難しい
ある日にんげんと犬は森の中に空き地を見つけました。
そこでにんげんは、「ねぇ犬、果物を取って来て種を植えよう。」と言ったのですが犬は、「まぁ落ち着け。」と言います。
そして一声吼えました。
にんげんがどうしたのかなぁ、と思いながら様子を見ていると、ザスザスという音と共に六本の杭のような足に伸びるし細い太腿を持つ、鹿のような身体を持つ兄弟が現れました。
「なんでいなんでい、誰かが呼んでるなと思ったら犬かい。何の用でい。」
そう言いながら現れたのは鹿杭の兄、その足跡は種を植えるのに丁度良さそうです。
もし木を植えるならここに現れただけでその役目を果たしていると言えそうですが、犬の様子ではそうではなさそうです。
「いや、ここに濃厚な臭いが残ってたので誰かの寝床かと思ってさ。鹿杭の兄の寝床だったか?」
そう聞く犬に、鹿杭の兄は、「おうよ。ここでばたっと倒れこんで寝る!これが気持ち良いんだよなぁ。」と言います。
それを聞いて犬は、「というわけだにんげん。ここに木は植えられないな。誰かの寝る所を荒らすわけにはいかないだろう?」と言いました。
そういわれるとにんげんは、「うん。そうだね。ありがとね犬。犬のおかげで鹿杭の兄を怒らせずに済んだよ。」と言いました。
鹿杭の兄がなんでいなんでい、と言っている間に、にんげんはもっふり、犬はペロリ。
お互い相手を気遣ってから、鹿杭の兄に熊猫の兄との約束の話をします。
それを聞いて鹿杭の兄は、「はぁ、あいつがそんな事をねぇ。こりゃ寝床には印付けとかないとだな。」と言いながら納得してくれました。
こんな感じで空き地を見つけてもそこは兄弟の寝床になっていたりという事が結構あったので、熊猫の兄との約束は中々果たせなかったそうです。
約束を守るのって、難しいですね。




