第20話 襲撃(完結)
人間の世界でもそうだが、魔族の世界にも非合法組織は存在する。むしろ魔族の方に存在してないとおかしいともいえるだろう。
どの魔王にも、国にも支配されず、表は一般魔族のふりをして裏では・・・、そんな連中がごろごろしている組織があった。
テロ、暗殺、策謀・・・乱あるところにこの組織有り、魔族の中では超非合法組織【暗黒の会】と呼ばれる組織があった。
そんな暗黒の会の某所にある本部の会議室に二人の魔族がいた。
『待っていたぞ。さっそくだがナンバー14、【流星の妖狐】よ。そなたに指令を出す。この指令は会長の指名である。』
『はは、なんなりと。』
『我らの同胞、ナンバー4の【孤高の幻術士】が指揮する工作員たちが今バルカド城下町の拠点にいる。お前はバルカドに行って、【孤高の幻術士】と合流しミッションをこなしてもらう。』
『はは、かしこまりました。・・・で、司令官殿。ミッションは?』
『詳しくは分からんが暴れてもらうことになるだろう。【孤高の幻術士】が今回の作戦の現場指揮官になるので現場での行動は現場指揮官の元で動けばよい。・・・ではさっそくだが向かってもらう。バルカドへはジャミラ領から言ってもらう。これが通行手形だ。あと必要なものは調達部から支給してもらうように、以上だ。では行くがよい。』
『ははっ!』
月に一度、自宅に帰ってはまたバルカドに向かい活動する日々。
そんな日々が半年ほど過ぎたある日、事件が起きた。
どうやらバルカド城下町が何者かに襲撃を受けたようだ。
それも結構な数の襲撃者がいるらしく暫く抗戦が続いた。
城下町にいた同胞たちは城下町の安全なところに避難したようなので俺たちは拠点で静観することにした。
城下町が小康状態になったように見えたので俺が同胞たちを迎えに行く事にした。
拠点からは陸路で迎えに行く事にした。
空は謎の魔物たちが跋扈していたため危険と判断したため。
隠れるようにして入り組んだ道を進むこと数刻、間もなく城下町を視界にとらえようかというときに横方向から斬撃が飛んできた。
「…、おい、危ないだろうが、何者だ!?」
「その声は…久しぶりね。ウノー。」
「え?オスカル先輩?何故ここに?」
「何故って・・・。まぁいいわ。ごめんだけどタヒんでくれない?」
「え?」
その台詞と共に細剣による刺突の嵐がウノーを襲った。
急所を避けながらも数発喰らい、後ずさりして回避した。
「ぐぐぐ…。」
「ふーん、心臓を貫いたと思たんだけどな。さすがね。…でも体が痺れるでしょ?私の細剣には痺れ薬塗っているのよ。あと、あなたに当たった箇所はいわゆる経絡で、貫かれると体が上手く動かせなくなるのよ。知ってると思うけど高速に動く的でも経絡をつく技量は私にあるのよ?…そろそろ立ち上がるのも苦しくなってきたころかな?ん?そんな苦しそうな顔しちゃって…ふふ、大丈夫、楽にしてあげるから。」
「…うぅ。」
「では、さようなら。…おっと、危ない。横から炎とは。あなたの仲間かしら?…メタリックな竜ね。私たち先輩後輩の戦いを邪魔する悪い竜から退治しよっか。」
「ぅ、や、やめろ。逃げろ、メタドラ。」
ウノーを横目にメタドラとオスカルとの戦いが始まった。
メタドラは地上戦を余儀なくされていたので圧倒的不利のままオスカルの刺突の前になすすべなく滅多打ちにあった。
「そんなに強くはなかったけど結構打たれ強いね。でももう動けないでしょ?これでトドメ差してあげるね。」
そしてトドメの一撃を繰り出そうとするオスカルに向けて発砲。
オスカルは細剣で銃弾を両断、打ち払った。
「あれ、もう痺れの効果が切れたの?少しは強くなったのね?じゃぁ少し遊んであげるね。」
そうしてオスカルとの戦いが再開した。
オスカルの刺突には散弾で対抗。接近戦になれば刺突を銃杖でさばきつつバックステップで距離をとり散弾。しばらくは膠着状態となったが痺れから回復したメタドラの炎がオスカルに被弾した。
「あっついわね。もう復活したの?さすがは竜ってところかな?…しかし、結構粘ったね。私の刺突も正確に出せないくらい、か。数発当てても痺れの効果も低いか。…それに相方の竜も動けるようになってきたか。これはまずいか。…仕方ない。ねぇ。実は私にも相方はいるのよ?私一人で片づけるつもりだったからあそこで見てもらってたのだけどさすがに私の手に余るみたいだし、協力してもらうわ。」
「なんだと?…あ。あなたは、は、はね仙人!」
「久しぶりじゃの、ウノー。」
「ど、どうして?」
「ふむ、まぁお主に教えても良いが知ったところでどうしようもあるまい。残念だがここでタヒのでもらおうか。」
その後、ウノーを姿を見た者はいなくなった。
以上で完結しました。
今までありがとうございました。




