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禁呪の魔法じゃ使えない  作者: [take]
2章 学校対抗戦編
26/26

2-1メンバー紹介

普通に5話くらいは順番前後させてる身としては怖いのですが、使い方が変わって、投稿方法が分からないのも気持ち悪いので、生存報告も兼ねたテストです。


いろいろあって現在の進捗1/3程度。

まあ、こうなるのは1章書いてる時点で分かってた訳で、そのための1.5章。

という訳で続きは気長にお待ちください。



 時は昼休み、場所は食堂。言葉を発したのは我妻直。成り行きは唐突だった。




「夏だねー」

「よし分かった。結論を聞こう」




 冷房をかけ始めたとはいえ、まだ6月。その上まだ梅雨も明けていない。

 それなりに気温が高くなっているとはいえ、あまりに唐突な話題振りにも関わらず、即座に応じたのは藍だった。

 それだけでは何の意味もないただの呟きだ。普通に進めようとしたら長くなるという彼の見込みは、もはや証明の術はないが、おそらく正しいだろう。

 即応して見せた藍の求めに対して、直もまた一つ頷くだけで即座に応じた。


「今度の休みからしばらく、衛と水月ちゃんは藍のうちに行ってね。あと、Sクラスの橘さんと進藤さんって子も一緒ね」


「ごめんなさい。話が全く見えないのだけど、最初から説明してもらってもいいかしら?」


 恐ろしく速いテンポで会話が進んでいるため傍からはそもそも会話がかみ合っているようにすら見えない。

 たまたま通りかかった灯花が疑問を覚えるのは、当然のことだった。……ただ残念なことに、会話はまだ初めである。










 女子3人が詰めて、ボックス席の端に灯花を座らせる。

 手狭ではあるが、既に食事は終わっている。話すだけであれば問題ないだろう。

 という訳でテイク・ツーである。




「夏だねー」

「よし分かった。結論を聞こう」




   ターンッ




 一体何のためにやり直ししていると思ってるのか、銃声が響くと、藍が眉間を抑えて悶えだした。


 茉莉は何も見ていない。


 痛ってーな、何しやがる。

 おそらくそう言おうとしているのだろう。


 茉莉は何も見ていない。

 茉莉の前に黒いゴムの弾が()()()()転がってきているが、彼女は何も見ていない。

 証拠に<結界>の外(周囲)の生徒は何も気づいていない。つまり何も起こっていない。そもそも何も起こっていないのだから、茉莉は何も見ていない。だから倒れることもない。




「夏だねー」




 テイク・スリーである。

 銃声は未だに鳴りやまない。

 灯花の顔が引き攣っている。この位は確かに珍しくこそあれそこそこの頻度であることなのだが、普段からこの輪にいない彼女に対応を求めるのは酷だろう。

 水月は我関せず。つまり茉莉しかいない。仕方がないので貧乏くじを引きに行く。


「そ、そうだね。ここも冷房がかかってるけど、汗かいちゃうよ」

 もちろん冷や汗である。


 気温が下がる。


「なんだ、それならそうと言ってくれればいいのに」


 直の魔法である。曰く「こう見えて第二属性の“冷却”は得意なんだから」とのこと。寒い。鳥肌が立つのはそのせいだ。ということにする。


「いい加減に、しやがれ!」

   『風』“温度変換”“指向制御”


 【槍】の亜種の魔法だろう。『風属性』が持つ“収縮”で断熱圧縮、高圧化に合わせて“温度を上げて”爆発を助長、“指向性”を直に向ける。さすがに“貫通”を付加しない分別はあるようだが、そもそも食堂で使うような魔法でないのは、言うまでもないだろう。


   <障壁>“部分硬化”“弾性化”


 “硬化”と“弾性化”本来は矛盾する付加魔法だが、領域を分けることで解消する。


「返すよ」

「ぐはっ」


 仰け反った藍が衛によって再び張り直された<結界>に後頭部を打ち付けてのたうつ。

 ちなみに普通は相手の魔法を跳ね返すなどできない。そもそもできても意味がないのだが、それはともかく魔力によって構成された魔法の進行方向を反転する場合、術式が崩壊して霧散する。今回は物理的影響力の高い『第四属性:操作系統』かつ、暴発を利用した制御の甘い術式だったが故に可能だったのだ。それを瞬時に見極めた直の超絶技巧であるが、『風』の塊である。直がどれだけうまく処理しようが、藍のように術式で進行方向を限定しない限り必ず拡散するのだ。


「藍、巻き込まないでよ」


 藍の隣で余波に巻き込まれた衛が苦情を挙げる。


「ハハハッ、その程度の魔法が直に聞く訳ないだろ。お前も懲りないよな!」


 レイスが嘲笑うのだから、相当だろう。


「アァ? 直に勝てないと割り切って何もしようとしない奴に言われたくないんだけど?」


「直に勝てなくてもおまえには勝てるけどな」


「上等だこら! やってみろよ!」


 藍が[槍]を組み上げたところで間に座る衛が止めに入った。


「はいはい、勝手にすればいいけど、この配置でやるのは止めてね」


 衛も言いはしたがそこまで心配はしていない。さすがにこの状態では藍も[槍]を存分に振り回せない。今も手には取らず、<念動>で周囲を旋回させるに止まっていた。いくらなんでもこの状態からレイスに挑もうとは考えない、筈だ。……無理と判断しても、その上で挑もうとするのが藍という少年なので断言はできなかった。


 内心焦り始めた衛だったが、取り乱すことはしなかった、それよりも、その様子に目を白黒させたのは普段この輪にいない灯花だった。自分が居て()()なのだ。いなくても()()なのだろう。

 何気なく使われているが、魔法自体も高度だ。少なくとも灯花には相応の準備と時間が必要になる。

 大勢の生徒がいる食堂でこれだけ騒いでいるにも関わらず悟らせないのだから、衛の<結界>も大したものである。しかもこの<結界>かなりの頻度で張り直されている。もはや張り続けた方が楽なのは明らかだ。

 藍の[槍]にしたって連結機構がかなり特殊だ。目の前で行われるのを見て初めて気づく。<念動>以外にも10回近い細かな術式が発動されている。一般人には組み上げるのは不可能だし、そこそこの魔法師でも組み上げるのには苦労する。余談だが分解はもっと苦労する。

 灯花もちょっと練習したくらいでは同じことができるようになる気がしない。


 それだけの高度な魔法の応酬。驚きを通り越して眩暈がした。

 だから、時期も合わさって、ふと疑問がこぼれた。


「今年の『学校対抗戦――新人戦』は誰が出るのかしらね?」


 例年であればSクラスとAクラスから半々が選ばれる。しかし今年は藍もいる上、直を筆頭にAクラスのメンバーが充実している。どうなるかは分からなかった。

 準備や予定もあり、メンバーの決定もそろそろされると聞いていた。だからこその灯花の疑問であったが、しかし意外なことにその回答は出ていた。


「ん? さっき言った通りだよ。藍と衛とレイス、あとAクラスのオルフレアさんに、Sクラスから橘さんと進藤さん。補欠はまだ話し合ってるところだけど、一人は補習も兼ねた水月ちゃんだって」

「言ってねーよ」


 確かに全員ではなかったが、大体は言っていた。指摘したのは藍であったが、灯花も似たような思いである。何事もしれっとするのが直の手口だ。

 水月は「補習……」と呟いて呆然としていたが、それはともかく。


「ごめんなさい。話がよく分からないのだけど、もう少し詳しく説明してもらっていいかしら?」


 ふと、話が何も進んでいないと気付き、灯花は愕然とした。


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