Case;00 序章『平穏』
「どうも、初めまして。私は『瑞樹 千奈』(みずき せんな)と言います
皆は『千奈お姉さん』って呼んでくださいね!」
「「はーい!!」」
現在、私は父親の伝手で図書館でバイトさせてもらってます
極々普通の女子高生です
・・・・・
「「千奈おねえさん、ありがとう、ございました!」」
千奈「はい、また来てね!」
「お疲れ様。はい、これ」
後ろからドリンクを持った手が伸びてくる
千奈「うひゃ!?…もう!ビックリさせないでください!」
この人は、この図書館でお世話になっている『柊 唯』(ひいらぎ ゆい)さん
唯「いやー、脅かし甲斐があるわぁ!」
握られているドリンクをもらう
千奈「あ、ありがとうございます」
唯「今上がりでしょ?ちょっと時間ある?」
千奈「?あ、はい」
唯さんが腕時計型のデバイスを確認する
唯「じゃあ、電車の時間まで付き合ってくれる?」
千奈「はい」
【休憩室】
唯「千奈ちゃん、私ね…千奈ちゃんが来て嬉しかったの。最近までは、あの子たちみたいな子どもが来ることも無かったし、正直もうダメかなって思ってた」
千奈「本離れですかね…」
唯「そうかもしれないね…。でも少しずつだけど、着実に客足は増えてるの。それも千奈ちゃんが来てくれたからよ」
千奈「そんな、私なんて…」
唯「コラっ、そんなに悲観的にならないの。事実利用者が増えてるんだもの。もっと誇りなさい」
千奈「…はい」
唯「よし。ならお姉さんはもう少し頑張ろうかな…」
唯さんが手に持ったコーヒーをグイっと一気飲みする
千奈「それでは、失礼します」
唯さんにお辞儀をする
唯「そんなのしなくていいよ!まったく…あ、気をつけて帰りなよ!」
千奈「あ、はい!」
私は足早に駅へと向かった…
【最寄り駅】
何事もなく最寄り駅までついた。周りは街灯がついていて人通りも多いとは言えない
千奈「はぁ、すっかり暗くなったなぁ…」
歩いていると、ポケットから『リリリリッ!』っと携帯の着信音がする
千奈「はい、もしもし」
通話用のデバイスを耳にかけ、ライターほどの携帯の電源ボタンを押す。
『ピッ!』と軽い電子音が鳴り、通話を起動する
???「ちょっと!いつまで遅くなっての!」
千奈「ああ、母さん」
母「今どこにいるの!?」
千奈「今最寄り駅の『夕凪駅』の近くだよ。もうすぐ家に着く」
母「そう。早く帰りなさいね」
千奈「わかった。すぐ帰るから」
母「気お付けてね」
千奈「うん」
そうすると、携帯の通話を切る
私は足早に自宅に向かうのだった…
オリジナルは初めてなもので、至らぬところもあると思いますが
気軽に指摘していただけると幸いです