汚れた淫雨
横柄な侵略行為。
H.C.が潰された後に政府に売り込み元H.C.社員であり、H.C.崩壊までには離れていたハーム。
名前が売れて幅を利かせていたH.C.は政府としても目の上のたんこぶだったこともあり、ハームが名義を借りて新しく立ち上げたのだった。
政府で余っていた試作品の天使を高値で買い取り、統率の取れた機動兵士。
塗装がされておらず灰色のそれは、ハームの驕り高ぶりを持って『神使』と命名された。
早速略奪行為を開始した男は、欲望のままに5つの国を攻撃した。
すでに2つは陥落、残りの3つもいずれは手に入れるほどの勢いだった。
「笑いが止まらないなぁ!」
モニターに映る惨劇を覗きながらにやけるハーム。
H.C.にいた時は自信過剰な性格が災いし、ろくな装備が支給されていなかった。
自分が一番偉いという彼からしたら、今の圧倒的な神使の動きっぷりは最高潮を迎えている。
「H.C.もバカだよなぁ、滅びた後がオデの為の組織になってしまうだなんてなぁ・・・グヒヒ」
この話を提案してきたのはゾフィアだ。H.C.を今のうちに名乗れば乗っ取れると。
最初は難癖をつけていた彼も、H.C.の規模を考えるとそれを受け入れた。
「しかしゾフィアもサンタナも何でオデにこれをやらせたんだろうなぁ」
まぁオデが一番偉いから関係ないか、とまた笑う。
あいつらも欲が無くて可哀想だな、人生退屈そうだと鼻で笑った。
そろそろ声明を世界に知らしめてやらねば!
それは世界に伝播した。
H.C.再建という情報、そして侵略行為を繰り返していること。
「どういう事だ・・・」
「H.C.は俺たちじゃねえのかよ!」
亡霊とエイトは電波ジャックで送られてきた映像をプロジェクター越しに見る。
「そいつだ、H.C.と言って侵略しているやつだ」
画面に映るハームとその取り巻き。
椅子に座った彼の後ろに4人並んでいるところを見ると、幹部ということだろうか。
「オデたちH.C.は政府公認の民間軍事組織だ」
「政府が下層の国を支配するのは手間だといってたからオデ達の傘下になってもらいまーす」
金に輝く指輪、テカテカのオールバックとサングラスからして今の彼の精神状態が視認できた。
「オデに逆らうということはぁ、政府に逆らうって事だ」
拘束された人々が拷問される様子が映し出される。
「こーなりたくなかったら抵抗するなぉ」
「ふざけてる!」
大きな音を立てて机を叩くエイト、バーンは下を見ていた。
「おい、いくぞ」
亡霊はジャケットを身にまとい、トムの所へ向かった。
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「みたよ」
トムは口を開く。
「あれはまぁ先手打たれたなぁ、名前奪われたな」
落ち着いた口調の社長、
「とはいえ、ただくれてやるつもりはない」
「その為の準備をしよう」
肥大化しているハームを討つ。
そして俺たちの尊厳を取り戻すんだ。
そして同じ様な気持ちを持ったメンバーたちが続々と部屋に入ってくる。
「情報によると、すでに研究所を乗っ取ったり、ある街は支配下に置いてるみたい」
とサニー。
バンビの代わりに情報を取りまとめたようだ。
モニターに映し出される動画を少し拡大してほしいと亡霊が呼びかける。
「…赤い天使」
エムナを殺した憎き相手。
こいつがいるのであれば恐らくサンタナも居る。
「ハームと合流したってことかよ!」
エイトが声を上げると
トムは「ここまでが狙いだったのだろう」と返す。
「…白雪合の時にハームが裏切った時からこのつもりだったのね」と少し怒気を込めたミスティが呟く。
受けた傷は返す、奴等を纏めて葬り去る。
それが亡くなった者への弔いになるからだ。
「まずは情報を集めよう、紛いなりにも彼らは強い」
「そして無法である。だから俺たちが下手に動いてるとそこを突かれる」
じゃあどうすればと亡霊が返すと
「部隊を分ける、シックスさんや亡霊が動くと目立ちすぎる」
「ミスティも実力が割れてる以上は動かない方がいい」
「カフカの傭兵時代の立ち回りも活きるだろう、生き残った新入り達と一緒に任せたい」
ワッチ達が歓声をあげる。
このまま動かない状態が続くことに納得はしてなかったようだ。
そして自分たちの有意性を示す機会。
彼らは熱気を帯びていた。
「絶対結果出すんで、任せてください!」




