雫を拭う者
第十九話雫を拭う者
「先輩、先輩、見てください綺麗な穴が空きましたよ。見てくださいよ」
那月は俺の背中を右手で叩きながら左手の銃で小型の化け物を始末している。
その様子を見かねて素股野郎改め水嶋聡が那月の手を俺から引き剥がした。
「翼っちが困ってるんすから、止めるっすよ。……あっ」
バン!
「那月っち、危ないじゃないっすか! 頭に穴空いちゃったじゃないっすか!」
「先輩の呼び方を間違えたんだから仕方がないでしょ素股野郎。いつも通り治せばいいでしょ」
聡と那月は相変わらずな様子を見て、俺は懐かしさを感じた。
「そういえば先輩、私たちの目的はなんですか?」
「目的は雫を始末することだ。
和馬の仇ということもあるが、東島総理の反応を見るに雫を始末しない限りこの世界は変わらないのではないかと考えたからだ」
「そういえばそうっすね。あの人の雫っちを見る顔が推しに会った時みたいで驚いたっすもん」
「そんなことは今はいいでしょ。あの女を始末するのなら、行動を共にしている三人をどうにかしなければいけませんよね」
「そうだ。そこで俺たちはまず民間の掃除屋組織に潜入しようと思う」
「この街の掃除屋って質が高いっすからねぇ、味方に出来れば目的達成も夢じゃないっすよ!」
そして森を出てから俺たちが向かったのは、掃除屋影牢だ。
俺たちは影牢に向かったのはいいが、面接を行うことになった。
そして三人の面接が終わり、俺たちは影牢で潜入することになった。
二日後
「素股野郎と組んだのが、案外可愛い奴って……女の方が心配なんだけど」
「そんなに心配することでもないだろ」
「私の素股を使った前科があるやつですよ」
俺と那月はコンビを組むことになった。
そして今回受けた依頼はエリムラブック社長、村田絵里の殺害だ。
二時間後
「簡単すぎて、なんだか怖くないですか先輩」
「一般人なのだから簡単なのは当然だ」
今回依頼を受けたのは雫がこのエリムラブックで本を出した過去があることを知ったからだ。
情報が得られる可能性が高いのなら受けない理由がない。
俺と那月は隅々まで情報を探した。
十分ほど経過した時、那月が情報を見つけ出した。
「先輩、この本の中身見てください」
「これは!?」
"君への殺意は永遠に"という作品に描写されていたのは、殺意増幅障害と同じ効果のものだった。
そしてその作者こそが、水鳥川雫……やつだった。
「那月、他にも雫の作品を探せ!」
俺たちは理解した。雫の能力は自らが書いた作品の現象を現実に引き起こすことだと。
「那月、この作品たちを聡にも見せるぞ。対策を立てるのに必要だ」
「了解です先輩」
和馬が愛したこの世界をこれ以上壊されてたまるか。
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




