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 にんげんがじっと犬の毛皮を見ています。

そしてふかふかの毛皮を引っ張ったり、掻き分けたり、掴んでまとめたりしています。

それからにんげんは自分の体をぺたぺたさわり、不満げに頬を膨らませます。

 犬がどうしたのか聞いてみると、犬のような毛皮が無いのがにんげんには大層な不満なようです。

それならと、困った時のお母さん頼みです。早速犬はにんげんとお母さんの所へ行きました。

 ですが結果は芳しくなかったのです。お母さんはにんげんには毛が生えている場所が四箇所ある。自分には三箇所しかない。だから毛の多さを比べてふてくされるのはおよしなさいと言うばかり。

にんげんは納得した様子ではありませんが、お母さんは優しいだけではありません。それ以上はなにもいってくれませんでした。

 それからにんげんは犬の毛に埋もれてぽつりと呟きました。

「わたしも犬とおそろいの毛がほしかったなぁ。」と。

犬は黙って顎の下でにんげんの頭をさすってやりました。

そうして今日も一日が過ぎていくのでした。

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