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原料まつりじゃぁ

バナナもどきの実を6個つめたらトートーバックが一杯になった、もう一つのバックは糸の原料運びに使うので使えない。

「数日分の食料を確保できたし、こんなところにしておこうっと」


バナナもどきの実のバックを置いて、糸の原料を取りに向かう。


予想した崖の近くで探しているとそれらしき木を見つけた。

「これかな、枝が3つに別れているからミツマタってヤツっしょ? ◯テレでみたし 完璧なワタシ YO!YO! YO!HEY BRO!」

調子に乗って枝を摘んで揺らす。

『あ、すみません、何か御用でしょうか』と丁寧ながら戸惑うような感じの光の粒が…。

「…あ、あ、こちらこそスミマセン…人違いならぬ植物違いデス…」(さっきまでドヤっていたワタシを殴りたいYO!)


ということで、どの木かわからないので根っこ通信(でんぐり返しポーズ)する。


「あっそちら様でしたか」

枝が栗のイガみたいに真っ直ぐにつんつん伸びていて先の方に小さな葉が円盤状に並んで広がっている見慣れない樹形の木でした。


『生やしすぎたっす』


どうやら隣の兄弟と競り合って枝が密集してしまった感じ。


『僕ら合体するんで枝減らすっす』

「なるほど植物アルアル?なのかな…では頂戴します…」


「ん!ぎゅっ…ぐぉぉぉっエクスカリバーっ、て抜けん、切れん、折れん、終った!」

『主ぃなんかできるかも』

悄然としていたらアラクネが枝の根元に音もなく近づき前肢を交差するように振る。

「ザンッッッ」と音がして枝が倒れた。


『主ぃ切れたよー』

「(…あ、あいつヤベーよ、引くわーっじゃなくて)わースゴイでちゅねー次はこの枝かな、あは、あははは(汗)」


「ザンッッッ」

「おぉ…」

「斬ッッッ」

「おほっ…」

「ズ蛮バ蛮ッッ」

「ぅぇぇぇええっっちょちょっ!」

「怒轟轟ッッッ」

「?!ちょ!ちょ!スト、ストップ、ストーーーーーップ!」

アラクネが止まって振り向く。

「ヒッィィィ!」

本体から殺気が漏れ出していてビビる。


『主ぃどうしたの?』

「…あ、ありがと、全部刈っちゃうと、木さんもこまっちゃうからねーからねー…」


『兄弟で支え合って生きてください…ご多幸をお祈りいたします』

ちょっと多めにチョロ水を撒いて謝っておく。


さて、この大量の枝をどうしたものか…というかどうやって糸にするんだろう?


「確か和紙とかだと皮の下の白い繊維だけ取り出すんだよね、◯テレで樽を被せて蒸してたけど、今のワタシじゃ無理そうだし」

取り敢えず葉っぱだけでも毟ろうとしたら、つつつーーーーーぅっと枝の皮まで繋がって剥けた。

「再びバナナシステム発動!」

葉っぱの付いた小枝を引っ張って皮をバンバン剥いていく。

「なんか楽しい」

アラクネが皮から葉っぱの部分を切り離し、束にすると糸で留めて、トートーバックに丸めて放り込んでいく。

『君って有能過ぎなくない、拙い主でゴメンね』

『主ぃは気にし過ぎ』


思ったより早く皮が手に入ったのでバナナもどきの実を途中でピックアップして竈を作った河原に向かう。


バナナもどきの処理から始める、アラクネという助手がいるので捗る。


「ウォーターボール」

出来た水玉にアラクネが酸っぱい実を投入、自分が片手に持ったバナナもどきの実の先っぽをアラクネがスパッと切断。

ラテックスをドバドバと3個分投入。

新しく水玉を出して酸っぱい液を作って子房の部分の苦みを取る。

これを2回繰り返すと6個の実の処理が終った。


生ゴムを練って平たく伸ばす。

子房の部分をウロに吊るして綿毛菌に任せる。

「あぁそういえば水飴を受ける皿がないんだった」

河原に戻って集めてあった平たい流木をどうにかできないものかと悩みつつ、竈に火を入れる。


火で炙って焦げたところを石で削って見る。

「これは中々に時間がかかりそう…縄文人にまで達していない文化レベルだわ…土器を作る?いやいや粘土探すのも掘るのもきついし多分ないし、焼いても生焼けだろうし」

『主ぃ虫に食べさせよっか』

「そんなことできるの?」

先程の殺気のこもった目に一瞬変わると一言。

『脅す』


「あっはい、脅しちゃうんですね」

『食べないで上げるので当たり前』

「そうですか、そうですね、お命だけはーお代官様ーってところね」


ということでアラクネがキクイムシを大量に丸めてひっ捕らえてきたのは20分後。

あ、コイツは駆除して回っていたやつじゃん、まだ隠れていたのかぁ…そか、ワタシってば、既に交渉の余地なくぶっ◯しまくっていましたわ、あはははは…はぁ。


ということでアラクネの前肢で小突かれながらキクイムシはシブシブと流木を齧って削っていく。


ついでに切り株をボウル状に削っておいてとアラクネ刑務官に依頼、アラクネは右前肢を上げて振りつつ、中肢で不満そうなキクイムシをどついてる、ホント器用。


竈の上にチョロ水で繋いだ水玉を浮かせて、木の皮を放り込む。

水玉が煮立って来ると中の水が焦げ茶色になり、中の様子が見えなくなる。

チョロ水を増やして、ウォーターボールから濁ったお湯を溢れさせると、竈の石に落ちてジュージュー音を立てている。

「そういえば、石灰とか草木灰を入れて漂白するんだっけ」

石灰はないので、竈の底に溜まり出していた白い灰を水玉に投入。

暫く煮続ける。

「水を出すのはいくらでもいけそう、魔力量半端ないのかな…あーでも治癒魔法はバタンキューだったし、よくわからないな、まぁいっか」

灰を入れた水玉は焦げ茶から灰黒に変わった。

「何かが反応しているっぽい感じ」


水玉を2回入れ替えたら水が余り染まらなくなったので、水に晒すことにした。

「そういえばドングリの灰汁抜きをしていたんだっけ、入れ替えよう」

ドングリを水から掬って出し、木の皮を投入した…けど、灰汁は抜けている感じ。

「冷やしたって事でいっか」

皮の束を再び水から上げて竈近くに戻るとアラクネが両手を上げて呼んでいる。

『主ぃ出来た』

「おーお見事、トレーとボウル完成イェーイ」

アラクネとハイタッチ。

キクイムシが恨めしそうにしているので、なんかいいものないかなーと考えながら、ウロに戻りトレーをバナナもどきの下に設置。

既に床のおが屑が濡れていたので手にとって外に捨てようとして思いとどまる。

「これアイツら食うんじゃないかな」


ということで、キクイムシに与えて見たら猫まっしぐらみたいに食いついてる。

『永久就職したいって言ってる』

キクイムシがアラクネの脇に整列してアギトをカチッと揃って鳴らす。

「構わんけどあんま悪さはしないでね、潰すよ」

キクイムシがアラクネの後ろにササッと隠れた。


竈のそばに腰を下ろして木の皮の外皮を擦って剥がしていたら、アラクネ一家総出で手伝ってくれた。

あっという間に白い繊維の部分だけ綺麗に取り出せた。

時間があるのでドングリを調理することにした。

チョロ水と水玉を作ってお湯を沸かす。

そこへアラクネが前肢を使って渋皮を剥いてゴミを取ったドングリをポポイと放り込んでゆく。

結構灰汁が出るので出なくなるまでチョロ水を足しながら煮続ける。

日が傾き出した頃に澄んで来たので、一つつまんで見る。

「苦っ」

おまけに味のない栗のような感じ。

「確か灰と混ぜて何日か置くんだっけ」

ドングリと草木灰と混ぜてボウルに入れウロに持って帰る

「ついて餅状にしたら行けそうかな、さてスピカを迎えに行こう」

日暮れ前に崖のそばまで辿り着き崖の下の景色を眺めていたら目の前にスピカが現れていつも通り髪の毛に飛び込んで即寝落ち。

「スピカは変わらないね、一人縄文生活だけど変わらない日々が続いてもいいかなって思えるよ、さぁお家へ帰ろ」

「スピーースピッ、スピーー」

「一瞬起きたのかな」

アラクネも肩で寝てる。

「夜行性じゃないんだ…お、一番星が出てる、明日は快晴かな、みんなオヤスミ」


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