直ぐにルーキーの女の子チームが請けた。

 屋敷に連れて行ったら、目の色を変えて俺に迫って来たが、ユリアのブロックは鉄壁だ。

 バスケ漫画の某ゴリラさんも真っ青になりそうな、見事なブロックだった。

 焼きもちなんて可愛いなと思っていたら、ご主人様を愛してない女の子は駄目です!と言われた。愛が沁みる。


 夜まで掛かってやっと終った。女の子チームに、1人中銀貨1枚ずつ払って宿に帰った。

 明日からは、自分の屋敷での生活環境を整える作業を本格的に開始することになる。

 美少女がいっぱい来ると良いけど、ユリアがとびきりの美少女なので、妥協することも考えよう。



 夕飯を食べたら、お待ちかねのお風呂だ!!ユリアの白くて綺麗な肌の感触を存分に楽しもう。

 早く自分の屋敷の大浴場でユリアとイチャイチャしたい。小さな胸を撫でて悶えさせたら、おねだりするまで責め立てた。


 風呂場なので色々なプレイが出来る。広い大浴場なら更に夢が広がるな!

 その夜、お互いにテンションが上がって、朝まで休むことなく愛し合い、ユリアが気絶して漸く眠りに就いた。

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