表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/55

+ 14 +

今回は短めです。

 デリックから告白…? プロポーズが正しいのよね、そんなことがあったすぐ後も、デリックが私の隣から離れることはなかった。

でも、子供達の様子がちょーっとね、微妙な気がしたのよ。だから、ヴィヴィアン達年長の女子に話をしようとしたんだけど、彼女達から突っ込まれたわ。


「マージェリー修道女様! デリックが何か言いましたよね!!」

「え? …えっと、ええ」

「まさかとは思いますけど、修道女様に対して好意を伝えたなんてことは…」

「…デリックの生い立ちを聞いたわよ?」

「あら、それだけなんですか?」


私は肯定も否定もすることなく、ただ笑っていた。それだけで勝手に誤解してくれるなら、問題ないから。


「なーんだ。デリックったら突っ走って振られる未来しかないって思ってたのに」

「ねー。つまらないなぁ」


 彼女達はデリックに対して案外辛辣ではないだろうか? と思ったけど、にこにこと笑うにとどめたわ。だって、何か言えば違う方向に誤解されそうなんだもの。

特に恋愛に興味のあるお年頃の女の子なんて、そうよね。

結局、詳しくは分からなかったけど、彼女達の口ぶりから想像出来るのは、デリックの気持ちというのは皆に知られていて、私達が二人きりで話をしているのを皆も知っていて、というのが容易に想像出来てしまって、つまりはデリックが私に告白をしたのかどうか、という一点を皆が知りたがった…ということなのかしら? と。そんなこと、子供達に言えないけどね。

ともかく、私にとってはデリックとの関係が皆の想像するようなものになるつもりは一切ないし、今後も態度は変わらない。あまりに絡んでくることが増えるなら、殴る用意はあるけど。でも、一応修道女なので暴力は避けたいのよ。…辺境伯令嬢だったマージェリーだけど、剣術も体術もそれなりに素養があって、それなりに出来る人だから。

前世の私はそれほど体を使うことが得意ではなかったのだけど。本当、体の使い方が元々上手な人間て羨ましいわ、なんて思ってたのが今世じゃ思われる側になってるのよね。不思議~~。

 それはともかく。

 今差し当たっての目標が一つあるの。実は、孤児院主催で行うバザーがあるの。そのバザーの責任を皆と一緒に担ってほしいと言われているの。


「マージェリー修道女、あなたにお願いがあるのだけれどいいかしら?」

「院長様、なんでしょう?」

「夏になると避暑の為にこの辺りに貴族や富豪が多くお見えになるのだけれど、その頃にステラ修道院内の一部を解放しているの。そして、孤児院の寄付金を募る為にバザーも行われているの」

「…バザー、ですか」

「ええ。でね、今回はあなたにもそのバザーを手伝ってほしいのよ。いいかしら?」

「勿論です! あ…子供達もいつも手伝ってますか?」

「ええ、そうね。何か良い考えでもあるのかしら?」


 という具合にバザーの責任者の一人、ということになったの。うーん…前世での私は、バザーなんて関わったことがあったかしら?

それよりも、思い付いたことを話そう。


「修道院で育てているハーブや花がありますよね。

それを利用して、子供達とポプリを作るのはどうでしょう? ポプリで香り袋(サシェ)を作るといいと思うんです。そのサシェに刺繍があればもっといいかも、と」

「…ポプリにサシェ? 子供達の技術を見てもらえるし、修道院の花でポプリも作れるし問題はなさそうね」

「それと、小さな子供達とは簡単な焼き菓子を作って、子供達みんなでバザー用の品物を準備出来れば、と。

子供達も自分達の手で作ることが出来るので、将来的にもいい機会になるのではないでしょうか」

「……そうね。サシェの刺繍は年長の女の子達、ポプリ作りは少し下の女の子達、男の子達や小さい女の子達でお菓子作り、というところかしら」

「年長の男の子達は聖騎士様方とバザー当日に剣術や体術を披露する役割がありますから、彼らには簡単な手伝いだけでいいと思っています」

「そうね、バザーでも注目されている催し物の一つだから、負担は少ないほうがいいかもしれないわね…」


 そんな会話をしながら、子供達が直接関わる機会を得られることに私は安堵したのよ。

子供達だって、自分達の出来ることを見てもらいたいはず。そして、それらを認めてもらえる機会があるほうがいい。今の年長組の女の子達の刺繍の技量は、丁寧に仕事をする彼女達らしくとても良いと思う。

ポプリ作りも花を乾燥させて作るもので、難しすぎるものではないから大丈夫でしょう。

ステラ修道院はハーブを育てている関係で、実はアロマオイルも作ってる。だから、それを使えるし材料費もそれほど必要なく作れるのが分かってる。材料費がかからないって素晴らしい!

お読みいただきありがとうございます(*^^)


今回短めだったので、この後もう一話投稿しようかと思い、文章ちょっと見直し中です。


デリックが動いたことで、マージェリーさんも色々考え始めましたが、考え始めただけなのでその後どうなるのやら、です。

現時点でバザーのことが一番の課題なので、多分すごーーーーーーく後回しにされてます。

デリックがんばれ(棒読)


全く関係ないですが、デリックの出自だとか色々文章化してるところです。

話数が増えることにガクブル状態ですけど、いつか投稿すると思います。

いつ出来るんだろうか…。


ブックマーク登録、評価、いいね、ありがとうございます!(≧▽≦)


今回作中に出てきたサシェですが、ポプリを入れて作る匂い袋です。(作中では香り袋としました)

自分で作れるといいけれど、手縫いに疲れたのでお休み中…。

画像検索をすると、素敵な作品をたくさん見ることが出来るのでおススメです。


次は多分夕方か夜に投稿出来ると思うので、もう一話もお読みいただけると嬉しいです(^▽^)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ