キラキラ飴
ある日にんげんと犬の所に鳥頭の兄が跳ねてきました。
片手に首が細すぎて支えられない首を、もう片方の手にはキラキラと光る石を持っています。
にんげんが。「鳥頭の兄こんにちは!そのキラキラなに?」と聞き、犬は、「こんにちは鳥頭の兄。もしかしてそれ…」と何か言いかけました。
そんな二人に、「どうもどうも、こんにちは。今日はね、良い物持ってきた。良い物。舐めると甘い、とっても良い物もって来た。」といって挨拶を返します。
犬はそんな鳥頭の兄に、「いや、鳥頭の兄よ。それは鳥頭の兄以外には甘くないと思うぞ。」と言いますが、鳥頭の兄は「まあまあ試してみないと、ね?」と言って聞きません。
そして「にんげんちゃん、このキラキラを口に入れてごらん。きっと甘くて美味しいよ。」と声を掛けます。
甘くて美味しいと聞いたにんげんは「ほんと!?」というとタスッと犬から飛び降りて、鳥頭の兄の前に移動します。
そして「貰っていいの?」と聞いて、「いいよ。」と言われたので、鳥頭の兄の持っているキラキラを口に含んでみました。
ですが、一向に甘くなりません。何の味もしない、ごつごつとした感触に首をかしげてコロコロ転がしていると、犬が言いました。
「鳥頭の兄よ、それを甘いと感じるのは石を舐めて溶かせる貴方だけだ。にんげんには無理だよ。」と。
それを聞いても鳥頭の兄は「えー、でもでも、もうちょっと頑張れば溶けるかも知れないし。」と未練がましくいいます。
ですが、あんまり長い事味がしないままなのでにんげんが口からキラキラを取り出すと、口に入れたときと寸分違わぬキラキラが姿を表しました。
それを見て、にんげんに「甘くなかった?」と聞いた鳥頭の兄は、にんげんが頭を横に振ると、「そっかぁ…甘く無いかぁ。」とがっかりした様子。
そんな鳥頭の兄に、にんげんは、「あのね、甘くないけどキラキラ綺麗だから。これからも時々見せてね」といいました。
それを聞いた鳥頭の兄は「勿論、勿論いいとも!いやぁ、にんげんは見るだけで良いのかぁ!これの味が解って貰えないのは残念だけど、見て喜んでもらえるなら良かった。良かった。」と言って嬉しそう。
それを見ていた犬は「調子がいいなぁ。」と呟きましたが嬉しそうな鳥頭の兄の耳には届いていない様子。
これ以降鳥頭の兄はキラキラを時折にんげんに見せにくるようになりましたが、鳥頭の兄のくちばしに入らない大きなキラキラも合ったとの事。
でもにんげんはそれを凄い凄いと言うだけで、一度も欲しいとは言いませんでした。
だってにんげんはそれを見られれば十分なのですから、欲しがる理由がありません。
外の人間が見たならそれを求めて争いもしたでしょうが、ここは怪物の森。
そんな人は一人も居ません。




