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花の贖罪 笑えと貴方は言った  作者: 雛雪
第十五章

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16/21

目覚め

この章、短いです。

地鳴りのような振動が森の奥深くから響き渡った。地面の裂け目から黒くうねる根がゆっくりと姿を現し、湿った土の匂いとともに、まるで生きているかのように蠢き伸びていく。


リリスは背筋を這う冷気に震えながらも、一歩も動かなかった。18年の歳月が育んだ覚悟が、恐怖を凌駕していた。

「このまま放っておけば、国は滅びます」

エヴァの声には、抗えぬ運命を受け入れ、祈るように未来を託す切実な響きがあった。


カインは静かに剣の柄に手をかけ、周囲の騎士たちに目配せした。しかし、騎士たちは剣を抜き、身構えたまま一歩も踏み出さない。皆がこの未知の力に畏怖し、静寂が辺りを支配していた。この力は、彼らの知る常識を超えていた。


老神官は祭壇の端に静かに立ち、杖を天に突き立てる。その瞳には何千年もの呪縛と絶望が宿っていた。

「封印を解く者たちよ、今こそ試される時だ」

だが、その言葉にリリスは首を横に振った。

「……私は、もう、誰かのために死ぬつもりはない」

かすかな震えと共に、確かな意志がその声に宿っていた。

「君がそう望むなら、共に戦う」

カインがリリスと視線を交わす。エヴァも頷き、三人の間に揺るがぬ結束が生まれた。


突然、祭壇の根が激しく蠢き、森全体に不協和音のような振動が走る。リリスの胸の奥にも、まるで呼応するかのような鼓動が響いた。


「リリス……お前は、何を望む?」


声は森を震わせる低く冷たい響き。まるで闇の底から湧き上がる、世界花の意思そのものだった。


リリスはゆっくりと目を閉じ、心の中で答える。

「生きることを、選びたい。誰かの犠牲になるのではなく、自分の意思で――」


その言葉とともに、彼女を包む淡い光が揺らぎ、根の動きは一瞬止まった。



老神官の顔に驚愕が走る。しかしすぐに冷たい笑みが浮かび、低く囁いた。

「奇跡か……だが、その代償は想像以上に重い」


だがリリスは恐れなかった。18年の時を経て、彼女の決意は静かに、新たな運命の扉を開き始めていた。



実はこの物語は完結してました。51章(エピローグ入れると52章)までありました。

が、改稿につぐ改稿で方向性を見失ってしまい…放置。

今更ですが、完成させたいと思います。

少しずつアップしていきますので、よろしくお願いします。m(*_ _)m

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