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『妖精の取り替え子』認定喰らって即寒村送り!弱小氏族次男坊の独立戦争記  作者: くろすーおーばー
第一章 幼少期(グレンガルト・トゥア編)

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18.5:Community of the Realm(王国共同体)

沢山の方に読んでいただきランキング入りを目指しています。

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外ではいつも通り雨が石畳を叩きつけていた



 季節柄、普段なら誰も気にかけるものでもない、ありふれた雨。


 しかしその雨の冷たさはその限りではなく、心が冷える雨だった。


 窓の無い部屋、中央の燭台が集まった人物の存在を知らせ。

 互いの顔も見えぬ暗がりの中、隙間に吹き込む風が六人の男たちの影を揺らした。


 誰も名も告げづず、名を確認しようとするものも居ない。

「我が王が崩御なされたというのは真なのか?確認できた者は誰か?」

 落ち着いた声で一人が問う

「直接ではないが報告だけ。」


「わたしは葬儀で直接顔を見た。」


「ああ、私もだ。」


「確かに陛下であった。」


「見た…それよりも既に『暗殺されたのでは』などという良からぬ噂から、『王妃のご懐妊』の噂まで民の間では立ち始めている。まずはこれ以上の混乱を招かぬためにも性急にこれからの事を話し合わねばなるまい。」


「判った…司教のお二人が確認したと言っているのだ承認せざるを得まいな。では議題に移ろう」


 司教と呼ばれた男がまずは口火を切る

「まず確認したいのはこの緊急事態において我々の団結が揺るぎないものだということだ、よろしいな?」


「異議はない。」

「私もだ。」

 次々と賛同の声が上がる反対する者はいなかった

「では王の巡幸(移動宮廷)に拠る政務の分担を我らがいかに~」


 表向きは一致団結…だが内情はそんな単純なものではない。


 国内の安寧を望む者もいれば


 次期王の後継に混乱ありと見越し虎視眈々と爪を研ぎ続ける者。

 王位を継ぐ者を取り込み影響力を強めようとする者。

 これを気にライバルの貴族を蹴落とそうとする者。

 様子を見つつ抜け目のなく好機を伺っている者。

 他国を後ろ盾に権勢を欲する者まで。


 美しく見える団結も次の王位次第、それぞれの思惑を胸に慎重に動いていた。


 しかしここに本気でロマウバリウクの動きを憂慮する者が居なかった…


 国内だけで事を治められるという思い、ロマウバリウクの干渉が頭の隅でちらついても、外交でどうにかなる、押し戻せるはずだ…そうであってほしいという願望。


 それこそがこの摂政団始まりの会議の盲点であり、アスピコット窮地に追い込む火種になることをこの時はまだ誰一人として知る由もなく


『王死すとも王権は死なず。』


 という()()()()()(もっ)て会議は静かに幕を閉じた。

※1移動宮廷:史実の13世紀スコットランドでは王様は王宮王城で座って待っている存在ではなく自らが配下を従え各都市に巡幸し、領地争い・相続争い・殺人事件・密猟・家畜泥棒や貴族同士や氏族同士の争い事を裁定していました。どうやっても解決出来ないトラブルに対する最終手段であり最高裁のような存在といった感じですね


しつこいようですがランキング入りを目指しています。

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