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羞恥

 ある日にんげんが犬と首長蜥蜴の兄と出会って色々話していると、ふと首長蜥蜴の兄がこんな事を言いました。

「知ってるかな。僕らは自分にあった食べ物を沢山食べてればお母さんの乳を貰わなくても大丈夫なんだ。」

 その言葉ににんげんは驚きました、犬も半信半疑です。

そしてどうしてそんな事を知っているのか首長蜥蜴の兄に聞いてみると、なんとものんびりした答えが返ってきました。

「いやぁ、それがね。乳の日をうっかり寝過ごしちゃったことがあるんだよね。それでお腹が空くから、森の木のてっぺんの葉っぱがなくなるんじゃないかってくらい食べたんだ。そしたら少なくとも次の乳の日までに飢えて倒れるってことは無かったのさ。」

 そんな風に、ちょっと誇らしそうに語る長首蜥蜴の兄に、にんげんは、「乳無くても大丈夫だって見つけたのは凄いけどさ、お母さんに言えば乳もらえたんじゃない?」と言うと。

「あ……そうだね。しまったなぁ、あの辛かった経験は一体何なんだろう。」といって落ち込んでしまいました。

 にんげんと犬は、「いや、でも凄いよ!大発見だよ!」とか、「まぁ忘れていたなら仕方ないさ。それに首長蜥蜴の兄はあまり森からでないからな、長い事習慣になっていた乳の日を逃したら別な日に貰うという発想が無くても仕方ない。」とかフォローしましたが、首長蜥蜴の兄は今は縮まっている首をさらに縮めようとして、皮をたぷんたぷん言わせています。

 にんげんはしまったなあという顔で何度も何度も首長蜥蜴の兄の頭を撫でます。

それでも首長蜥蜴の兄は目を瞑って引っ込もうとしてか、ずりずり後ずさりを続けます。

 にんげんは思ったことをそのまま口にするのは時に兄弟を大いに恥ずかしがらせる事がある、と学んだのでした。

でも、元来が正直な性格のにんげんはあまり身につかなかったようですが。

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