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止まらない物

 これはにんげんが小さかった頃の話。

にんげんは小さい頃お漏らしをしました。

これは赤ちゃんや幼児なら仕方の無いことです。

 そしてそれを処理していたのが魚の姉でした。

魚の姉は根気強くにんげんが漏らすとにんげんの漏らした物を湖から流れ出す小川の近く洗い流し、水に現れて冷えたにんげんの身体を温めるという事を繰り返していました。

 ですが魚の姉の体は太陽よりむしろ水に近い温度の体だったので、にんげんは頻繁に冷えてお腹を下します。

コレに困った水辺の姉を応援を呼びました、それがにんげんの様子を間近で見ていた犬と、ふわふわの羽毛を生やした首が長く水かきの変わりにひれのある鴨、それから一見目が無いモグラのような柔らかい鼻と手足を持った熊の兄弟達でした。

 彼等は人間が濡れるたびにその毛皮でにんげんを包み、擦り温めます。

彼等の毛皮は水を弾きますが、念のために交代でにんげんを温める役目を引き受けます。

こうして魚の姉の心配の一つ、濡れたにんげんが冷えるという問題は解決しました。

 もう一つの問題は乳を貰いに来た兄弟の多くがにんげんに興味を持ち、乳を口移ししたいという事です。

にんげんは小さく、日に決まった太陽の傾きの時に乳を貰っているのでそんな事をさせるのは逆にお腹一杯のお腹を破裂させてしまうのではないかと心配になります。

 これの解決にはお母さんの一言が必要でした。

「にんげんが小さいうちは乳を口移しでやるのは魚の姉に任せて、他の兄弟は見守るように。」と、にんげんに乳をやりたい怪物たちを集めて言ったのです。

これで怪物達はしぶしぶながらも引き下がりました

いつの日か、にんげんが大きくなって誰に乳を分けてもらうかにんげんが決められるようになったら、にんげんが誰に乳を貰うのかを決めるようにする、という決定に希望を抱いて。

 こうして魚の姉はにんげんに関する心配事を解決し、大層にんげんの事を気にかけているのですが。

にんげんはそんなことに気づきもせず無邪気に犬と遊び、犬に乳を分けてもらいすごしているというわけです。

ちょっと魚の姉は寂しい思いをしながらも、湖の傍でにんげん達が眠る時、その寝顔を見ては微笑んでいるという事です。

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