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花さんと僕の日常   作者: 灰猫と雲
第一部
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秋の章 「第七走者」

タケルはきっと怪我をした。目の前でブチンと音が聞こえた。アキレス腱を切ったとか、とにかく結構な怪我をしたはずだ。けどあいつは俺に抜けと言った。2位から4位までダンゴ状態でバトンを受け取ったにも関わらずタケルに気を取られて少しだけ差が付いた。

なにやってんだよ俺は!

最初から…俺は何してんだよ!乃蒼と桜さんがいるからリレーで勝つのは無理だとか、練習だって乃蒼は必死だったのに俺はどこか流してたり。いっつも綺麗ごとしか言わないくせにこういう時になったら急に現実見やがって。クソヤローだ俺は。

桜さんに謝らなきゃと思うけど、桜さんは求めてない。多分しなきゃならない事は謝るとかそんなんじゃないんだ。乃蒼にも謝らなきゃと思うけど、乃蒼も求めてない。みんなそんな事求めてないんだ。

あいつはさっき俺がいつか後悔しないように走ってと言った。それでもダメなら私のせいって。

大丈夫。絶対にお前のせいになんかしないからな。俺が、抜きゃいいんだ!

あ、野島さん。

そんな心配そうに見ないでよ。あんたの直の後輩はね、あんたの期待を裏切らないよ。あんたは部下の戦を椅子に座ってドッカとふんぞり返ってりゃ良いんだよ軍師殿。

「邪魔だゴラァ」

まず1人、これで3位。

絶対、絶対勝つ。

乃蒼のせいになんてさせやしないからなチクショー。まだやれる。まだやれるって。

「どけ茂木ぃぃぃ!」

これで2位、あと1人。

あと1人。あと1人。あと1人。ちっくしょう、あいつ速ぇぞクソ。ちょっとでも差詰めねぇと、雪平に、雪平に。

あ〜くそっ、終わりかよ。

タケル、大丈夫か?見てっか?お前の分もキッチリ仇とったかんな。あとはウチの学年トップに任せよう。

「ゅぅぅぅぅきぃぃぃぃひぃぃぃぃぃらぁぁああああ!!!」

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