超ハイスペック王子様に惚れました
「お嬢様、そこインクが滲んでいますよ。あとここは字が雑です」
綺麗な百合の花の装飾があしらってある便箋に濃い藍色のインクが滲む。
ユーラ様に手紙を書こうとランに便箋と封筒を選びたいと言ったら手紙の文面や字、インクの滲み具合にまで口を出してきた。迷惑ではないのだが、婚約者宛の手紙をメイドに見られて書くというのも恥ずかしい。
「お嬢様、もう少し婚約者らしいお手紙を書かれた方が良いと思いますよ。早く会いたいとか」
隣からセラが手紙を覗く。婚約者なんて初めてなんだから仕方ないじゃないか。前世の私は彼氏いない歴=年齢だったんだぞ!
「早く会いたいは書かない方がいいと思う。ユーラ様はこの国の為にご留学されてるんだから。会いたいのは会いたいけどね」
ユーラ様はこの国の為に勉強されているのだ。私が邪魔するわけにはいかない。それに自分のことばかり書いても押し付けがましいというかなんというか。
「お返事を催促するのもやめた方がいいかしら。向こうもお忙しいでしょうし。あくまでも控えめに、と。……控えめすぎてもダメね。年相応な文章がいいのかも。あ、でもあまり子供っぽいと幻滅されてしまうかしら⁈」
振り返ってセラとランを見ると2人とも一瞬キョトンとしてすぐさま笑いだした。
「なんで笑うのよ」
ムスッとして言うとランが微笑みながら言った。
「だってお嬢様、もう立派な恋する乙女なんですもの」
恋する乙女?
…………………恋?
「……私、ユーラ様に恋をしているの……?」
「気づいてなかったんですか?お嬢様、第2王子のことになるといつもと違って細かいことで悩むじゃないですかー。それに第2王子のことになるといつも幸せそうな顔もされてますよ」
小さく呟いた私にセラが呆れながら言う。
顔が熱くなっていくのが分かる。きっと今の私は林檎のように真っ赤な顔をしていることだろう。
そうか、私は初めてユーラ様に会った時からユーラ様に惚れているのだ。
「自覚したら恥ずかしくなってきた……」
神様、好きな人ができました。
私はこの人と一緒に居られるのでしょうか?
取り敢えず破滅しないように頑張ります。




