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Code;07  作者: 藍屋 柴洛
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Case;01 第一章『さよなら』

家に着いてからはいつも通りだった


夕飯を食べて、お風呂から出て、テレビを点けると流行りのマジシャンが芸人や俳優の前でマジックを披露している。気づけば眠くなって、布団に入る


そんな日常…



朝も割と普通


朝は6時に起きる。準備をして、ランニング。帰ったら軽くシャワーを浴びて、朝食を食べる。服を制服に着替えて駅に向かう。向かう先は高校。



【学校】


親しい友達と何でもないような会話をして、授業を受ける


放課後には、いつものように陸上部に復帰を求められる。いい加減にしてほしい…


陸上部の勧誘を退けてアルバイト先の図書館に急ぐ



【図書館】


千奈「唯姉さーん」


唯「おー!来たか。とりあえず、更衣室で着替えて来な」


千奈「はーい」


足早に更衣室へと急ぐ。更衣室と言っても着替えるわけではなく、エプロンを着けて貴重品をロッカーへ入れるだけ


今のうちに唯姉さんについて話しておこうと思う


唯姉さんは父親の元仕事仲間で、幼いころから本当の姉のように慕っていた。唯姉さん自身も私を

妹のように可愛がってくれた。私はそれが嬉しかった。


少し前から唯姉さんは図書館で勤務している。なんでも唯姉さんの父親が所有していたそうだが、今では唯姉さんが様々な面で図書館を支えているらしい


千奈「唯姉さん。今日は何するの?」


唯「お、来たな。今日は…」




【バイト終わり】


唯「いやー、今日もお疲れ」


千奈「いつもありがとうございます。」


唯「いやいや、別にいいよ。これぐらいはしないと、これでも社会人だしね」


千奈「そういえば、ここらへんで何かあったんですか?」


唯「どうして?」


千奈「ここに来るときに人だかりを駅前で見たんですよ」


人混みが好きでもない私は、そういう異変に敏感なのか…駅を降りた直後から、違和感を感じていた


唯「…そっか。なにか撮影でもあるのかな?」


千奈「テレビとかかな?」


唯「ここら辺には話題になりそうなものは無いけどね」


スタッフ「柊館長!お客様が見えられています」


唯「…どなた?」


スタッフ「最近TVで有名なマジシャンの、あの『パンドラ』さんですよ!」


千奈「あの!?」


唯「…これも運命なのかしらね。いいわ、待合室でいいのかしら」


スタッフ「はい。待合室で待っていただいています!撮影の依頼かもしれませんよ!!」


千奈「私も見たいな…」


唯「千奈。良い?今から言う事を絶対守ってほしいの」


千奈「え?どうしたの?唯姉さん顔色が悪いよ?」


唯「いいから、聞いて。。私がここから出たら、10分後にメインホールに居てて。そこから、私の使いに指示を出してもらうから。いい?」


千奈「どうしたの?なんだかおかしいよ?」


唯「いいから!お願い、頼むから…いうことを聞いて?」


千奈「う、うん。わかった」


唯「もしかしたら、最後の願いになるかもしれないの。お願いね?」


聞こえるか聞こえないかのような声でそういうと、スタッフと共に休憩室を出て行った


時計を眺めると、針は18:10を指していた



【10分後】


10分の間、唯姉さんがどうしてあんなにおかしかったのか考えた。だけど答えが出なかった


何か考えがあって言ったんだと思う。とりあえず、メインホールに向かおう…


わたしは答えの無い思考問題をやめることにした…



【メインホール】


千奈「ここでいいのかな?」


メインホールで待っていると、さっきのスタッフが駆け寄ってくる


スタッフ「千奈ちゃん!館長の指示で来ました。こっちに来てください」


千奈「スタッフさん。唯姉さんどうして、あんなよくわからないお願いをしたんだと思います?」


スタッフ「さあね~。ただ、あの人は最近こういう風なことを言い出すと決まって『悪い予感がするんだ』って言うんだよ。信じてみよ?」


千奈「…はい」


スタッフさんに指示される通りに行くと、メインホールを見渡せる二階の中央通路だった


スタッフ「それじゃあね」


千奈「あれ?一緒じゃないんですか?」


スタッフ「『何かあるといけないから、私たちスタッフは指定の場所に行ってほしい』と指示が出てるの。私も何があるのかわからないから…まあ、その、気を付けてね?」


千奈「はい。そちらも気を付けてください」


スタッフさんはこっちを振り向かず、足早に去っていった


一人残されたこの空間を静寂が支配する


すると、コツコツコツと革靴とヒールの音が響く


下に人が来たと思い、咄嗟に一階を見ると…唯姉さんと赤と黒のチェック柄の燕尾服とシルクハットをかぶった白髪ロン毛の男が出てくる。テレビで見た『パンドラ』そのものである彼を見て私は思った


本物だ!


近くに行きたいサインでも貰おうかと思った矢先に唯姉さんの怒号が飛ぶ


唯「自分以外がどうなってもいいだって!?あんたそれでも真っ当な人間か!!」


パンドラ「なんとでも言うが良いサ。これは俺の考え方サ。あんたは自分以外も大事ならそれでも良いけど、私はそれを利用してでもあんたに勝ちたいだけサ。」


パンドラはモノクル型のデバイスを起動する


ティロリン♪と軽い音が聞こえる。『Code;ヲ起動シマス』という機械的な音声が流れる


パンドラが指を鳴らすと周りに炎が出てくる


唯「馬鹿野郎!!ここは図書館だよ!そんなところで火を扱うんじゃない!」


パンドラは構わず炎を出す


パンドラ「あなたは知っているかイ?私がなぜ『炎の魔術師』と呼ばれているかヲ…」


さっきと同じ『Code;ヲ起動シマス』という機械的な音声が流れる


唯「『ヴェルガモット』!!」


パンドラ「燃やし尽くセ、『インヘル』」


唯姉さんが叫ぶと何も持ってなかった唯姉さんの手元に分厚い本が現れる。


唯「違う、ここじゃない。…ここでもない…」


パンドラ「本なんて読んでる場合ですカ?余裕そうですネ…これならどうですカ?」


指を鳴らすと、火の玉が唯姉さんの方に飛ぶ


千奈「ダメ!唯姉さん!!」


ハッとした唯姉さんが火の玉を回避


パンドラ「ン?おやおや…」


そういうとさっきと同じ火の玉がこっちに向かって飛んでくる。私は急いで身を屈む


唯「そっちこそ、よそ見するなんて…余裕ね!」


唯姉さんがパンドラに向かって回し蹴りをかます。蹴られた衝撃で軽く体が浮く


パンドラ「おぐっふ…!」


パンドラは鳩尾に入ったのか、呼吸ができず地面に這いつくばる


唯「千奈!無事!?」


千奈「うん、そっちは!?」


唯「大丈夫。一応ね…」


唯姉さんを見るとお腹は左手で庇っている


パンドラ「フー、落ち着いてきましたヨ…にしても、唯さん、ですか?その子が大事そうですネ」


唯姉さんがしまった!という顔でパンドラの方を見ると地面に拳を叩きつける瞬間だった


叩きつけられた拳から炎の竜巻が現れ、唯姉さんの視界を奪う


唯「くっそ!」


気付くと私の後ろにパンドラが立っていた


千奈「…え?」


その刹那、体が足元にあったはずの地面が無くなり落下する


パンドラと共に一階に移動する


パンドラ「さあさ、唯さんこちらにご注目くださイ?」


パンドラが指を鳴らすと、指先に火が灯る


パンドラ「小物のセリフですいませン。動くとこの子の命がないですヨ♪」


そこからはただ見ているだけだった。黙って耐えている唯姉さんに何度も呼び掛ける


満身創痍なその姿でも唯姉さんは変わらずに『大丈夫だから』と言い続けた


パンドラ「さて、これで最後にしましょウ…」


唯姉さんは何かをしている。必死な私はわからなかった


だけどかすかに動いた口がこう言ってるように感じた






『あ い し て る』






唯姉さんが炎に包まれる。唯姉さんの死体を隠すかのように柱が倒れる


千奈「うわーーーーー!!!!!」


倒壊を始めている図書館の中、絶叫だけがこだましていた…



【病院】


目が覚めると、真っ白な天井だった。横では母が泣いていた


私が目覚めたのを見て母は抱き着いていた


そこからはただ茫然と時間を消費していた


病院の先生から話があった


症状が軽いから退院していいですよと言われた


朦朧とした意識の中、自宅に着いた



【自宅】


ベッドに入ると今日の事を思い出して涙が溢れ出した


携帯の中の唯姉さんを見たくなって、デバイスを起動する


唯姉さんからメッセージが入っていた


『千奈、あなたにこれを託すわ。本当の姉でいられなくてごめんね。今度はきっと、あなたをちゃんと守れる私に生まれ変われますように…さよなら』


メッセージはここで途切れていた。その下には何かしらのアプリケーションが送られていた


時間を見るとあの悪夢のような戦闘の最中だった


千奈「アプリ?」


アプリをダウンロードして開く


千奈「…Code;07?聞いたことないな…。とりあえず起動しようかな…」


『Code;07』と書かれたアプリを起動する。その瞬間、耳鳴りのような音が響く


千奈「う…あ…頭が…割れそう…」


ずっと響き続ける音に耐えられず、気絶するみたいに眠りに落ちた…

誤字脱字があれば、気軽に指摘していただけると幸いです

また、感想等もあれば書いて下さればありがたいです

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